『GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)』

崖やビルから落ちそうになった人を、手をつかむことで助けるシチュエーションがある。今ここで仮に「キャッチング」とでも名づけてみる。
はっきりいって、これは普通の人間には無理である。握力、瞬時の判断などの問題として。
しかしながら、崖の上での告白同様に一種の様式美として定着しているのは事実である。
ここで問題を立てるなら、一つはこの「キャッチング」の起源はどこまで遡れるか、ということであり、もう一つは創作物に見られる「キャッチング」を集めてみた時*1に何かが見えてこないか、ということである。
いやまぁ「痛くないったら、痛くないのだ!」のシーンでぐっときた、というだけなんだけれども。
確か、この作品は『キリンヤガ』に影響を受けているということだったが、そういう視点で見てみると、古い習慣を残す村とそれを守ろうとする村長、反発する弟子、といった構図は似ているかもしれない。

*1:二人の関係性とか、場所、助かるかどうかなど