"沖縄という土地で" 教育学部1年 中路将伍

私は今まで沖縄という土地を行ったことがありませんでした。それこそメディア通じてしか沖縄を知らなかったのです。私は今回の機会を活かし、生の現実を見たいと思い遊説に参加しました。
今回の遊説の主題は基地問題であります。私の住んでいる地域には基地はありません。せいぜい航空ショーなどのイベントで遊びに行った経験があるくらいです。そんな私にとって、基地はどこか非日常的なモノでありました。
那覇空港に着くと早速、自衛隊の基地がありました。車に乗って移動する際にも、日本国旗と米国国旗が並んでいるのが見えました。また、数日かけて米軍基地の嘉手納 普天間 辺野古と訪れてもみました。私は恥ずかしい話でありますが、それらの基地の違いを訪れるまでほとんど実情を理解していませんでした。
訪れて初めて分かることがあります。
実際に高台に登って双眼鏡で覗き、車で建設現場に訪れる。住宅の真ん中にポツンとある飛行場や 南国の自然の隣の人工物には違和感を覚えました。
けれども、嘉手納辺りを車の中からフェンス越しに見える基地の中には ボウリング場 教会 映画館 小中高校に 大学まで そこには一つの町がありました。先輩がボソッと言った「町の色が違う」との一言は、印象に残っております。基地の中にも生活がある。私の中の殺伐とした基地イメージが崩れ、何だかよく分からなくなってしまいました。
色んな人にも話を聞かせて頂きました OBの先輩方 記者 基地反対運動の方々 民泊のおばちゃんに 現地大学生。
様々な人の話を聞く中で感じたのは、彼(女)にとって基地は『生活・日常』のそのものであるという事です。そして一人一人そう言った問題に別々の感情を抱いているのです。同じ土地・現場・大学に通っていても、話を聞くと実は微妙にソレは異なっていたりします。改めてそれをまとめ、行動に移す「政治」というモノの難しさを感じました。
最終日に 雄弁会OBの國場幸之助先輩 のご配慮で街頭遊説をさせて頂きました。「雄弁」とはかけ離れた演説内容でお恥ずかしい限りです。「雄弁家」に1日でもはやく近づけるよう邁進していく所存です。
雄弁会に入って4ヶ月 自分に問うてきました。 『子どもと大人』の間の存在である 『学生』の役割とは何だろうか? 
『「学生」は 文字通り、学ばないと生きていけないんだよ』ある教師が戒めです。
『寝る間を惜しんで 学生の頃にもっと、「学ぶ」必要があった」
政治から文化まで様々な貴重な話を聞かせて頂いた 雄弁会OB屋良栄作先輩でさえもそう、おっしゃっていました。 
私は改めて思いました。
学生には『学ぶ』 そう、見る事 聞く事 感じる事 知る事 行動する事 それを求めるひたむきな姿勢が必要なのだと。学びの内容は何も一つに絞る必要はまだありません。学びのチャンスは様々な所にあります。
ですが雄弁会 一会員として私は政治問題・社会問題、ありとあらゆる事に思わず目を背けてしまうような現実にも「貪欲」に接していこうと思います。

最後に今回の遊説に援助して頂いたOBの先輩方 会の活動場所を提供して頂いてる早稲田大学 現地で取材に協力して頂いた皆様方 に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。