ミスト フランク・ダラボン監督 スティーブン・キング原作
→デイヴィッド親子はスーパーマーケットへ買い出しに向かう。気付くと店外は深い霧。男が逃げ込んできて叫ぶ。「霧の中に何かがいる!」と。
http://www.mistmovie.jp/
真夜中にみた!面白かった!観客五人!
人外のモノに囲まれて密室状態モノ。まあ正直、霧の中にいる奴らが何者かなんてのは二の次なんだ。密室の中で精神状態がじわじわおかしくなっていって、救いの道も閉ざされていく閉塞感が素晴らしい。そして終盤の急展開。B級ホラーの要素はたっぷりなんだけども、同じパーツで作りこんだ別方向の映画なんだと思ってます。
あと、謳い文句の「衝撃のラスト」は意外というよりは、色々語りたくなると言う意味で衝撃。ダラボンさんはグリーンマイルの監督なんだそうで、ラスト間際の感性はあれと地続きだと思います。あの辺の終末と***な感覚は西欧っぽいよなあ(ネタバレしたくないからはっきり言えなくて困る・・・)
大良作だと思います。
ああそう、「ゾンビ78」が好きな人は気に入ると思うし、これが好きな人は「ゾンビ78」も好きになれるんじゃないんでしょうか。
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おまけその2.関連
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これはー行くしかないかー(え?)
吉野山と奈良
少し前の4月11日頃ですが、吉野に桜を見に行ってました。初めて。
丁度、中千本と上千本が咲いている頃でした。
広いので始めはどこをどうしたらいいのかわからず戸惑ったんだけど、
いざ入り込むと高揚してしまって、はしゃぐっつーか延々動き回ってました。
吉野の事は小説なんかからでしか知らなかったもんだから、
ちょっと勘違いしてて、山の一面が桜なんだと思ってたんだけれども、
実物は桜の密集地と山らしい緑の一帯が織り交ざっているところでした。
あんな空間は初めてで、だからまあ盛り上がってしまったんだ、うん。
次の日に和菓子の「吉野山」のデザインを見て妙に嬉しくなったりとか。
和菓子「吉野山」リンク先より
中腹の山道コース。広いからキメのあるアングルをとるのが難しい。カメラマン泣かせだと思う。
桜の絶対数が多いから遠めに見ると桜色のカタマリなんだけれども、
桜並木程の密度はないので、間近に行くと野山そのものなんだよね。
それで桜。
そう、遠景を見てそこに入り込んで行っても、近景はまた全然違う。
こう言うと何か意味ありげ。
不思議なところでした。
交通の便が悪いから、3時4時になると人が帰り始めてて,
空いているところを座って休んでたら何時の間にかうとうとしてました。
一晩過ごして朝を迎えたら気持ちいんじゃなかろうか
(やりたいなあ、おい!)
11個ある!
2007回顧ベスト10終了。のはずが11個あるぞ。音楽のあたりで分け方間違えたみたいだけどまーいっか。
世界史概観 上・下刊 H.G.ウェルズ 岩波新書 (2007回顧ベスト10)
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先生が自分史観で大編集してざっくりばっさり語ります。
バイアスがかかってる分、項目が有機的にリンクして一つの物語になってる。面白い。
先生の熱の入りようは本物で、それはもう地球誕生から始まって人類登場までに上巻三割以上かける位(←世界史?)(読書中は不安だったよ!)。
かと思いきや、中世欧州の動乱なんかは「権力争いのいざこざに語るべきことはないので割愛(意訳)」とか言って飛ばしてしまうのね。
まあ”世界史概観”としてはあまりにも上手く語られすぎてて出来すぎの感があるので、
細部には検証の余地があるんだろうとは思います。というか絶対ある。でも、どうでもいいよそんなの!
先生の視点ははっきりしすぎてて、それは「ヒトの性質は大体不変」「情報と技術が歴史を作る」
曰く、「哺乳類は経験の伝達を行うようになり、他生物とは一線を画し知的生物となった」(まず種として大ブレイク)「キリスト教は情報伝達機関でもあり、教会は情報集積拠点であった」(それで人類ブレイク)「馬と船舶が他文明との交流を生んだ」(ブレイク)「電信・蒸気機関により情報の伝達が大幅に短縮され国家の形態が変わった。」(それで人類大ブレイク)(以上全て超意訳)と。
快刀乱麻で心地よい。
講義を拝聴していると、まず技術があって、まるでヒトはただ群生しているだけで、政治経済なんてのはその時々の技術形態に依った一時的な相に過ぎないのではないか、と思い込みそうです。それでもいいか。
日本についてはこう。
「これまで日本は、この物語で小さな役割しか演じなかった。日本は鎖国文明によって、人類の運命の全体的形成に大した貢献をしなかったからである。日本は多くのものを受取ったが、ほとんど与えるところがなかった。(19世紀で日本が初登場した際の記述。以下続くが略)」
先生、ばっさりですけど文句有りません!素敵!
もっと早い時期に読んでいたかった。課題図書にでもして中学生に読ませればいいのに。
アマゾンで1円で売ってるんで急いで買うべき品だと思います。
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大江戸綺人譚―のっぺら女房 鳴渡雷神於新全伝 もりもと崇 小池書院(2007回顧ベスト10)
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いつのまにか難波鉦異本が雑誌休刊で中断してた(ショッキング!)、もりもと崇の2作。
のっぺら女房は主に江戸時代が舞台の短編集で、鳴渡雷神於新全伝は明治初期の女盗賊お新が主人公の長編。
時代劇、というか時代を意識した軽快な物語。
これだけの知識に裏打ちされた時代マンガはなかなかないんじゃないかなあ。
で、心を許してたら、難波鉦異本の○○○落としやのっぺら女房みたいな
アクロバティックな展開があったりで油断できません。
大酒戦争?題材でもう既にクラクラするほど面白い。
ああそう、ちょっと黒いところもあるかな。若さだけを売りにするタイプには少し冷たいな。
短編集は間違いなく面白いので、あとは鳴渡雷神於新全伝がどうなるか期待してます。
盗賊お新なんかは厳しい運命が待ってそうだけども、能天気に大団円するかもしれないなあ。
難波鉦異本再開してくれるといいのだけど。
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