女神さまからのおくりもの62
「庄屋さまにいわれなくとも、私
にはよくわかっております」
「清太。おまえは、自分がなにを
いっているのか、わかっているのか」
吉衛門は、腹がたってきました。
清太にというより、自分自身に腹
をたてていたのです。
「はい、わかっております。
私が、家柄のいい家に生まれてい
たら、おじょうさまと結婚させてくだ
さいと、お願いしたと思います」
「なんだと! 清太」
吉衛門は、興奮して大声でいいま
した。
「わしは、清太のことが大好きだ。
清太のことを、いつもじまんに思
っていたのに。なぜだ」
吉衛門は、自分がみじめでした。
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101130#p1
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