CURE

「CURE」[amazon]を観る。ホラー映画的な「怖さ」とはちょっと違う、死ぬほどカエルが嫌いな人間がそうとは知らずにカエルの肉のステーキを食べてしまい、あとから「あれってじつはカエルの肉だったんだよね」と知らされたときに感じるような後味の悪さ。

それからこれはネタバレ気味になるけど、明治時代のマッドサイエンティストが事件にからんでいることが判ると、どうにも白ける。物語に「深み」を持たせるために過去の事件をからめたのだろうが、明らかに逆効果。逆に底の浅い因縁話になってしまうのだ。

春野特集

haruno
口が「へ」の字に曲がっているので、真正面からだとちょっと意地悪そうな顔に見える春野。うしろには狩野も写っている。


haruno
デジカメのストラップに大昂奮する春野。もう誰にも止められない。


ところで春野という猫は、食べることへの執着が凄まじい。どんなに満腹でも、食べ物の匂いがすれば、その場に近寄らずにはいられない。たとえそれが流し場の三角コーナーの腐りかけた大根であっても、だ。もちろんドライフードのエサをやれば、最後の一粒まできっちり喰い尽くす。喰い尽くすだけでは飽き足らず、狩野のために用意したエサにまで平気で手を出そうとする。おかげでこちらはエサをやるタイミングに苦慮することしきりである。

それもこれも、春野がもともと野良猫だったからであろう。温室育ちの狩野にとってエサとは「何もしなくても自動的に出てくるもの」だが、春野にとっては「自力で獲得しないと、いつありつけるか判らないもの」なのだ、おそらくは。要するにサバイバルな精神の持ち主なのである。もう立派な家猫なんだから、そこまでサバイバルにならなくてもいいんだってば、春野さんよ。