ふしぎな鈴20
「心のやさしいおくがたさまだっ
たのに、なんでこんなに早くなく
なってしまったのだろう」
藩の人々は、なげき悲しみました。
「そういえば、おくがたさまはい
つも花や小鳥と楽しそうにお話を
しておられたが、おくがたさまは
花や小鳥のことばがわかったのだ
ろうか」
何も知らない藩の人々は、そうい
ってふしぎがりました。
ー かな生まれる ー
小桜姫がなくなってから、五百年
近い月日がたちました。
南アルプスの山々が美しくみえる
町に、女の子が生まれました。
かなが生まれた時、丘の上の桜が、
とても美しく咲いていたそうです。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100702#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。