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サイコセラピー(精神療法・心理療法) & 精神分析(的サイコセラピー) & 対象関係理論

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2009-12-27 Sun

いわゆる国家資格問題に関する見解

|  いわゆる国家資格問題に関する見解を含むブックマーク  いわゆる国家資格問題に関する見解のブックマークコメント

 毎年配られる臨床心理士関係例規集とともに財団法人日本臨床心理士資格認定協会、緊急資格化問題ワーキンググループという書名による「いわゆる国家資格問題に関する見解」というB4の資料が送付されてきた。

 内容は現在進んでいる国家資格化が「臨床心理学」から「心理学」へ重点を置き換え、臨床心理学の優位を脅かす危険なものであるというものだ。

 一方、こうした危険を承知しての国家資格運動を主張される一般社団法人日本臨床心理士会のあり方にも疑問を強く感じます。

 と矛先は国家資格化推進の立場を取る日本臨床心理士会にも向いている。

 これだけ重要な内容にも関わらず緊急資格化問題ワーキンググループに関しては送られてきた資料を見る限りメンバーさえ明らかにされていない。


 せっかく国家資格化に向けての歩み寄りが行われているのにこのような動きが出てくるのは非常に残念だ。というかこんなものに認定されているかと思うとほんとうに情けない。


 (追記)認定協会のウェブサイトなどには掲載されていないようなので、国民全体の福利に関係するという状況を鑑み無断転載します。ご意見があれば yousobject@gmail.com までよろしくお願いします。

臨床心理士各位

平成21年度版例規集送付に添えて

平成21年12月15日

財団法人日本臨床心理士資格認定協会

専務理事大塚義孝

 文部科学省の許認可によって組織されている財団法人日本臨床心理士資格認定協会は、昭和63年(1988)3月に発足し、平成21年(2009)12月で22年目になろうとしています。この間に、19,830人の方々に「臨床心理士」の資格認定証を付与し、今日の発展をみていることはご案内のとおりです。

 とくに本年度は、臨床心理士の専門的養成大学院として、学校教育法第65条第2項および第110条にもとづき、本認定協会内に臨床心理士の養成に関する専門職大学院の認証評価を行う専門機関を設けられることが、文部科学大臣より認可されました(平成21年9月4日)。臨床心理士各位のさらなる発展と社会化に資する営みとして、当認定協会の使命の重さを痛感しているところです。

 ところで、こうした時代の要請ともみなされる緊張の日々の中にあって、臨床心理士各位のお目にも留まっているかと思いますが、臨床心理士有資格者の固有な職業的権益を守り、臨床心理学の発展と国民の心の健康生活に寄与しようとする一般社団法人日本臨床心理士会の公報誌(日本臨床心理士会雑誌)で、「臨床心理士の国家資格化の方途」を内外に示される状況が生まれました。この内容は、臨床心理士はもとより、すべての関係者にとって看過できないものがあるとの認識から、今回、平成21年度版臨床心理士関係例規集発行に際し、別紙同封のような形で、当協会の「緊急資格問題ワーキンググループ」のまとめられた「いわゆる国家資格問題に関する見解」をお届けすることにいたしました。

 同送いたしました21年度版例規集のご活用と同時に、ワーキンググループの提言された臨床心理士の国資格に関する見解についてもご理解を深められ、日々の心理臨床活動に遺漏なきことを願うものです。

いわゆる国家資格問題に関する見解

平成21年(2009)12月10日

財団法人日本臨床心理士資格認定協会

緊急資格問題ワーキンググループ

いわゆる国家資格問題に関する見解

平成21年(2009)12月10日

財団法人日本臨床心理士資格認定協会

緊急資格問題ワーキンググループ

 このところ再び、国家資格の課題がさまざまに論じられているようです。これは、当臨床心理士資格認定協会にとっても重要な関心事なので、ここに我々の現時点における見解を述べておきたいと思います。

 すでに繰り返し伝えられているように、我々は基本的に臨床心理士が整合された国資格になることを願っています。それゆえに、約5年前、文部科学省と厚生労働省の合意のもとに方向性が示されたときにも全面的に賛同し、関係省庁や議員連盟の方々に協力をお願いし、さまざまの働きかけを積極的に行ってまいりました。その後、二資格一法案という方針そのものが実現困難であることや、国会の動きとの関連で、この法案は上程されずに日が過ぎて行きました。

 現在でも、妥当な国資格ができるならば、臨床心理士の発展像として、いささかも反対するものではありません。

 ところが、このたび喧伝されている国資格への動きでは、目指す資格は「臨床心理士」ではなく、心理学一般を基本モデルとして再構築しようとするところに力点のある「心理士(師)」だということです。そうなると、我々としては前回と同じ姿勢で事を進めるのは難しくなります。もし、「心理士」資格であるなら、これまで皆さんや関係者の涙ぐましい努力によって築かれてきた臨床心理士としての実績と一般人に広く知られるようになったパブリック・イメージ(名称効果)はともかく、その専門'性を担保する160校以上の専門職や指定大学院の教育体制や臨床心理学の専門職能性はどのようになるのでしょうか・・・・

 スクールカウンセラーに任用される臨床心理士の実績ひとつ想定してみても、「心理士」が先にあっての国資格を求める考え方は、看過できない問題点です。「心理士」に呼称される大学、大学院での教育体制も、今日の「臨床心理学専攻又はコース」を「心理学専攻又はコース」に改変される陥奔のあることに留意する必要があります。当事者である「臨床心理士」はもとより、大学院で臨床心理士養成にあたられる先生方、大学院生の方々も、カリキュラムの改変による真に役に立つ臨床心理学が心理学の名において拡散する危険性をはらんでいることを知らなければなりません。

 一方、こうした危険を承知しての国資格運動を主張される一般社団法人日本臨床心理士会のあり方にも疑問を強く感じます。この団体は、臨床心理士を束ね、運営し、その社会貢献を推進する役割を担っているはずなのに、その役割はどうなるのでしょう。もし、別名の資格ができたら、臨床心理士会を解散するのか、別の運営主体を作るのかもしれませんが、それまで臨床心理士会としての仕事はどうなるのでしょうか。

 以上のように、国資格が「臨床心理士」ではないということは、単なる名称の問題ではなく、臨床心理学という我々の学問的基礎の根幹を揺るがす深く広い意味を伴っているので、我々はこの方向性に俄かに賛同することはできません。「臨床心理士」という国資格が作れない理由は、医師、特に精神科医が感情的に反対しているから、という理由しか聞こえてきません。果たして、感情的な理由だけなのでしょうか。そんな理由だけで、我々に最も近く、最も緊密に提携するべき職種の、しかも理‘性のある職種の先生方が反対されるとは思えません。

 いずれにしろ、今回の未来への願いを受け入れる世界である国資格化の内容が不透明であることは、残念でなりません。しかし、このままで立ち止まっているわけにも参りません。現在、日本臨床心理士会から提案(日本臨床心理士会雑誌vol、18-3,P、5,2009)されている「国資格に対する当会(日本臨床心理士会)の考え方」には、臨床心理士の職能アイデンティティのみならず、学問的な基礎までもを根幹から揺るがしかねない極めて重大な危険性を含んでいるのではないかと考えています。

 このような現状に関する基本認識をふまえ、今後は関係機関や諸団体と充分に意見の交換を図り、臨床心理士各位に資するために遺漏なき対応をしていきたいと思います。

asegaasega 2009/12/30 14:18 私の見地を↑リンク先で書きました。
もう、どっちに賛成とか反対以前の問題です。
丸く収めなくてもいいですよ。
このままでは10年後には「臨床心理士」そのものが不要になり、優秀なケースワーカーやPSWで十分な時代になるではありませんか?
問題は全然別なところにあると思う。

いーおんいーおん 2009/12/30 23:19 私も「問題は全然別なところにある」と思います。
お為ごかしに色々と書いてはいますが、要は欲にかられての暴走でしょう。
まずもって文章が意味不明だし(「国資格」とのミスタイプ?も連発)、
「一般心理学の資格になる」根拠は示されていないし、「ワーキンググループ」
が通用すると思っている(らしい)のが情けない。
何かもう、常軌を逸しているとしか思えません。
もう本当に、辞めてもらいたいです。
2月の徳島での研修会に参加する人たちは、大人しくあれを拝聴するんで
しょうか。

you999you999 2009/12/30 23:36 asega さま ブログ拝読し村瀬孝雄先生の記事を読みました。東大にうつられるにあたってそんなことがあったとは知りませんでした。そういう背景があっても臨床心理士をとれというようなプレッシャーは全くなく、在籍中も取得しないでも何の問題もなかったことを幸せに思いました。

you999you999 2009/12/30 23:43  いーおんさま、コメントありがとうございます。日本心理学諸学会連合(確か)が確か「国家資格」でなくて「国資格」という呼称を使っていたので必ずしもミスタイプではないと思いますが、表記揺れには違いなく、封筒に貼られていたガムテープとともにあわただしく(恐らくは23日の諸学会連合での方針確認に対抗する意味で)作られた文章であることは間違いありません。
 徳島の研修会できちんとこの問題に関するディスカッションができるようだったら、臨床心理士もそう捨てたものではないと思えそうですね。

asegaasega 2009/12/31 08:14 私、あの昔の漫才師のような〇〇先生のことは人間としては全然信頼してません。私は徳島での研修会への参加申し込みをしています。抽選300人ですのであたるといいのですが。久留米から新幹線乗り継ぎで5時間で着き、飛行機の早割より安いんですよ。ギリギリ600キロ離れているのでJRの往復割引になり、宿代格差まで考えれば東京への超割航空機1泊往復より少し高いくらいで済みます。1年前熊本の八代であった時には酒木先生と遅くまでお話できて物凄く楽しかった(ほんとに面白い、腹の据わった先生ですね)のですが、今度はその時隣の席で何やら某先生と密談していた〇〇先生に「ご挨拶」してみようかと思っています(^^)。・・・・もっとも、私は今、もうひとつ先のレヴェルのこと「2つ」時限爆弾のスイッチ入れてます。ひとつは不発しても最低ひとつは「爆破成功」でしょう。リアルワールドで根回ししてますからね。うまくすると新年から時を経ずして事態は公表されます(今回以上の「大爆弾」です。リアルワールドで一変するんだから)独立開業で最低限生計が立つことが確認できれば、あとは怖いものなしですよ。失うものは何もないから。

asegaasega 2010/01/04 21:35 あれからいろいろ考えてみたのですが。

 youさんには説明不要でしょうが、ロテさんサイトで、「CWとPSW」が優秀であれば、という条件付きでも)心理職が優秀であっても「CWとPSW」がいれば心理職は10年後には不要になるという、私の論拠を知りたい方がおられるようでしたので、言葉にしてみようとしてみたのですね。
 答え:何より、心理職に対する「ケースワーク」だとか「生活指導」の専門的技能の養成が現段階では不十分だと思えるから。
 ある程度スタッフが揃った病院や公共機関ならうまく分業して連携すればいいといえるでしょうが、例えばスクールカウンセリングの領域で肝心なのは、狭い意味での「セラピー能力」以上に「連携のスキル」と、一種の「ソフトなネゴシエーション能力」という、「ケースワーカー的なセンス」であることは、すでに全国のSC研修会で繰り返して説かれていることでしょう。
 ・・・・こうして、PSWやSCから分離独立した心理職固有の職域は果てしなく曖昧化し、固有のアイデンティティを保持しえなくなる。
 唯一、心理職の砦だったはずなのが、実は大学院出であることによる「研究スキル」において、学卒で可能な他の資格より上回る点だったはずなのに、そのプライオリティをみすみす捨てて資格化してもいいのかというのが私の疑問なんですね。
 少なくとも、基礎資格は基礎資格で「先に」国家資格にするのでもいいから、博士前期過程修了が必要な「高度臨床専門職資格」の国家資格化も今後の射程に入れています・・・ということを「明言」してもらわないと困る、納得いかないということです。

 ・・・・ここまで考えて来て、やっと思い当たったこと。

 実は最後に述べた点(大学院博士課程前期修了を条件とする上級の「臨床」心理士資格の国家資格化)は、日本臨床心理士会の首脳部の射程から決して見失われたわけではないのではないか? 
 ただ、そのことを現段階で、臨床心理士全般に「明言して」しまうと、基礎資格そのものの国家資格化に再び「外部から」横槍りを入れられる口実になるので、その部分については当面口をつぐむ戦略に出ているのではないか?

 だとすると、もし上記の私の仮定が真実だとすれば、「資格認定協会ワーキンググループ」の声明は、ほんとに「単に事態が見えていない」、ロテさん言うがごとくに「笑うべき」レヴェルのものなのか、それとも、カウンセラー界「内部での」政治権力闘争に劣勢になった先生方の「あがき」だとしか言いようがないことになりますね(^^)

you999you999 2010/01/04 21:55  こんにちは。臨床心理士会にしても修士修了の資格は作りたいでしょうね。ただようやくそれが現在の政治状況を鑑みれば現実的でないと理解したと言うことでしょう。まあ学部卒資格でもできるかどうか不透明な時点で、上級の資格を作ると言っても現実的な資格化にとっては混乱をひきおこすだけでしょうね。
 まあぼくはサイコセラピストのアイデンティティには興味があっても、心理職のアイデンティティにはあんまり興味なくて(単に専業でサイコセラピーをやるというだけ)、心理職固有なアイデンティティなんてただの病気だろうと思っていますから別に心理職が滅びてもいいんじゃないの、と思ってます。PSWがセラピーやったらいいだけの話で。

you999you999 2010/01/04 21:58 とはいえPSWにしたってアメリカじゃ修士資格だし、臨床心理士なんかよりずっと実践的な訓練をもとめられるわけですが。

asegaasega 2010/01/05 13:53 >心理職固有なアイデンティティなんてただの病気だろうと思っていますから別に心理職が滅びてもいいんじゃないの、と思ってます。PSWがセラピーやったらいいだけの話で。

 youさんらしい割りきりですね(^^)
 ただ、敢えて言うと、イギリスで認知行動療法が唯一の「国家資格」になった際と同じような意味で、セラピストの「国家資格化」は、最終的には保険診療報酬の対象になるかという点で大きな問題をかかえてくることになる。この点では「どうでもいい」とばかりはいえない。
 もとより、セラピストの職能なんて基本的に「在野」「自分で自分に出す資格」でいいいんだ、という割り切りはあっていいとは思います。それぞれの流派が出す「認定資格」なるものですら、結局は形骸化したムラ社会のものであり、実際のクライエントさんに対して「光背効果」になるかもしれないけど、それって、セラピストのメサイヤ・コンプレックスと、余計な「理想化転移」を引き起こすという「副作用」を導くばかりですからね。
 一度転移神経症にして、陰性転移が生じて、そこから「徹底操作」するのが治療の本道だなんて大嘘。そんな「副作用」のリスクがない形で済めばそれに越したことはないわけで。
 ・・・まあ、クライエントさんと関係がつけば、否応なしに、いわゆる「転移」の問題は生じますけど、それは単に「解釈」やら「直面化」で対処するなんて、ほんとの精神分析的現場臨床家の実力者は全然思ってないはずでしょうから(バリントの治療論を読むだけでも明白)。