[小説]「椿山課長の7日間」 浅田次郎著
ここ何年かでベストヒットの本となりました。
超級の娯楽作品です。
重い物語ではないのに、軽い本を読んだという失望感がない。
浅田次郎は初めてでしたが、一級のストーリーテーラーだと思い知らされました。
あらすじを簡単に
デパート勤務の椿山課長(46)は大バザール期間中に急逝。
ヤクザの親分、事故で早世した男の子ら、遣り残したことがいっぱいのワケアリ3人は、冥土の救済システムにのっとり、一時的だが、現世に戻る道を選択する。
許された時間は初七日まで、3日間で思いを遂げ、大往生できるのか。
ポイントをまとめると
1 とにかくありえない設定に読者をどうやって引き込むか
2 3者3様の「生き返りの理由」が説得力をもつのか
3 どうやって大円団に持ち込むのか
でしょうか。
張り巡らされた複線はどれもクライマックスにつながっていきます。
個人的には男の子をもっとクライマックス近くで登場させ、盛り上げ役に使うのかと思っていたのですが、このストーリーなら問題なく盛り上がっちゃってます。
誰もが納得する大円団、かどうかは分かりません。
でも少なくともぼくは泣いたし、読後すぐにこの本のことを誰かに話したい気持ちに駆られました。
文庫本だったので500円を標準価格とすると
\1500
です。
とりあえずこの金額を当面天井にさせてもらいます