LE CACA!

Pour En Finir Avec Le...

Pour En Finir Avec Le...

このCDは20世紀後半の文学・哲学に大きな影響を与えたフランスの偉大な詩人が自作のラジオドラマを朗読したものです。日本では20年ほど前にカセットブックのかたちで出版されましたが(私はこの本を紛失したのでCDで買い直し、この文章を書きながら久しぶりに聴いています。初級文法を身に付けるために必死になっていた当時が懐かしく思い出されます)、最近では入手困難になっています。輸入盤とはいえ、この作品がCD化されたのには重要な意義があるといえるでしょう。「美しく正しいフランス語」の典型とでもいうべき滑らかで穏やかな発音、ロマンティックな名文で語られる崇高な哲学と神への愛、そしてエレガントなBGM。まさにフランス文化の洗練の極みというべき1枚です。これを聴いていると18世紀の文学者、リヴァロールの名言、<>(明晰ならざるものはフランス語にあらず)を思い出さずにはいられません。幸いにも(?)このCDには歌詞カードがついていません。内容を理解しようとすれば、おのずと詩人みずからの声に耳を傾けざるをえません。寝る前に毎日聴いていれば「美しく正しく明晰なフランス語」を聞き取り、喋れるだけの実力がおのずと身に付くはずです。第一志望が文学部仏文科の受験生、大学に受かったら第二外国語としてフランス語を選択しようとしている受験生、そして独学でフランス語を学んでいる初心者は必携といえるでしょう。