シャマラン最新作!
- 作者: ブレイククラウチ,Blake Crouch,東野さやか
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/03/07
- メディア: 文庫
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スリリングな展開と衝撃的なラスト。
が、行き過ぎたシャマラニズムの『レディ・イン・ザ・ウォーター』で迷走しはじめ、『ハプニング』はまあまあ佳作だけど『エアベンダー』ではファンをもがっかりさせ、最新作『アフター・アース』はウィル・スミス親子にラジー賞をもたらした。
そんなシャマランを僕は偏愛しているわけだけども、彼の最新作は、2014年アメリカで放送されるテレビドラマシリーズ『Wayward Pines』だ。
その原作小説が日本で出版されたのでさっそく読んだ。『パインズ−美しい地獄−』。
シークレットサービスの捜査官が、ケガを負った状態で目覚めると、そこは見知らぬ町『パインズ』だった。なぜ彼はケガをしているのか、なぜこの町にいるのか、なぜ住人たちは彼に非協力的なのか。
この町の秘密がわかるラストは、たしかに驚愕というか何というか。謎に満ちたオープニング、緊張感のある中盤、怒濤の展開の終盤など、まさにシャマラン向け原作と言っていい。
だけど……
このラストのどんでん返しを映像化して放送したら……きっと怒る人はいるんだろうなあ。がっかりする人も。
特にそれがシャマラン作品となると……正確にはシャマランが監督するのは1話目であとはプロデューサーとして関わるだけなんだけど……
またシャマランがやらかした! みたいにならないことを願うばかり。
主人公が、町で知り合いを見つけると、なぜか自分よりもずっと歳を取っている謎とか、途中挿入される主人公の妻と子のエピソードの意味とか、それらが、この町の真相とすべてリンクしてラストに明かされる展開とかは、かなり面白く読めたので、奇抜なバカドラマにならずに、シャマラン再評価に繋がる出来になることを願うばかり。