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『シンプル・ミーディア』〜yuichi0613の日記 RSSフィード

2010-01-20

[][]アメリカ新聞業界の危機その5 新しいジャーナリズムの出現

アメリカの現状として、新聞の苦境およびジャーナリズムの危機を背景に、新しいジャーナリズムが出現している様子を以下に。


第3節 危機に際しての新しい動き:インターネットを使ったオルターナティヴ・メディアの出現、市民記者を使う大手メディア、調査報道専門組織

メディアの不況によって新聞社の経営状態が悪化、それに伴いジャーナリズムの危機が叫ばれているなか、アメリカではなにが起きているだろうか。

その中でも特徴的ないくつかについて、インターネットを使ったオルターナティヴ・メディアの出現、調査報道を専門とする報道機関、市民を記者に使う大手メディアなど、新聞がこれまでの活動を維持できなくなってきた現状を背景に起きている新しい動きについて触れる。


第1項 インターネットを使ったオルターナティヴ・メディアの出現


政治専門サイトの急成長

2008年のアメリカ大統領選挙が盛り上がるにつれ、政治関連のウェブ・サイトへの注目も高まった。

その代表格が、『ハフィントン・ポスト』(2005年5月創刊)と「ワシントン・ポスト」の記者らが立ち上げた政治専門のニュース・サイト『ポリティコ(Politico)』 (2007年1月創刊)である。発足間もないこれらのサイトは、大統領選挙後も着実に訪問者を伸ばし、現在、ニールセンの2009年11月期におけるユニーク・ユーザー数の調査を見ると、それぞれ898万6,000人 、368万6,000人 と、他の大手メディアのニュース・サイトに匹敵する規模を持つ。


ブログ・メディア

また、池尾伸一が「市民メディア」と表現*1 しているブログ(web log)を使ったオルターナティヴ・メディアとしては、大手メディアにも取り上げられるようなスクープを放つなどジャーナリズム的な成功を収めているものや、読者に一定の影響力を持つサイトとして、『ドラッジ・レポート』 、『トーキング・ポインツ・メモ』 、そして2008年の大統領選では主催の集会に民主党候補7人が集まった左派系ブログ・メディア『デイリー・コス(Daily Kos)』 などがある。また、既存の新聞からレイオフなどで離れた記者達が、いまの新聞が補うことが難しくなっている地方行政や司法分野をカバーするために新しくインターネットでメディアを作った事例もある*2

以上、代表的な例をいくつか示したが、これ以外にも多くのインターネットを使ったサイトがインターネットの普及、既存メディアの不調を背景に出現し始めている。


第2項 調査報道を専門にする報道機関、市民を記者に使う大手メディア


メディア不況によって経営が悪化し、レイオフなどで記者数を減らした新聞が多い。

その結果、自社の記者ではカバーできない範囲が増え、こまやかな取材をすることが困難になった地域も多い。

その隙間を埋める形で、一部では市民や地域の住民を記者として使うメディア企業が現れている。


「市民」を使う大手メディア

ニューヨーク・タイムズ」が2009年3月に立ち上げた、市民ブロガーも参加するハイパー・ローカル・サイト『ザ・ローカル(The Local)』 がそれだ。

このサイトでは、2つ地区毎のサイトがあり、記者が一人ずつ編集を担当して、本紙からの記事だけでなく市民からの記事提供も受ける。

『ザ・ローカル』のサイトのトップ画面には、「Your town. Your neighborhood. Your block. Covered by you and for you.」という言葉が載っており、地域に根ざしたユーザー参加型のメディアであることが強調されている。

このサイトに対しての自社記事*3 や同社のデジタル・プロジェクト担当編集長であるジム・シャクター氏のコメントから、ローカル・サイトとしての新しいジャーナリズムの創成、また地域でのビジネスやメディアとしてのコンテンツの質の維持などが達成できるのかを気にしており、かなり実験的な試みであることが伺える*4


また、主体は新聞ではないが、成功例として特筆すべきものとして、アメリカのケーブル・テレビ向けニュース放送局のCNN(Cable News Network)が2008年2月に開設した読者投稿型ニュース・サイト『アイ・リポート・ドットコム(iReport.com)』 である。投稿されたニュースのうちのいくつかは実際にCNNによって番組で取り上げられることもある

市民の力が存分に発揮された例として、CNNは2009年のイラン大統領選挙の際、市民暴動の勃発によりメディアに対する取材規制が敷かれたなか、現地の声を拾うツールとしてこの『アイ・リポート・ドットコム』を積極的に利用した*5

ただ、市民を記者として使うことには不安もある。サイトのスタート当初は、掲載前には編集も事実確認のチェックもしない(not edited, fact-checked or screened before they post.)ことになっていたが、2008年10月に投稿された虚偽記事を巡るトラブル*6 の対応で、現在ではCNNが番組で使用する場合のみ事前にチェックが入るようになった 。

このように、自社の記者がカバーできない地域において、現地の住民や市民から自社の記事として使えるコンテンツが上げるような仕組みを整えつつある。一定の不安要素もあるが、色々な試行を続けていくうちに改善が可能であろう。


調査報道を行う非営利組織


上記と同じように既存メディアがすでにコストの関係で維持できなくなりつつある分野という意味では、調査報道の分野に関してはそれに絞って報道を行う組織が台頭している。

例えば、「プロパブリカ(ProPublica)」 や「ボイス・オブ・サンディエゴ(Voice of San Diego)」 、「センター・フォー・パブリック・インテグリティ(Center for Public Integrity)」 などが当たる。

これらの組織は慈善活動家や財団などの寄付による財政支援を受けており、彼らは非営利組織として活動しているため収益に縛られずに調査報道を行えるという利点が特徴である。

さらに、発信手段として自身のウェブ・サイトは持っているが、既存のメディアの報道によってニュースを伝えることが主であり、例えば「プロパブリカ」は、大手紙の「USAトゥデイ」の紙面を飾り、ウェブ・サイトの『ポリティコ』にも掲載され、また「ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)」とは取材協力も行って調査報道の内容を伝えるなど、一部メディアとはすでに協力体制を築いている。



※これまでの記事

アメリカ新聞業界の危機

その1 発行部数、広告費の推移

その2 経営危機への対応

その3 サイト無料化と有料化―『NYTimes』とマードック氏

その4 「ジャーナリズムの未来」は「新聞の未来」なのか?

その5 新しいジャーナリズムの出現


日本新聞業界の現状は?

その1 発行部数と広告費の推移

その2 社会の変化、新聞離れ

その3 経営悪化に対応する新聞社

その4 新しいメディア主体の不在

*1:池尾伸一(2007)「米ジャーナリズムの現在 市民メディアの台頭と新聞社の対応―読者の情報発信取り込む双方向サイトを柱に」『新聞研究』No.676,pp14-17.

*2:「解雇された新聞記者、ジャーナリスト業を続けるために挑んだことは」『メディア・パブ』、http://zen.seesaa.net/article/114831342.html

*3:「The Local」『NYTimes.com』、http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9E07E1DA113EF93BA35750C0A96F9C8B63

*4:「New York Times、地域版ブログのネットワークを月曜にもローンチへ」『TechCrunch.com』、http://jp.techcrunch.com/archives/20090227new-york-times-expected-to-launch-local-blog-network-on-monday/

*5:「市民ジャーナリズムをフル活用したCNN,イラン騒乱報道で先行」『メディア・パブ』、http://zen.seesaa.net/article/121857532.html

*6:「市民ジャーナリズムの危うさを露呈」『メディア・パブ』、http://zen.seesaa.net/article/107622903.html

2010-01-19

[][]アメリカ新聞業界の危機その4 「ジャーナリズムの未来」は「新聞の未来」なのか?

今回で4回目。日本の現状までたどり着くまであと数回必要か。

「ジャーナリズムの未来」のために、新聞の未来を保護すべきか?新しいジャーナリズムの出現を助成すべきか?

この議論は、アメリカはもちろん日本でも該当するだろうね。


第2節 米上院公聴会「ジャーナリズムの未来」の議論


第1節で見たようなアメリカ新聞業界の危機に対して、国政の場でも新聞業界の保護やジャーナリズムの維持を目的として議論が起きている。

そのひとつのハイライトとして、2009年5月6日に第111回連邦議会上院・商務、科学、運輸合同委員会のコミュニケーション、テクノロジー、インターネット分科委員会において「ジャーナリズムの未来(The Future of Journalism)」という公聴会が行われた。

そこに至るまで経緯や議論について、元毎日新聞常務取締役の河内孝が連載しているマイコミジャーナル『メディアの革命*1 』の記述と杉田弘毅の論文*2 を参考に記していき、アメリカの新聞業界やジャーナリズムの危機に対してどのような議論が交わされているかをまとめたい。


第1項 「公共財としての新聞」と非営利化の議論

2009年1月の「ニューヨーク・タイムズ」のオプ・エド(Op-ed)欄に「News You Can Endow」*3 という記事が載った。

エール大学投資責任者のディビット・スウェンセン氏と投資アナリストのマイケル・シュミット氏が共同で寄稿したこの記事で、彼らは「公共財としての新聞」を説いている。

その内容は、トマス・ジェファーソンの「新聞のない政府と、政府のない新聞のどちらかを選べと言われれば私は躊躇なく後者を選ぶ」という伝統的な新聞に対するアメリカの信頼を表す有名な言葉を冒頭に引いた上で、これまでジャーナリズムを担ってきた新聞への恩義と現在の苦境、そしてインターネットの興隆に触れつつGoogle最高経営責任者であるエリック・シュミット氏が語った「インターネットは情報の“汚水”だめとなる可能性がある」という言葉を紹介して、民主主義の土台として新聞社は守られるべきであり、経済状況の良し悪しに関わらず自立性を維持するため組織形態を公立大学などと同じ非営利組織にすべきだ(Turn them into nonprofit, endowed institutions)と主張した。

 同年3月には、メリーランド州選出のベンジャミン・カーディン上院議員が新聞社の非営利化を可能にする「新聞再生法案(The Newspaper Revitalization Act)」を提案している*4 。これはのちに詳しく述べる。

また、同年4月22日には、下院司法委員会で「A New Age for Newspapers: Diversity of Voices, Competition and the Internet」という公聴会が開かれた。ここでは、新聞産業の現状から、独占禁止法の適用除外として不況カルテルの適用などの救済案について議論が交わされたが、議員たちの関心が低く、演説も既存メディアに対して批判的なものが多かったとするワシントン・ポストの記事を河内は紹介している*5


第2項 米上院公聴会「ジャーナリズムの未来」で交わされた議論

2009年5月6日、連邦議会上院の商務、科学、運輸合同委員会において「ジャーナリズムの未来(The Future of Journalism)」と題する公聴会が行われた。

そこでは、新聞再生法案を提出した民主党のベンジャミン・カーディン上院議員の法案提出理由の説明が行われ、公述人として、Googleで検索製品および利便性向上担当のマリッサ・メイヤー副社長、全米13位の発行部数を持つ「ダラス・モーニング・ニュース(Dallas Morning News)」の発行人であるジェームス・マロニー氏、近年急速に注目を集めるようになったニュース集約サイト『ハフィントン・ポスト(Huffington Post)』 の共同創設者兼編集長のアリアナ・ハフィントン氏など既存メディア、インターネット関連の6人が招かれて意見を交わした。


ジョン・ケリー委員長の「3つの問題提起」


まず、冒頭挨拶で民主党所属の上院議員であるジョン・ケリー委員長が、新聞業界とインターネット・メディアの現状を整理しつつ、新聞を「絶滅に瀕している種族」と形容。

そして、今回の公聴会の目的を新聞の経営状況を概観するだけでなく、インターネット・メディアなどが行うニュースの提供やジャーナリズムの今後についての議論だとしたうえで、3つの問題提起をしている*6

1. 広告収入が減少していくなか、20世紀後半に行われたような偉大な調査報道のための予算は配分されるのか?

2. 登場しつつある新しいメディアは、財政的理由、政治的党派性によって既存のジャーナリズムよりも断片化されやすいのではないか?

3. オンライン・ジャーナリズムはこれまで新聞業界が果たしてきたプロ記者によるジャーナリズムの価値を維持することはできるのか?

この3点の疑問で触れられているのは、これまで行われてきたジャーナリズム活動、例えば調査報道、ニュースの掘り出し、客観的で質の高いニュース記事の提供といったものが、その主体である新聞社の経営が弱体化することで縮小する今後にあって、オンライン・ジャーナリズムがその代替手段としての役割を果たせるのか、という問題意識である。


カーディン上院議員の「新聞再生法案」

公聴会では次に、カーディン上院議員が3月に提出した「新聞再生法案」についての提案理由を説明している。

背景として、昨今の新聞業界の不況によって、それまで地方紙が行ってきたその地方のニュース収集や調査報道の役割が果たされなくなっているとし、非営利組織として新聞社が経済状況に左右されることなく維持が可能になる法案を提出したと述べた*7 *8

(筆者注1/18:先日、「法案は提出まで至っていない」と友人に言われて、いま事実確認中。わかり次第対応します。)

法案の内容については、地方新聞社に対し、教育目的非営利法人(NPO)として活動することによって、教育機関や公共放送に適用している非営利組織「501(c)(3)」としての税免除資格を与えること。

また、寄付収入について、税法上の優遇を行うことを明記した。しかし、非営利組織となるため、アメリカで慣習として行われてきたような公職者の支持はできなくなる。

ただ、政治的キャンペーンを含む自由報道の原則は保障されるとの注釈は加えてある。


公述人の議論


そののちには、既存メディアおよびインターネット事業関連の6人の公述人が各々意見を交わした。それぞれの立場の代表的な意見を紹介しようと思う。


最初に意見表明をしたGoogleのメイヤー氏は、Googleがニュースを求める個人とジャーナリズムをつなぐ役割をどれほど果たしているか、そして新聞発行者に対して経済的機会や参加のための手段を提供しているかということを強調。

また、現在のコンテンツ受容の形として、例えば音楽業界ではCDといったパッケージとしてではなく曲単体のダウンロードといった、個別にコンテンツを求めるようになったことを示し、同様にニュース消費についても個別のニュース記事を消費する時代に移ったことを指摘。

そしてこうした時代において、Googleは新聞社のサイトに多くの読者を導くことに協力すると述べ、新聞社などに対し「アグリゲイター 、あるいはニュース最終消費者へのコンテンツ課金ではなく、あくまで広告モデルでの生き残りを模索すべき*9 」と従来のGoogleの主張を繰り返し、オンラインでの課金に傾きつつある新聞業界の動きをけん制した。

一方、新聞社側として参加した「ダラス・モーニング・ニュース」発行人のマロニー氏は、メイヤー氏の意見に反論して、政府や議会に対し「ニュース・アグリゲーターに対して、彼らが使用した新聞社のニュースに対して、適切な対価を求める手段の保証*10 」を強く求め、そして不況下の特別措置として「新聞企業の合併を容易にする法の制定、新聞とテレビ・ラジオの共同保有に対する米連邦通信委員会(FTC)の制限撤廃など、メディア業界の再編を加速させる措置 」についても触れた。

こうした新聞産業の保護を求める意見には、テレビ・プロデューサーのディビット・サイモン氏が自身の経験に基づいて、インターネット台頭以前から、資本家が独立系の新聞社などを買収し人員整理策などを講じたことで1995年頃からすでにジャーナリズムの荒廃は始まっていたとし、「我々の産業はウオールストリート流の利益至上主義によって自滅した*11 」と述べてジャーナリズムにおける現在の苦境を新聞産業自体の自業自得であるとした。

また、『ハフィントン・ポスト』のアリアナ・ハンフィントン氏は同様に新聞産業の保護について否定し、ジャーナリズムの未来と新聞社の未来は無関係と言い切った。

その上で、この公聴会で話し合われるべきことは、多様なジャーナリズムの助長と強化の策であり、そのためにプロの記者が住民と対話をしながらニュースを作り上げていくパブリック・ジャーナリズムの助成、そして、調査報道を行うジャーナリストに資金援助と発表の場を提供するために自身が立ち上げた「調査報道基金」などの充実が重要であるとした*12


ジャーナリズムの未来と新聞の未来は同じものか?

「ジャーナリズムの未来」のためには、「新聞の未来」を保護すべきか、それとも「新しいジャーナリズム」の助成であるべきか。

無論、これまでジャーナリズムを担ってきた新聞の保護ということが、新しくメディアを興すことよりも単純であることは間違いないだろう。しかし、こうした法案の成立によって行われるだろう新聞社への政府の介入、支援によって報道の自由を損なうとの懸念もなされている*13

また、河内はこうした新聞救済案積極的に訴える議員は、経営に不安を抱えている新聞社を選挙区に持つナンシー・ペロシ下院議員やケリー上院議員などでその他多くの議員の賛同は得られていないとする実情を指摘している*14

また、ジャーナリズムの質の向上のためには、メディア企業ではなくジャーナリズムそのもの、つまりコンテンツを重要視すべきだという主張もある。

杉田は前掲の論文*15 では、先の公聴会の公述人であり、政府の税金をジャーナリズム・プロジェクトへの支援に使うよう訴えている元「ワシントン・ポスト」編集局長で新全米財団会長のスティーブ・コル氏の主張や、既存の新聞社がコストの関係で維持できなくなっている調査報道について、その補完の役割をしている赤字の見込まれる調査報道を専門とする組織が慈善活動家の寄付によって財政的に支援されている例を挙げている。



※これまでの記事

アメリカ新聞業界の危機

その1 発行部数、広告費の推移

その2 経営危機への対応

その3 サイト無料化と有料化―『NYTimes』とマードック氏

その4 「ジャーナリズムの未来」は「新聞の未来」なのか?

その5 新しいジャーナリズムの出現


日本新聞業界の現状は?

その1 発行部数と広告費の推移

その2 社会の変化、新聞離れ

その3 経営悪化に対応する新聞社

その4 新しいメディア主体の不在

*1http://journal.mycom.co.jp/column/media/index.html

*2:杉田弘毅(2009)「米新聞界 再生への道 高まるジャーナリズムの需要―新聞救済策議論される米国の現状から」『新聞研究』No.698,pp.8-12.

*3:「News You Can Endow」『NYTimes.com』、http://www.nytimes.com/2009/01/28/opinion/28swensen.html?_r=2&ref=opinion&pagewanted=all

*4:「SAVING A FREE PRESS COULD HELP PRESERVE OUR DEMOCRACY」Cardin氏のサイト、http://cardin.senate.gov/news/record.cfm?id=311500

*5:「『オンラインニュース有料化を!』既存メディアとネットの対立が経済危機で再燃」『マイコミジャーナル メディアの革命』、http://journal.mycom.co.jp/column/media/027/index.html

*6:「Kerry Statement on the Future of Journalism」Kerry 氏のサイト、http://kerry.senate.gov/cfm/record.cfm?id=312584

*7:「THE FUTURE OF JOURNALISM STATEMENT TO THE SUBCOMMITTEE ON COMMUNICATIONS, TECHNOLOGY, AND THE INTERNET」Cardin氏のサイト、http://cardin.senate.gov/news/record.cfm?id=312583

*8:「CARDIN TESTIFIES BEFORE COMMERCE COMMITTEE ON THE FUTURE OF NEWSPAPERS AND LOCAL JOURNALISM」Cardin氏のサイト、http://cardin.senate.gov/news/record.cfm?id=312605

*9:「米公聴会でGoogleメイヤー副社長『新聞は広告モデルでの生き残り模索を』」『マイコミジャーナル メディアの革命』、http://journal.mycom.co.jp/column/media/030/index.html

*10:杉田、前掲、p.11.

*11:「『新聞社の未来』は『ジャーナリズムの未来』ではない?」『マイコミジャーナル メディアの革命』、http://journal.mycom.co.jp/column/media/031/index.html

*12:「『新聞社の未来』は『ジャーナリズムの未来』ではない?」『マイコミジャーナル メディアの革命』、http://journal.mycom.co.jp/column/media/031/index.html

*13:杉田、前掲、p.11.

*14:「『オンラインニュース有料化を!』既存メディアとネットの対立が経済危機で再燃」『マイコミジャーナル メディアの革命』、http://journal.mycom.co.jp/column/media/027/index.html

*15:杉田、前掲、p.12.

2010-01-18

[][]アメリカ新聞業界の危機その3 サイト無料化と有料化―『NYTimes』とマードック氏

その3。

無料化の流れはほぼ失敗という様子。

一方で、有料化も難しいかもね、という内容。


第3項 オンライン・シフト先進紙NYTの苦悩とマードック氏「サイト有料化」の流れ


ニューヨーク・タイムズ」はアメリカの代表的な新聞のひとつである。

1851年の創刊から約150年の間、アメリカのジャーナリズムを担ってきた。

2009年12月現在でピューリッツァー賞を101回受賞しており、これは世界の報道機関の中でもっとも多い *1。発行部数は同年4月〜9月期のABCのデータによると約92万部(前年同期比7%減)で国内第3位の部数を誇る。


そして、紙の新聞としての歴史もジャーナリズム的な実績も十二分にあるこの著名な報道機関は、新聞のオンライン化への取り組みも大変熱心であった。

1996年からオンライン事業を始めているが、昨今の新聞紙の広告収入の減少、また発行部数の減少による経営不振が深刻になる前に、インターネットにおいて地歩を固め、その頃成長し続けていたオンライン広告の競争力を得るため、他の新聞に先駆けて本格的なオンライン化戦略をとった。


実際に同社がサイト上で提供している主要サービスが、以下の表 2である。

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表 2 ニューヨーク・タイムズのサイトのオンラインサービス一覧

(出典:田中善一郎[2009]*2



登録すればニュースを自動配信してくれるRSSフィーダー、ポッド・キャスティングやビデオの配信などを提供している他に、「Blogrunner」によるサイト内でのブログの活用、1851年からの記事を読むことが出来る「デジタル・アーカイブ」や、まだ試作段階だが、どのような記事を表示、受信するかを自分の好きなようにカスタマイズできるパーソナライズド・ページ「MyTimes」など、充実したサービス提供を行っている。

その甲斐もあり、『NYTimes.com』は「SNSやブログなどのソーシャルメディアに最も多く引用されており、また豊富なソーシャルメディア機能を介してユーザーとのインタラクティブな関係も築いている *3」とオンライン化によってインターネット・ユーザーと良い関係を構築できている。

また、アメリカの大手調査会社ニールセン(Nielsen)の調査によると、2009年11月のサイトへの訪問者を表すユニーク・ユーザー 数は1,663万5,000人*4 と新聞社系のサイト単体ではアメリカで最もユーザーが多いサイトである。

このように、様々なサービスを提供し、最もユーザーから利用されている新聞社系サイトとしてオンラインでの存在感もある同社は、オンライン化によって果実を得たのか。

当時の同社のオンライン事業の取り組みや無料化に踏み切った背景、そして現状について、「ニューヨーク・タイムズ」のウェブへの取り組みに関する佐々木良寿*5 と田中善一郎*6 のレポートを参考に、同社が歩んだ道を辿ることで、オンライン化を巡る新聞社の状況を見てみたい。


2007年9月に「ニューヨーク・タイムズ」のウェブ・サイトである『NYTimes.com』においてそれまで有料サービスであった「タイムズ・セレクト」の無料化を行い、ウェブ版の全面無料化に舵を切った。

またこのとき、1987年以降の全ての記事の無料化、さらに1851年からの記事全てにパーマ・リンクを設定し、オンライン・アーカイブを充実させている。


「タイムズ・セレクト」は2005年9月に開始したサービスで、同紙掲載のコラム欄へのアクセス、1981年以降の過去記事検索、登録者が設定したテーマにあわせたメールでの記事紹介が可能だった。

料金は年間契約が49.9ドル、月ごとでは7.95ドル、購読者は無料で提供されていた。

サービス開始時のプレスリリースによると、このサービスの目的として、広告収入中心の収益構造に登録料金を加える「収益源の多極化」と位置付けていたという*7

事実、単独加入者数が22万7,000人、登録料収入で年に約1,000万ドルを数えた。

しかし、そのころ台頭してきたGoogleやYahoo!といった会社の検索サービスを使って記事単体へアクセスするユーザーが急増したことを背景に、ウェブ版の最高責任者ビビアン・シラー上席副社長は、記事の無料化で見込まれるユーザー数の増加、オンライン広告収入の増加が「タイムズ・セレクト」の収入を上回ると判断、ウェブ版の無料化へ踏み切ったとしている*8

次に田中のレポートから、オンライン事業に大きく舵を切った「ニューヨーク・タイムズ」が2007年当時に感じたであろう勝算とその手ごたえを同社の四半期決算書の数字から推察し、そしてその後に突如として起こったサブプライム・ローン問題に端を発する不況の影響について見てみる。

「ニューヨーク・タイムズ」がオンライン化に向けて一気に進むことができた理由はなんだろうか。

今からこの時期の四半期ごとの決算報告書の数字から見れば、その目論見には根拠があるように思える。

田中は前掲のレポートで、図 7にあるように新聞各社の経営がマイナス成長に突入した2007年にあって、同社はインターネット事業に投資していたおかげでオンライン売り上げの下支えを得て、同年第3四半期においてプラス成長をすることができたと指摘している。

また、図 8で示されているように、オンライン広告の伸び率は2007年第3四半期までは20%の伸び率を維持していたことを見ても、先行的な取り組みの成果は出ていたと言える。


しかし、2007年末にサブプライム・ローン問題に端を発する不況が新聞業界を襲った。

その結果、図 7、図 8に示されている通り、2008年以降は急激な売り上げおよびオンライン広告の伸び率の急降下が起きた。

同社はオンライン事業へ本腰に入れる上で、オンライン売り上げの成長を前提にしていたが、経済不況によって一気に経営危機に陥ってしまう。

図9は同社の広告売上と販売売上の推移を表している。これによると販売収入はほとんど変化していないが、2005年以後の広告売上のピークから徐々に売上が減少している。

新聞購読料の値上げによる販売売上の増加と、12月8日に発表された第4四半期決算報告予想*9 の広告売上の減少分が約25%であることを加味すれば、広告売上と販売収入の差はかなり縮まるだろう。

前述の通り、アメリカの新聞業界は総収入に対する割合において販売収入よりも広告収入に大きく依存するビジネス・モデルを取ってきた。

しかし、こうした傾向はこのビジネス・モデルがいまの時代、通用しなくなったことを示唆していると言える。

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図 7 ニューヨーク・タイムズ社の四半期別総売上と広告売上の前年同期比伸び率

(出典:同社の四半期決算報告より*10


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図 8 ニューヨーク・タイムズ社の四半期別インターネット売り上げと前年同期比伸び率

(出典:同社の四半期決算報告より*11


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図 9 ニューヨーク・タイムズ社の広告売り上げと販売売り上げ

注:単位は1,000ドル、2009年は第3四半期までの数字

(出典:同社の四半期決算報告より*12


しかし、明るい兆しもある。

前述の2009年の第4四半期予想のプレスリリースにおいて、オンラインの広告売上が、前年同期比で約10%の増加と予想されることを明らかにした。

本業の紙の広告売上の減少幅が大きいのではっきりと好調とは言えないが、2005年に買収をした総合情報サイト『About.com』のオンライン広告の売上が成長を見せたことがいい影響を与えている。

また、新しくGoogleと協力して特定のテーマ毎にニュース閲覧をしやすくする『Living Stories 』という実験的なサイトを大手紙「ワシントン・ポスト(Washington Post)」とともに同年12月にオープンしている。

オンラインで挑戦を続ける「ニューヨーク・タイムズ」の取り組みは今後も注目され続けるだろう。

(筆者注:2010年1月18日時点、「ニューヨーク・タイムズ」がオンラインの無料化方針を捨て、サイトの「有料課金」を始めるとの一報が入っている*13。これについては、また他でまとめたい。)




一方、無料化とは違う動きを積極的に見せる人物もいる。世界的なメディア・コングロマリットであるニューズ・コーポレーション(News Corporation)の会長兼最高経営責任者であるルパード・マードック氏は、傘下の新聞のオンライン版について、有料化を目指している。


マードック氏は、2009年11月9日に自身が所有するオーストラリアのテレビ局が行ったインタビュー*14 に答えて、Googleに対し「我々のニュースを盗んでいる」と非難。

今後はGoogleによる検索によって自社の有料記事へ無料でアクセスされることを拒否し、オンラインの有料化を目指すと発言した。

ニューズ社の子会社であるダウ・ジョーンズ(Dow Jones)社発行の高級経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)」を有しているが、数少ないオンライン・サイトの有料化に成功しており、そのモデルの普及を目指している。

有料化を目指す背景として、無料のニュース提供によって訪問客を集めてオンライン広告の収入を得るという従来のオンラインでのビジネス・モデルが、景気後退のあおりをうけて大きくつまずいたことにある。

これまで無料で提供されてきたオンラインでのニュース配信の形を変えて、うまく収入に結びつけることができないか。そういった模索がこのメディアの広告不況を契機に盛り上がっている。

2009年の2月、アメリカ版『タイム』誌が「あなたの新聞を救う方法」という特集を組んだのを皮切りに、約半年の間に、「ニューズ・デイ」を所有するケーブル・ビジョン社、日刊紙15紙を所有するハースト(Hearst)社、前述のニューヨーク・タイムズ社のザルツ・バーガー社主、そしてマードック氏らが自社サイトの有料化または課金に前向きな旨の発言をしている。

特にマードック氏は5月に、今後1年以内にニューズ社傘下の新聞社サイトに課金を始めると発言。また、サイトを無料にして広告収入を稼ぐビジネス・モデルを欠陥品呼ばわりしている*15


オンラインの有料化と無料化の間のジレンマは、オンラインでのニュース提供を考える新聞社にとって共通の悩みだ。

有料課金をすることでオンラインでのニュース閲覧によって安定的な収入を得ることができる一方で、閲覧者は他の無料サイトに逃げてしまい、広告収入が落ち込んでしまう。

また、サイトへの訪問者の減少は、新聞およびサイトのブランド・イメージやメディアとしての影響力を低下させかねない。こうした有料課金による影響を、アメリカでは「有料の壁(pay wall)」と表現している。

「ニューヨーク・タイムズ」のように、有料課金をスタートさせたが、オンラインの広告収入の増加に活路を見出して広告モデルに転換。

だが、今般のメディアの広告不況によって経営が悪化し、現在では有料課金を検討しているという新聞社もある。


しかし、有料のニュース・サイトの成功例は数少ない。成功した例には、金融情報とハイパー・ローカル、つまり地方に特化というニッチな情報において強みを持つ「経済紙系」か「地方紙系」が占めるという*16

その代表格が「ウォール・ストリート・ジャーナル」であり、1996年のサイト開設から課金制を続けてきた。

週1.99ドルの定期購読料を支払えば、ビジネスやテクノロジーのジャンルに多くある有料記事や、株式データなどの閲覧が可能になっており、有料会員は100万人を超えるという*17

また、「地方紙系」では現在でも「アーカンソー・デモクラット・ガゼット(Arkansas Democrat-Gazette)」の『アーカンソー・オンライン(Arkansas Online)』や「ブレティン(Bulletin)」の『bendbulletin.com』など数紙が、オンラインの課金で一定の収益を上げている*18 という。

なお、「有料の壁」の参考に他の社に先駆けて2009年11月に週5ドルの課金でサイト有料化に踏み切ったケーブル・テレビジョン社の「ニューズ・デイ」のサイト『Newsday.com』の事例を見てみる。ニールセンの調査データによると、ユニーク・ユーザー数が無料期間の10月に210万人であったのが、有料化に踏み切った11月には170万人と21%の減少にとどまった*19

スポーツ・ジャンルとローカル・ニュースに「有料の壁」を設けた「ニューズ・デイ」の有料化戦略の成否はもう少し様子を見る必要があるだろうが、オンライン上のサイトの有料課金の試みは始まったばかりだ。


また、マードック氏は最近、サイトの有料課金だけでなく、Googleなどを対象としてインターネット上でのニュース利用の方法についても動きを起こしている。

それは、Googleのサービスとニューズ・コーポレーション傘下のニュース記事を切り離そうとする動きだ。これまでGoogleは、Google Newsという様々なニュース・サイトからアップ・デートされる記事をリンクの形で集めてニュースを集約して提供するサービスに関して、新聞社などからニュースをただで使っていると批判を受けている。

Googleはリンクをすることで新聞社側にユーザーを誘導することで貢献していると主張するが、新聞社側は自社で高いコストをかけて調達した記事を無料で使われていることが我慢ならない。

ニューズ社はGoogle離れの一環として、Googleとインターネット事業で競争相手であるマイクロソフト(Microsoft)社との提携を図り、同社が運営する検索サービス『Bing』を使ってニューズ・コーポレーション傘下のニュース記事を『Bing』に優先的に提供すること、また『Bing』でのニュース利用に対してマイクロソフトがニューズ・コーポレーションに対価を支払うという方向で交渉が進んでいるという*20

この提携の背後に、Googleにも新聞などのニュース利用に対して対価を支払うべきだとするマードック氏の考えが透けて見える。

Googleもこうした動きに対して、検索などでメディア各社の有料二ュース記事を閲覧する際の、1ユーザーあたりの閲覧回数を1日5つの記事に制限する施策を導入すると発表した*21

これまでは有料記事でも、Googleの検索サービスを経由すれば無料で閲覧することができたので、メディア側の不満に応えた形だ。


「情報は無料」という文化が根付いているインターネットと、「無料の情報提供はありえない」とするマードックを代表とした新聞などのメディア側との綱引きが今後はさらに激しくなるだろう。



※これまでの記事

アメリカ新聞業界の危機

その1 発行部数、広告費の推移

その2 経営危機への対応

その3 サイト無料化と有料化―『NYTimes』とマードック氏

その4 「ジャーナリズムの未来」は「新聞の未来」なのか?

その5 新しいジャーナリズムの出現


日本新聞業界の現状は?

その1 発行部数と広告費の推移

その2 社会の変化、新聞離れ

その3 経営悪化に対応する新聞社

その4 新しいメディア主体の不在

*1:「The Times Wins 5 Pulitzer Prizes」『NYTimes.com』、http://www.nytimes.com/2009/04/21/business/media/21pulitzer.html

*2:田中a、前掲、p.51。

*3:田中善一郎a(2009)「底なしの広告収入減にあえぐアメリカの新聞社の今後」『Journalism』No.232、p.54。

*4:「EXCLUSIVE: Traffic at Top Newspaper Web Sites Declines in November」『EditorandPublisher.com』、http://www.editorandpublisher.com/eandp/news/article_display.jsp?vnu_content_id=1004054469

*5:佐々木良寿(20007)「米ジャーナリズムの現在 ウェブシフトとニュースルーム改革―ニューヨーク・タイムズ紙を中心に」『新聞研究』No.676、pp.10-13。

*6:田中a、前掲、pp.48-55。

*7:佐々木良寿、前掲、p.10。

*8:佐々木良寿、前掲、p.10。

*9:プレスリリース「The New York Times Company Announces Updated Expectations for 2009」『NYtimes.com』、http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=105317&p=irol-pressArticle&ID=1363281&highlight=

*10:プレスリリースhttp://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=105317&p=irol-press。※図はメディア・パブhttp://zen.seesaa.net/article/131260469.htmlを参照

*11:プレスリリースhttp://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=105317&p=irol-press。※図はメディア・パブhttp://zen.seesaa.net/article/131260469.htmlを参照

*12:プレスリリースhttp://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=105317&p=irol-press。※図はメディア・パブhttp://zen.seesaa.net/article/131260469.htmlを参照

*13: 「New York Times Ready to Charge Online Readers Read more」『nymag.com』、http://nymag.com/daily/intel/2010/01new_york_times_set_to_mimic_ws.html

*14: 「News Corp. Considers a Google Ban」『WSJ Blogs』、http://blogs.wsj.com/digits/2009/11/09/news-corp-considers-a-google-ban/および、Sky News Australia によるインタビュー動画http://www.youtube.com/watch?v=M7GkJqRv3BI

*15:松井正(2009)「米新聞界 再生への道 ネットニュース、課金への模索―広告不況を背景に急浮上した有料化論議」No.698、p.18-19。

*16:松井、前掲、p.19.

*17:松井、前掲、p.19.

*18:松井、前掲、p.20.

*19:「Pay Wall Drives Newsday.com Traffic Down, Paper Says According To Plan」『mediapost.com』、http://www.mediapost.com/publications/?fa=Articles.showArticle&art_aid=118960

*20:「News Corp.がGoogle検索を拒否へ−Microsoft「Bing」と提携の動き」『enterprise.watch 』、http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/series/infostand/20091130_332341.html

*21:「News Corp.がGoogleに宣戦布告――その背景 」『ITmedia 』、http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0912/07/news028.html