かにた婦人の村

沢木耕太郎『人の砂漠』(ISBN:4101235015)をぱらぱらと再読する。沢木作品でいちばん好きなのは、『テロルの決算』でも『深夜特急』でもなく、これかもしれない。いい意味での「若気の至り」がほとばしっているのだ。さらに日本が大きな転換期を迎えた1970年代前半の風俗(あ、また使ってしまった)を活写した史料としても貴重。
「棄てられた女たちのユートピア」のなかで「売春婦のための養護施設」として紹介されている「かにた婦人の村」が、現存しているのかどうかが気になって、調べてみた。
http://www.g-futaba.com/rupo/kanita/kanita.html
http://www3.ocn.ne.jp/~ichitomo/koukyou/2004_0722.html
いまでは「精神に障害を持つ女性のための施設」と位置づけられているようだ。行ってみたい気はするのだが、物見遊山気分で行くところでもないだろうし、どうしたものか。