風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの14


女の子はまゆ玉をみて、にっこりと
ほほえみました。
なんともいえない優しいほほえみで
した。
二人は女の子のほほえみを、いつま
でもいつまでもあきることなくみて
いました。



こうして縁側においてあった黄金色
のまゆ玉は、女の子・まゆの大切な
お守りになったのです。



一ヶ月がすぎました。
おかあさんはまゆをつれて、一ヶ月
検診に行きました。
すると医者がいいました。



「まゆちゃんは生まれた時、なかな
かおぎゃーと泣きませんでしたね。
今日はおかあさんに、まゆちゃんの
ことをはっきりお話しなくてはなり
ません。



本当に残念なことですが、まゆちゃ
んは一生すわることも、立つことも
歩くこともできないでしょう。
もちろんしゃべることもできないで
しょう」と。


               つづく



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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