ハラジュク

午前中から原宿で仕事。

最近出たエッセイ集『私生活』[amazon]のなかで、高橋源一郎は「原宿は住むには悪い街ではないが、夜、ふらりと食べに行ける店がない」と不満を漏らしていた。たしかにここまで「労働」の匂いのしない街は、東京のなかでも珍しい。ものすごく旨かったり、ものすごく高級だったりするわけでは決してないが、ほっとひと息つくことができ、何となく心豊な気分で会計を済ませられる店は、襟の色がブルーであろうがホワイトであろうが、労働者が労働者として生きている街にしかないのだ。

顔写真

ところで前出の『私生活』[amazon]を立ち読みで済ませたのは、表紙に高橋源一郎の倦みつかれたモノクロ写真が使われていたからだ。ミュージシャンが自分の顔写真をジャケットに使うのは別に不思議なことではないのに(むしろ普通のことだ)、小説家が同じことをやると途端に不自然になったり、安っぽくなったりするのはなぜなのか。