ふしぎな鈴32
「かなさん、私は遠い国から、
あなたのおとうさんを迎えにき
ました。
これから、おとうさんは遠い国
へ旅立ちます。
おとうさんは、あちらの国で、
かなさんとおかあさんのことを、
ずっと見守っていますからね。
では、これから出発します。
かなさん、おかあさんのことを、
たのみますよ」
そういうと、黄金色の鳥は、お
とうさんを背中にのせて、どこ
かへとんでいってしまいました。
それはあっという間の出来事で
した。
「黄金色の鳥は、あちらの国っ
ていったけれど、あちらの国っ
てどこにあるのかしら?」
かなは「あちらの国」というこ
とばが、気になりました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100714#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。