白駒の池物語


  白駒の池物語91


「何、白駒がいないと。いつから
いないのじゃ」
「わかりません。今、馬小屋へ行
ったら、白駒がいませんでした」



「白駒は、わしの大切な馬じゃ。
みんなで手分けして、白駒をさが
してほしい」
長者は、やしきで働いている人た
ちに、お願いしました。



きよは自分の部屋にとじこもった
まま出てこないし、清太はどこへ
行ったのか行く先がわからない。
この上、大切にしている白駒まで
いなくなってしまうなんて。



どうしてこんなことになってしま
ったのだろう。
清太を追い出したから、ばちがあ
たったのだろうか。
長者は、自分が大切にしていたも
のを、すべてなくしてしまったよ
うな気がし、がっかりしました。



「白駒。せめておまえだけでも早
くもどってきておくれ」
長者は、心の中で祈りました。


              つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081104#p1




初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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