ヲタ

ところで「オタク」と「ポルノグラフィーの大量消費者」がイコールで語られるようになったのはいつからなのだろう。

オレが「オタク」と言われて真っ先に連想するのは、自分が受験エリートであることに裏返しの劣等感を抱かない受験エリートで、音楽にはあまり興味がなく、決してお洒落ではないが清潔な服装をしており、SFやミステリの良質な読者で、政治的には中道左派で、ハイカルチャーにも単なるポーズではない真剣な関心を持っており、対人関係においてはディーセントな連中のことだ(具体的なモデルが何人かいる)。彼らはごく稀にしかみずからの性的嗜好を大っぴらにせず、一部の良質な作品を除けば、男性向けのポルノグラフィーには関心がない。

それなのに最近では、「オタク」と「性」が、切り離せない問題であるかのように論じられている。あるいはこれは東浩紀がいうところの、オタク第一世代、第二世代と、第三世代(「オタク」ではなく「ヲタ」)の違いなのかもしれない。