yuhka-unoの日記

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本当の安心・安定とは、自己基準で生きるということ

子供を育てる時、はじめのうちは親が子供の前に立ち、手取り足取り教えてあげたり、行き先を決めてあげたりするものなのだろう。しかし、ある時点に来たら、親は子供の後ろに立ち、「大丈夫だよ、ここで見ていてあげるから、やってごらん」と言う必要がある。これは子育てに限らず、教育とは全てそういうものなのかもしれない。
しかし、私の母は後ろに回るということがなかった。不安感が強く、安心と安定を求めた母は、判断を子供に任せたら、子供が最悪の失敗をしてしまうと考えるような人だった。なので母は、終始私の前に立ち続け、誘導という支配をした。皮肉にも母は、その結果として、自ら最悪の失敗を招いてしまった。
 
子供が失敗することを恐れて、事前にあれこれと手を回すのは、優しいようで優しくない。それは子供に対して、「失敗したら終わり。失敗したら終わり」と言っているようなものだからだ。というよりも、そもそも親自身がそう思い込んでいる。
私は、挑戦する時に励まして送り出し、失敗した時に受け止めてあげるのが、本当の優しさだと思う。失敗して傷ついて帰ってきた時、傷を癒し、また挑戦する気力が養える場所があるというのが、本当の安心と安定だ。
人生の選択をする時、「自分の人生をより良くしていく道」と「親に心配をかけない道」の二つの選択肢があったとしたら、前者の道を選ぶべきだ。前者の道は、短期的には心配かもしれないが、先に広がりを持っている。後者の道は、親は短期的には安心できるが、長期的に見ると先細りの道だ。
子供に対して、「あなたのための人生を生きるのではなく、私を安心させるために生きなさい」という要求をするのは、決して優しくない。
 
母に進路を誘導され洗脳されていた頃の私は、自分のために生きていなかった。「やりたい」という気持ちを抑圧され、生きる目的が、他人に迷惑をかけないことや、親に心配をかけないことになっていた。進路の選択基準は、世間的に安定しているかどうかであり、自分がやりたいかどうかではなかった。そもそも、自分のやりたいことのために生きるという発想がなかった。そういう生き方をする人がいるということを、頭では理解していても、自分がそういう生き方をするという発想がなかったのだ。
 
しかし、いくら世間的に安定していると言われる職業でも、自分に向いていなかったら、どうせすぐ辞めてしまうことになるのだから、それは自分にとっては安定していない職業だ。逆に言えば、世間的に安定していないと言われる職業でも、自分に向いていて続けていけるようなら、それは自分にとって安定した職業だ。
つまり、世間にあるかもしれない「安定」に乗っかるのではなく、自分で自分を安定させていくということだ。世の中に「定職」というものがあって、それに就くのではなく、自分の「定職」は、何年もかけて自分で創っていく。どういう仕事をするにしても、そういう意識でいることが大切なのだと思う。
世間にあるかもしれない「安定」に乗っかるような生き方は、一見楽なように思えるが、実は徐々に精神が削られていく生き方だと思う。「安定」から振り落とされまいと、仕事にしがみつくような、消耗戦的な生き方になってしまうからだ。しかもその仕事は、別に自分にとってやりたくもない仕事なのだから、生きていて全然楽しくない。壊れる前の私は、そんな状態だった。
 

就活に失敗して思うこと

現在32歳、「超氷河期」と最初に呼ばれた世代で、報道や世間のムードに流されるままに「働けるだけありがたい」なんてくだらない考えから不本意な就職を決めてしまった結果大コケしたわたしからも一言。

大事なのは、企業を選ぶときにはあくまで自分の欲望に忠実に選ぶことであって、間違えても「自分を企業に合わせよう」なんて思ってはいけない。

「自分を大事にする」とは「自分の欲望を大事にする」「自分の直感を大事にする」ということだと思う。

就活における直感とは、幼い頃から漠然と積み上げてきた価値基準や趣味嗜好によるものだとわたしは思っている。

「この会社に就職してはいけない!」という直感は間違っていなかったし、今勤めている高校から採用の報せを受けたときにも「ここがわたしの居場所になる職場だ!」とわたしは強く感じた。理屈ではなかった。そしてその通りになっている。わたしの直感は、幼い頃の素朴な夢と根強くリンクしていると感じずにはいられない。そしてその通りに行動することがただひとつの正解だったのだと、今になって思う。

この増田の体験は、私の体験と重なる部分がある。自分の中の「やりたい」という気持ちはとても大切なものだから、抑圧してしまってはいけない。そこから来る直感が自分を導いてくれるし、そこに自分を安定させる道の答えがある。
 
 
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