Hatena::ブログ(Diary)

A way of thinking

*注:筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。
不適切な表現等はご指摘頂ければ幸いです
まじめな内容のみをご覧になりたい方は,上部の検索ボックスに"[学]"と入れるといいかもしれません。


 

June 05(Tue), 2018

[][][][][]Armitage et al. Armitage et al.を含むブックマーク

Armitage, P.D., 1980. The effects of mine drainage and organic enrichment on benthos in the river nent system, Northern Pennines. Hydrobiologia 74, 119-128.

Armitage, P.D., Blackburn, J.H., 1985. Chironomidae in a Pennine stream system receiving mine drainage and organic enrichment. Hydrobiologia 121, 165-172.

Armitage, P.D., Bowes, M.J., Vincent, H.M., 2007. Long-term changes in macroinvertebrate communities of a heavy metal polluted stream: The river nent (Cumbria, UK) after 28 years. River Research and Applications 23, 997-1015.

RIVPACSあたりの本にも出てくるArmitageさんからリサーチゲイト経由で,「君の論文(Iwasaki et al, 2018 Environmental Pollution)読んだけど,興味あるかもだから論文送るね」と送られてきた論文たち*1,なんとなく事例研究に留まっている印象をうけました。2007年の論文は,long-termといいつつ,1976年と2004年の調査結果の比較で,亜鉛などの金属濃度は下がっておらず,底生動物相もほとんど変わってなかったよ*2,という話でした*3

*1:)これはとっても嬉しいことです)。2007年のものは手元に持っていた。確かにリンを測っているんだけど,サイトの特性が入り組んでいて((詳細はきちんと理解できてないです

*2:細かい変化はある

*3:質問と合わせて,再度お返事書きたいところだけど,思いつかない。無念

June 01(Fri), 2018

[][][]生物多様性の多様性 生物多様性の多様性を含むブックマーク

東大農学部の生協で売っているのを見つけてついつい買ってしまった森さんの御本。大変勉強になりました。生物多様性保全や生態系保全について,森さんの考えるところなどを計り知れるとおもしろいなぁと思っていたのですが*1,甲山さんのあとがきにある

気鋭の生態学*2である森 章氏による本書は,多面的で複層的な「生物多様性」を読み解くユニークかつ包括的なテキストである。

ということがまさしくという感じで,感服しました*3。生態学の基礎は理解していないとちょっときついかなとも思いますが,多様な概念である生物多様性と,生態系機能や生態系サービスについて,最新の知見をベースにできるだけわかりやすく紐解こうとされているのが,とても伝わってくる本でした。引用文献の多さも森さんの知識の広がりを感じさせます。この一冊と引用文献まで読むという輪読会をしても楽しそうです。という意味で,関連研究を始める卒論生や院生には相当良い日本語の解説本といえるのではないでしょうか。いやはや,すごいです*4

*メモ:しょうもない誤字ですが,p98の上から5行目の「特定」はおそらく「特性(特徴)」あたりかなと思います。

*1:という意味で,ボクの理解はある程度補完されたように思います

*2:もうこれは間違いないですよね。ほんと。業績もさることながら,圧倒的かつ精力的に(んで予想ですが楽しく)研究されているを陰ながら感じております

*3:と書くと上から目線感がでますが,そんなつもりはさらさらないです

*4:というまた抽象的な感想ですみませんが,おしまいです。内容は是非ご自身で!

May 30(Wed), 2018

[][][][][][][]有機汚濁河川における亜鉛の影響 有機汚濁河川における亜鉛の影響を含むブックマーク

Iwasaki Y, Kagaya T, Matsuda H (2018) Comparing macroinvertebrate assemblages at organic-contaminated river sites with different zinc concentrations: Metal-sensitive taxa may already be absent Environ Pollut 241:272–278 https://doi.org/10.1016/j.envpol.2018.05.041

新しく論文でました。でも結果自身はボクの発表をどこかで聞いたことがある人にとっては新しくはないのですが,これでやっと博士でやった研究がすべて論文になったことになります*1。なお,しばらくはここから無料で落手可能です。

で,肝心の内容はといいますと,地域スケールのデータ解析結果(神奈川県環境科学センターの底生動物データ+水質測定データ)と,独自に群馬県の河川で実施した小スケールでの野外調査結果をもとに,

  • BODが3mg/Lを超える有機汚濁地点ではそもそも出現する底生動物が少なく,金属に感受性の高いヒラタカゲロウ類やマダラカゲロウ類などは出現していなかった*2
  • 両調査結果から,このような有機汚濁が進行した河川で,亜鉛濃度が基準値を2倍程度超えても,底生動物の種数や個体数に顕著な影響は認められなかった

ことを示しました。結構地味な結果なのですが,いくつかimplicationsがありまして,

  • 有機汚濁が進行した河川においては,亜鉛濃度が基準値の少なくとも2倍以上高くても底生動物群集に顕著な影響を及ぼさない可能性がある。
    • 理由としては,私の既往研究からそもそもこれくらいの濃度でも大丈夫という可能性もありますが,本研究で示したようにそもそも感受性の高い種がいないことに加えて,BLMなどで言われている硬度や有機物の濃度が高いため毒性が緩和されることが挙げられます。一方で,有機汚濁+亜鉛の複合影響という可能性もあるとは思います。
  • 管理上は,有機汚濁河川において亜鉛に特化した対策を実施しても底生生物相の回復は見込まれず,より総合的に判断して対策を実施する必要がある。
    • ただし,有機汚濁河川だからというのがスケープゴートになるのは良くないとは思っています。
  • あと,これは主に(国内での)問題意識であることと趣旨とはずれるため論文中では言及していませんが,このデータでは休廃止鉱山由来の汚染などは(ほとんど)ないため,亜鉛濃度が高い地点は有機汚濁が進行しており(BODが高く),BODの影響を考慮しないと,亜鉛の影響を過大評価することになります(バックドアは閉めないといけない:環境省が以前示した水国データの解析もこれができておらず,亜鉛の影響を過大評価している可能性が高いです*3)。
    • 個人的には,そういう残念な解析結果が堂々と基準値検討の際に出てきてしまうこと。委員会でその問題点が指摘されないこと*4。さらには,「こういう野外データが出てきて良かった」とさえ言ってしまう人がいること。あたりは,まぁもう10年以上前の話ですが,結構…と思います。

以上,現場を見ている虫屋さんからすると,至極当たり前なことなのですが,実はこういう結果はきちんと世に出ていなかったので,(地味に)重要だと思っています。総合的という意味では,Stream Mitigation Bankingとかの仕組みが参考にならないかなぁと漠然に妄想しています。

[][][]Reshさん Reshさんを含むブックマーク

余談ですが,とある論文の生データがほしくて,コレスポの人にメールしようと思って確認したら,かのVincent Reshさんでした。なんか自分で調べて集めろよ,とかお叱りを受けそうだと勝手に想像しつつも*5,送ってみたところ,さっそくお返事を下さり,共著者に連絡して,データを送っていただきました。。ありがたや。何事もやってみるもんだなぁ,と。。

ちなみにもちろんこの人:

Rosenberg DM, Resh VH (1993) Introduction to freshwater biomonitoring and benthic macroinvertebrates. In: Rosenberg DM, Resh VH (eds) Freshwater Biomonitoring and Benthic Macroinvertebrates. Chapman & Hall, London, pp 1–9

*1:あしかけ,ほぼ10年。なかなか感慨深いです。。

*2:これはある種自明ではあります。

*3:あまり言い切ることはしませんが,おそらくこれはもう間違いないと思っています

*4:これが最も深刻かもしない

*5:すみません。大御所だからという想像からきたもので他意はありません

May 08(Tue), 2018

[]マイクロプラスティックに関する議論 マイクロプラスティックに関する議論を含むブックマーク

マイクロプラスティックの環境リスクに関するThomas BackhausとMartin Wagnerの議論がPeerJで展開されています。まだ未完で,ざっと眺めただけですが*1,面白いです*2。細かいけど,no riskではなくno risk of concernとかにすべきとか思ったり。結局,限りある研究資源をどこに配分するかで,過剰にリスクがあるように(少なくとも見かけ上)展開されていること*3を再考した方がいいのでしょうね。MartinがPEC/PNECをざっくり計算していて*4,結構ハザード比が1に近いのもこっそり興味深い。自然由来の粒子との比較も気になるところ。

Backhaus, T., Wagner, M., 2018. Microplastics in the environment: Much ado about nothing? A debate. PeerJ Preprints 6, e26507v26504.

*1:英語が口語調?なので,知らない単語が出てきて読みにくい

*2:ボク個人的にはThomas寄り

*3:そしてそうやって展開すると研究費もつくだろうし(意図しているかは別として),一般的なメディアはそういうセンセーショナルな話の方が面白がられるので

*4:突っ込みどころありのですが

May 07(Mon), 2018

[][]ルールメーキング論入門 ルールメーキング論入門を含むブックマーク

ちょっと俗?っぽい読書。タイトルがなんか欧米人悪いみたいな印象を受けるのがアレですが*1,内容としては全然そんなことなくて,おもしろかったです。欲を言うと,(この手の本をあまり読んだことないのでアレですが)所々冗長な印象を受けました。複数の具体例を紹介しながら,一貫してルール作りへの参画の重要性を指摘され,そのための信念?の持ち様を説いておられるように思います。化学物質規制という文字も出てきて,このあたりはそうだよなぁと日頃思っていることを一致して納得しました。以下はランダムな引用(と感想):

  • ルールを自分に有利に変えるという姿勢をフェアではないと感じるのはなぜでしょうか。(中略)相手の態度が美しく映らないからです。
  • 大方の日本人にとって,”ルールは他の誰かが作るもの”であり,立ち居ふるまいの美しさや行動の美学は,”作られたルールの下で最善の努力をすること”にある
    • (感想)これは結構言い得て妙だと思いました。少なくとも,ボクはこの大方の日本人の一人的な認識を持っていると思います。
  • ルールとプリンシパル
  • 制約を課されて初めて考えるきっかけができる
  • ルール作りに積極的に参画する*2

余談ですが,この本は,家の近くにある古書店で目についてなぜか気になって,買ってしまった本です(古書じゃなくて新書)。そしたら,店主が著者の奥さんのようで購入した理由を聞かれてしまいました。予想外で,あまり上手に答えられた記憶がないのですが,ちょっとおもしろい出来事でした*3

*1:ちなみに,ボクはこの本が想定する交渉の場なんかにいたことは皆無ですし,こういう印象も持ってないです

*2:詳細は本で!

*3:しょうもないですが,こういう本との出会いもいいものだなぁと思いました:小並感

May 02(Wed), 2018

[][][]長期モニタリングデータから見えてきた?スペシャリストの減少 長期モニタリングデータから見えてきた?スペシャリストの減少を含むブックマーク

Larsen, S., Chase, J.M., Durance, I., Ormerod, S.J., 2018. Lifting the veil: richness measurements fail to detect systematic biodiversity change over three decades. Ecology.

ステファノさんとステーブたちのお仕事。ベールを剥がすというしゃれたタイトル。比較的ざっと読みですが,約30年間のモニタリングデータを使って,種数と機能の多様性にトレンドは見られなかったけど,なにやらややこしい解析をすると,ニッチの狭いスペシャリストがいなくなっていて,それはどうも絶滅確率が高いというよりは,再移入確率が低いせいではないか,というお話。「なにやらややこしい解析をすると」というところはもう少し勉強しないといけない感じ。年1回の調査なのでばらつきもありそうだけど,これでも結局種の出現の有無や個体数で定性的には見つけられそうな気がする*1。とりあえず,色んな解析手法が出てきているんだなぁと思った(遠い目)。

*1:深いところを理解していないのであまり自信は無いですが

April 30(Mon), 2018

[]大学授業入門 大学授業入門を含むブックマーク

大学授業入門

大学授業入門

端的にとても興味深かった。著者のやり方でみんなができるか(自分の思想と合うか)。どのような内容でもできるか。という点に疑問はあるが,示唆に富んでいてハッと考えさせることが多かった。大学で非常勤を始めるときに,この手の本を探した記憶があるのですが,もうちょっと早い段階で読んでおきたかった。ランダムに引用:

  • 前回の授業内容の要約を教師の方から話してやるなどの講義も有害である。(中略)君ではなく,学生に言わせるべきなのだ。
  • 名前を呼んで「配り係」にして配らせる
    • (感想)名前を呼ぶということをほとんどしていなかったので,確かに名前を呼んで進めるというのは,自分にとっても相手にとっても良いように感じた。
  • 講義向きの包括的な概論・抽象論から始めてはならない。初めの段階ほど,事実を具体的に与えなければならない。
  • 学校以外で自力で学ぶための問題意識を持つのを助け得れば「御の字」と思うべきだ。
  • どぎもを抜くべきである。
    • (感想)どぎもの抜き方にも色々あると思うので,このあたりは個性が出る。
  • 教師がすることを代りに学生にさせる可能性は無いかといつも考えるべきである。(中略)教師の身にならせるのである。
    • (感想)これも常々思っている。自分で手を動かす機会にもなるし,教える側の大変さも理解してもらえるので。
  • 具体例を頭の中に貯えさせねばならない。具体例の蓄積が有れば,具体例相互がぶつかりあい干渉しあって,ある関係が生じて安定する。それが理論が出来たということである。
    • (感想)この説明とてもよいと思った。具体例から全体を整理する力がつくというのは確かにその通りかもしれないなぁと思った。
  • 抽象的で粗大な概括・要約に逃避しない思考である。
  • ノートに書かせることで,考えが精密になる。
    • (感想)確かに書くことで頭は整理させる。発言する前にこのような作業をすることも確かに重要だなぁと思う。
  • ほめるのは大事である。
  • 教科内容の言葉をそのまま与えるのではなく,教材を与えるべきなのである。つまり,学生の経験に照らして考え理解できるような言葉に置きなおすのである。
  • 具体例を全く使えないなどというのは,実は何もわかっていない状態なのである。
    • (感想)自戒の念を。。
  • 私の授業では,ほとんどの時間にリポートの提出を義務づけているし,授業中もひんぱんに指名し,発問・指示している。
  • 教師の言葉は重い。言ったとおりに行わなければ信頼されない。
    • (感想)なんとなく身に覚えが。。
  • 無名の人数不確定の「砂粒のような」大衆の一人に過ぎないと感じているのである。(中略)出来るだけ,個々の学生に当てて,何かをさせるべきである。
  • よく復誦(recitation)させる。
  • 主要な「?」を予め構想する

実際に本を読んで頂ければわかると思うが,ちょっと癖がある。でも,随所で考えさせられる。今年度後期の”授業”で少しずつ試行錯誤できればなぁと思う。ちなみに,なんとなく同意できそうな方は,おそらくこの入門を読むよりも,『大学の授業』を読む方がいいかもしれません*1

大学の授業

大学の授業

*1:未読ですが,先ほど取り寄せしました

April 28(Sat), 2018

[]カリコリせんと生まれけむ カリコリせんと生まれけむを含むブックマーク

カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)

カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)

久々の読了。家の周りには小さな書店がいくつかあって*1,たまに寄って見つける本とかがとてもよい。これは,ひぐらしベーカリーに併設されているパン屋の本屋*2で見つけた会田さん*3。会田さんの作品は,何度か見たことはあってボクは結構好きな部類で,なんとなく勝手に,この人他人の評価なんか気にせず,多分ぶっ飛んでるんだろうなぁと思っていた。が,このエッセイ集?を読むと,ぶっ飛んでる評価自体は変わらないけど,自己卑下的で,なんというか意外だった(人間くさくて,個人的にはなんか安心した)。

(前略)そんな王道的現代美術家からほど遠いなら,せめて穏健で分かりやすい日本語によるエッセイの一つでも書けなきゃ,オマエの存在価値なんて無に等しくなる−−そう自分に言い聞かせつつ…(後略)

という感じ。でも文章は,解説にもあるように,ボクは引き込まれたし,内容も独特でおもしろかった。挿絵がアレなので,電車の中で読むとちょっと隣が気になるくらい。関係ないけど,解説にあった,

この「ただそれだけ」感がただごとではない。

というのがなんとなく「たまらなかった」*4。「濃かれ薄かれ みんな生えてるんだよなぁ」の絵とか。まさしくそんな感じで,でもそれがとてもよいと思う*5

*1:正確にはよく寄る場所がいくつかあって

*2:本たまたま今日また行ったけど,ECDと石戸さんと迷って,石戸さんの本を買ってしまった

*3:面識ないです。もちろん

*4:そうそう,それ!感があるんだけど,ボクには言葉では説明できない

*5:文章にすると,いつも自分の表現力の低さが露呈する。。

April 23(Mon), 2018

[]地味な研究 地味な研究を含むブックマーク

公共性のある某予算の申請から審査(その後採択)にあたって,「地味な研究」というコメントがあってちょっと考えさせられたので以下に少しだけ。まず,最初に言いたいことは,審査員から文章によるコメントを頂くタイミングは2回あって,この取り組みはとてもいいと思うということ。審査員と議論できる時間は限られているし,自分の研究テーマがどのように感じられているかが集約的に分かるため,今度も続けてほしいと個人的には思います*1

まず,このコメントの良いと思うところ。

  • 率直なコメントであること
    • 似たようなコメントを2件頂いたのですが,そういう率直な意見はとても大事だと思うので,是非率直でざっくばらんなコメントをする(そういうコメントもきちんと拾って集約する)ことは続けて頂きたいと思います。
  • 地味だということを確認できたこと。
    • 今回の申請研究は確かに自分でも地味だと思っていて,ただやっぱりこういう研究はほとんどなくて重要だと思うので,ダメ元で(しかもKAKENではなくて,こちらに)出した。というのが正直なところです。なので,自分の感覚にズレがないということがわかって良かったです。

一方で,考えさせられるのは,

  • ”地味な”研究が必要と判断(採択)されたこと
    • こちらはやはり考えさせられるように思います。なぜ,”地味な”同様の研究がやられていないのか,この意味は深いように思います*2。目新しいほど役に立つ(例:政策上有益な知見の取得に繋がる)とも限らないし,地味だから役に立たない(助成する価値がない)ということもないという点は結構重要かなとも思います。

ということを帰りにぼーっと考えてしまったので,備忘録として。

*1:という意味ではコメントなしの審査員の人数とかも公開されてもよいかもしれない

*2:おそらく一要因としてはボクの宣伝不足はあると思いますが。。

April 10(Tue), 2018

[]査読 査読を含むブックマーク

あくまで個人的な経験だけど,国内外限らず論文査読をして最近思うことは,

  • 魂を込めて書いてきなさい(直してきなさい)

ネイティブでも書けていない人は書けていないし*1,どんなに有名人が共著者並んでいても書けてない論文は書けてない*2。査読者は論文原稿の共著者ではないし,親切な校閲者でもない。明らかに「書けてない」論文原稿に一生懸命コメントするのは,明らかにコストーベネフィットが低いので*3,結構素直にリジェクトするように最近はしている。ただ,主著が学生だとコメントの仕方や内容はちょっと考えるかも。自戒の念をこめて。

*1:こういうラボに行くと不幸な気がする

*2:すなわち,誰もほとんど読んでいないんだと思ったので,「なんでこんなに論文沢山書いている著者が並んでいるのに全然書けていないのか訳がわからない」とコメントしたこともある

*3:昔は結構我慢してできるだけ細かいコメントをしていたけど

March 27(Tue), 2018

[][] を含むブックマーク

Soga M, Gaston KJ, Yamaura Y (2017) Gardening is beneficial for health: A meta-analysis Preventive Medicine Reports 5:92-99 doi:https://doi.org/10.1016/j.pmedr.2016.11.007

生態学会で鈴木賞を受賞されていた曽我さんの研究*1。ガーデニングが人の幸福や健康に及ぼす効果についてメタ解析をして*2,総じてPositiveな効果が検出されたというクリアな話。こういう話を英語で読むことは今まであまりなかったのですが,読みやすかった。ネタ的にはリスク評価勉強会に来て頂いても面白い気がする。

[][] を含むブックマーク

Soga M, Gaston KJ (2016) Extinction of experience: the loss of human–nature interactions Front Ecol Environ 14:94-101 doi:doi:10.1002/fee.1225

これも同じく曽我さんのReview論文。講演で話されていた内容だったけど,こちらも読みやすかった。確かに都市の公園にある緑って侮っていたけど,実はもっと価値が置かれてもいいのかもなぁと,保育園に行く途中に結構ある桜が満開なのを息子と見て,綺麗だねぇと感想を言われるとちょっとぐっとくる今日この頃です。都市化が進んで,(それが良いことか悪いことか置いておいて)人と自然の関わりが失われることは必然な気もするのですが*3,身近に自然があるかどうかよりも,親の経験や感性が子供に与える影響もかなり大きくて無視出来なさそうだなと思いました。いずれにしても,諸行無常感がビシバシ伝わってくる面白くて重要なテーマだと思います。

*1:別刷りを頂き,ありがとうございます

*2:かなりの数の論文をレビューをしているのはかなり大変そうです...

*3:でも自然との関わりの価値はもっと知られてもいいかもです

March 26(Mon), 2018

[][][][][]河川水生昆虫の金属に対する感受性比較 河川水生昆虫の金属に対する感受性比較を含むブックマーク

Yuichi Iwasaki, Travis Schmidt, William H. Clements (2018) Quantifying differences in responses of aquatic insects to trace metal exposure in field studies and short-term stream mesocosm experiments. Environmental Science & Technology

最近でいうと最も魂が籠もった,出したいと思っていた論文がやっと出ました*1。日本だと2015年に生態学会にポスター発表して,環境毒性学会で口頭発表した内容です。研究内容は至ってシンプル(ある種古典的)で,Travisがやった野外底生動物調査データとWillがやってきたメソコスム実験のデータを使って,金属濃度が水生昆虫(科レベル)の個体数を分位点回帰でモデリングして,その結果から水生昆虫の科レベルの感受性を比較したものです。これ,ボク自身は2つ価値があると思っていて,一つは,

  • 野外調査データから推定された定量的な影響指標を用いて,科レベルの金属に対する感受性を比較したこと

です。「なんだ,そんな当たり前なこと」と言われそうですが,科レベルの感受性について考察できる個別の調査結果はありましたが*2,比較的大規模な調査から定量的に推定したものはありませんでした。例えば,金属ではなく水質一般(いわゆる汚濁)の話ですが,日本でいうと環境省が公開している「水生生物による水質評価法マニュアル-日本版平均スコア法-」も同様の科レベルで評価するシステムを提案していますが,科に割り当てられているスコア*3は,専門家による判断です*4。ということで,金属についても実は経験的なもの以外,科レベルの感受性についてのまとまった知見はなく,この研究がその第一号かなと思っています。「科」レベルで評価していることや「金属」をひとまとめにしていることなど課題はまだありますが,ひとまず金属の野外影響を考える上で,よいベースラインができたかなと思っています。調査結果自体はアメリカのコロラド州での結果なので,他地域に広げるには多少注意が必要ですが,大枠な傾向はそんなに変わらないのではないかなと思っています。

  • メソコスムと野外データで比較して,違い観察されたこと

もう一つは,野外調査データに加えてメソコスム実験の結果も解析に加え,それら各系の中で科レベルの感受性を推定し,感受性ランクを両データ間で比較したことです。これもこの分野に詳しい人しかわからないことではあるのですが,水生昆虫に対する金属の毒性は室内試験データと野外データにおけるギャップが大きいことが知られています*5。この問題に直接答えたわけではないので,前置きはこのあたりにしておきます。今回の結果の典型的な例としては,野外データではヒラタカゲロウ科が「弱く」,コカゲロウ科が「強い」ことがこの研究からも過去の研究からも言えるのですが,メソコスム試験結果を解析すると逆の傾向が見えました。この理由(の考察)については,本文を読んで頂ければと思いますが,いずれにしても対象とする時空間スケールによって「感受性*6」とその大小関係が異なるのは,リスク評価においても結構重要な結果ではないかと思います*7


この研究を出せた個人的な価値はもう一つあって。「許容可能な濃度」を推定するというのは「価値」にも左右されるある種の危うい課題であって*8,長期的に息の長い研究かというと,ちょっと違うだろうなぁとも思っています。なので,もうちょっと基礎的な理解に繋がる(少しは息の長い)研究も平行してやっていきたいと思っていて,この研究はその中でも大きな成果の一つかなと思っています*9。いずれにしても,結構思い入れのある論文になりました*10。ある一定数までこちらからフリーで落手できるようですが,メール頂ければ喜んでPDFお送りいたします。

*1:ので,ここでプレスリリース!

*2:例えば野外調査だと,コカゲロウ科はどこでもいるけど,ヒラタカゲロウ科は比較的金属濃度が高いところでいなくなる

*3:感受性と相関していると言っても良いもの:ただ少し複雑

*4:これを個人的に定量的に評価できる調査データは存在していると思っています。

*5:別の機会に書いたような気がしますが,CSUに居たときにCDWのSteveは(短期の毒性試験を想定しているのだと思いますが)金属では水生昆虫は○せないとすら言っていました

*6:と考えると,この定義もかなり曖昧なものであることが分かります

*7:実質的にどういう問題があるかはまた別問題で調べないといけないとは思いますが

*8:なので好きというのもあるのですが

*9:全然基礎的やないやん!という突っ込みもありそうですが

*10:実質的には,USGSの内部レビューに苦戦して,ここまでが遅くなったというのもあります。。ES&Tの査読はいつもとても早くて素晴らしいと思う

February 26(Mon), 2018

[][][] を含むブックマーク

Strobl, C., Boulesteix, A.-L., Zeileis, A., Hothorn, T., 2007. Bias in random forest variable importance measures: Illustrations, sources and a solution. BMC Bioinformatics 8, 25.

Rを使ってランダムフォレスト(RF)で説明変数の重要度を評価する場合には,randomForestではなくてcforestで,ubiasedの設定を使った方がよいとお話*1。まだRFをきちんと詳細を理解できていないので,あまり自信はないのですが,この論文としてはそういう主張。library(party)のcforestはデフォルトでこの論文の仕様になっているようです。とりあえずのメモとして。間違ってたら教えて下さい*2

*1:きちんと読めてないのですが,連続変数だけとか同じカテゴリー数の説明変数?だけであれば,気にすることはないよう

*2:ざっとしか眺めてないので論文読み直します。。

February 06(Tue), 2018

[][] 回帰係数の大きさを比較する  回帰係数の大きさを比較するを含むブックマーク

異なるデータセットで,同じ説明変数の回帰係数の大きさを比べたい場合がある(以下は単回帰想定)。ただ,点推定値と標準誤差はRで出てくるだけど,そこからどうやって推定したら分からないとなる人が多いと思う*1。Canada is a beautiful countryのTさんからそういう相談を受けたので,メモとして以下。ただし,中身はちゃんと分かってないです*2。以下の例は,help(lsmeans)にあったものです。

# "lsmeans"というパッケージを使います

library(lsmeans)

# 単なる直線回帰:glmにも対応している

fiber.lm <- lm(strength ~ diameter*machine, data=fiber)

# machineが異なるデータセットを示すfactor。fiberの中身を見てみると一目瞭然かと思います。

machine strength diameter

1 A 36 20

2 A 41 25

3 A 39 24

4 A 42 25

5 A 49 32

6 B 40 22

7 B 48 28

8 B 39 22

9 B 45 30

(continued)

( fiber.lst <- lstrends(fiber.lm, "machine", var="diameter") )

machine diameter.trend SE df lower.CL upper.CL

A 1.1042781 0.1936634 9 0.6661810 1.542375

B 0.8571429 0.2238228 9 0.3508205 1.363465

C 0.8641975 0.2080707 9 0.3935090 1.334886

pairs(fiber.lst)

contrast estimate SE df t.ratio p.value

A - B 0.247135218 0.2959766 9 0.835 0.6919

A - C 0.240080544 0.2842515 9 0.845 0.6863

B - C -0.007054674 0.3055979 9 -0.023 0.9997

*1:特に自由度周りが!と個人的には思う

*2:大変無責任なのですが。。

January 06(Sat), 2018

[][]2017年の私的出来事振り返りと2018年の目標 2017年の私的出来事振り返りと2018年の目標を含むブックマーク

昨年は振り返りの記事を書き損ねていたのですが,今年は書いておきたいと思います。

  • まずは何はともあれ,産総研に移動しました*1
    • 個人的には移ったことよりもこの決断に至った過程が一番しんどかったです。色んな方にご迷惑をおかけいたしました。。申し訳ございませんでした。
    • 仕事自体は,幸運なことにこれまでの研究(野外データを基にした影響評価)をベースに展開できる感じです。なれない事もありますが,基本的には忙しくも楽しくできているように思います。
    • 余談ですが,4月の新人研修が個人的にはとても良かったです。
  • 論文は,国際誌4本(共著2本),国内誌1本(総説)を出すことができました。
    • いずれも東洋大からの積み残しですが,きちんと出せて良かったです。
    • 陸水学会誌の英文誌Limnology誌に2本。コイ科魚類の農薬に対する感受性を調べた論文は,思いつきで始めたものの(+さらりと通るかなと思ったものの)苦戦した1本でした。でもきちんと形にできてよかったです*2。渡良瀬川の金属濃度などの水質の時空間的な変化を解析した論文も無事に掲載されました。データ自体は公開されているものですが,こういう風にきちんとまとめた論文はほとんどないのではないかなと思います。
      • Yuichi Iwasaki, Marko Jusup, Ken-ichi Shibata, Takashi Nagai, and Shosaku Kashiwada (2018) Lower sensitivity of cyprinid fishes to three acetylcholinesterase inhibitor pesticides: an evaluation based on no-effect concentrations. Limnology. 19(1): 1–5
      • Yuichi Iwasaki, Masahiro Soya, Masaki Takasu, Yasuyuki Zushi, Takehiko I. Hayashi, and Shosaku Kashiwada (2018) Spatiotemporal changes in water quality along a historically metal-contaminated river: a retrospective analysis of 50 years of monthly monitoring data. Limnology. 19(1): 157–163.
    • 共著で2本出ました。梁くんはもう論文がこなれてきた感じですが,Sさんはお疲れ様でした*3。でもきちんといいところに掲載されてよかったです*4
      • Kyuma Suzuki, Shun Watanabe, Yumi Yuasa, Yasunori Yamashita, Hajime Arai, Hideki Tanaka, Toshihiro Kuge, Masanobu Mori, Kin-ichi Tsunoda, Seiichi Nohara, Yuichi Iwasaki, Yoshitaka Minai, Yukiko Okada, and Seiya Nagao (2018) Radiocesium dynamics in the aquatic ecosystem of Lake Onuma on Mt. Akagi following the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. Science of the Total Environment. 622–623: 1153–1164.
      • Masahiro Ryo, Chihiro Yoshimura, Yuichi Iwasaki. (2018) Importance of antecedent environmental conditions in modeling species distributions. Ecography.
    • 環境毒性学会誌の総説論文も,先月頭に受理を頂きました。玉井さんの卒論研究を発展させた読み物で(私が責任著者),同様の内容で9月の環境毒性学会でも発表しましたが*5,計算に不正確なところがあり,そこが大幅に改訂されています。査読者にも突っ込まれたように,この割り算問題は結構厳密に攻めると奥が深いのですが,ひとまず第一歩かなと思います。
      • 玉井聡子,岩崎雄一,石母田誠,柏田祥策(2017)2値データの解析には一般化線形モデルを使いましょう:割算値の利用からの脱却のススメ,環境毒性学会誌.
    • 余談ですが,2件論文を投稿中で,1件は苦戦している論文,もう1件も初稿から投稿まで3年くらいかかった論文です。いずれも今年中にはいいところに落ちてくれるとうれしいのですが。。
  • 古くて新しい研究テーマに取り組みだした。
    • 元をたどれば,博士の時に,似たような仮解析をしたことがあったのですが,縁もあって,本格的に始動しました。まだ結果は出ていませんが,個人的には感慨深い。いいジャーナルに載るというより,今後の管理にしっかり繋げられるような成果を出していければと思っています。
    • その他にも,今年度から動き出したものはありますが,そのうちどこで紹介できるように頑張ります。
  • 久々に虫のソーティングをした。
    • 去年頭にやった東洋大の時の調査もあったのですが,産総研に来てからも機会がありました。結構楽しいのですが,いやむしろ,こういうソーティングをできる時間があるというのが大事なのかもしれない。。

日常

  • ボーナスってうれしい。ほんとにうれしい。
  • 夏に北海道に家族で行きました。前半は,妻が高熱で大変でしたが,カヌーにも乗れて温泉にも入れて,熊も見られて,個人的には満足です*6
  • 裏磐梯も相変わらず良かった。
  • 息子が無事保育園に入れて良かった(これもほんとに良かった)。
  • 息子がだんだんしゃべり始めだした*7
  • 引っ越しを考えて,色々検討したが,一旦保留。

という感じでしょうか。

今年は,

  • 仕事量をうまく制御しつつ*8,動き出した研究の成果を徐々に出していきたい
  • 積み残している論文(博論1本,コロラド2本)をなんとか投稿まで持って行きたい*9
  • Society of Freshwater Sciencesの年会に参加して,発表する(5月@デトロイト:実はSFSはまだ行ったことがありません)。
  • 今まで1回も行ったことがない日本の学会にも参加したい
  • 英語の総説・・・*10

ということで,本年も何卒よろしくお願いいたします。

*1:やはりこれが圧倒的に大きい出来事ですね。。

*2:2年半位前に偶然見た学会発表で思いついて,著者に生データ欲しいといったら(全部付録についてると言われ),多分主要な解析は一週間くらいでできて,論文までえいやって書いて,投稿したらことごとくリジェクトされて,ここに至ります。じゃあ,なんでしつこくpublishするのに粘ったのかというと,最初の単なる思いつきの仮説に「ワクワク」したからなんですよね(結局その点は考察にさらっと書いただけなっています)。

*3:私は,主に統計解析の部分(+論文改訂)でお手伝いさせていただきました

*4:この過程でも初心を思い出して,勉強になりました

*5:ありがたいことに,ポスター賞も頂きました

*6:今年度は調査,旅行,学会で3回北海道。そういえば,まだ会ってないですが,札幌でお世話になった民宿のおばあちゃんも元気でした!

*7:ボクは敵のようです。。汗

*8:とか言ってるとへたってるとか言われそうですが

*9:きっとそのほかにも書かないといけないものは増えるでしょうが。。

*10:実は2016年の目標になっていたのですが,全然ですね。。

December 04(Mon), 2017

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トリプルファイヤー。HYSさんから。めっちゃいい。今のところ,人生を変えた言葉,が一番よい。とにかくおすすめ。でもたぶん好き嫌いはある。

FIRE(初回限定2枚組)[WAVE-04]

FIRE(初回限定2枚組)[WAVE-04]

Dope Lemon。twitterの便座さんが紹介していた動画で知りました。どこかで聴いたことある感じなんだけど,まだわかんない。こちらもめちゃくちゃいい。このPVも某ミニシアター映画を見た方には*1。。。

Honey Bones

Honey Bones

https://www.youtube.com/watch?v=9ju-Qj8xFQk

*1:多分これはボクは渋谷で見た気がする

October 23(Mon), 2017

[][][]This is a serious loss (Peter Chapman) This is a serious loss (Peter Chapman)を含むブックマーク

9月末にPeter Chapmanが亡くなられたらしい。信じられない。EcotoxicologyというかEcological Risk Assessment文脈の人じゃないと*1,「誰やねん」という感じかもしれないけど,ボク的には,SETACで会った「めっちゃイケてる人」の一人。Peter Chapman Obituaryというのがネット上にできているので,略歴とかは見られたりします*2。なんで亡くなったのか,原因はわかんないけど,Joeが言っていたように,ジムに行ってるだろうなぁという so fitな感じで,いかにも健康そうでした。それだけに信じられない。


ボクは,Chapmanを初めて見たのは,D1の時に参加したSETAC モントリオールだったと思う*3。何を話していたかは忘れたけど*4,英語できないなりにも,面白さと「こいつできる」感は伝わってきたんだと思う。ボクがこのブログでChapmanの論文を紹介したことも多々あって(これとかこれとか),どちらかというPerspective系のが多いんだけど,なんというか教育的なものとか批判的なスタンスのものが多くておもしろくて勉強になります。Chapmanに多分数回話かけたことがあるくらいで*5,長い会話をしたことはないです。


じゃあ,なんでこんなにもChapman愛があるのかというと,人としても論文も愛すべきでおもしろいというのもあるのですが,何度かメールはやりとりしていて,そのときの対応がなんというか人間味があってボクの好みであったという理由も大きいかも。

最初にメールしたのは*6,Iwasaki, Kagaya, OrmerodでIntegrated Environmental Assessment and ManagementのLearned Discorsesに短い意見論文を書いたときだと思う。まぁ実質印刷版で1頁あるかないかの原稿なのですが,投稿した次の日に「I have edited your ms to reduce its length and number of references to fit the typical Learned Discourse. Hopefully in doing so I have not lost any of your message. Please take a look.」と送られてきたり*7Hansonさんと書いた同じ意見論文も,投稿後「happy to accept. Did some light editing」と2時間半後で返ってきて,「Young researchers like you are the future; at my age (almost 62) my most satisfying role is doing what I can to promote the future. Thanks for a very nice ms, see you at SETAC in Long Beach? Best, Peter」というやりとりをしたり。忙しいのにメールのレスがはやくて*8親切で,encouragingなのです。


IEAMのLearned DiscorsesのEditorを次に誰がやるとか,Chapmanみたいな啓蒙論文を誰が書くとか,本質的なことじゃないかもしれないけど,やっぱりそうやって環境毒性化学な分野に継続的にかつ刺激的な貢献をしてきた人だと思う。ほんとに残念です。WillがThis is a serious lossだと言っていたけど,ほんとにそう思う。海外の知らない誰かの死をここでこんなに悲しんだのも,初めてかもしれない。科学的な知見もそうですが,陰ながらボクはあなたから沢山刺激ややる気をもらったように思います。ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。

*1:そうだったとしても誰やねんかもしれんけど

*2:JimがPeterは謙虚だと言っているのが,ボクの印象とずれていて,個人的におもしろかった。

*3:記憶はかなり曖昧。なんとなくかなり最初の方から目についていたという感触があるだけ

*4:そもそも発表なのか質問しているとこなのかも不明

*5:ほぼ,こんにちは,ただあなたに挨拶したかっただけなんだ,というしょうもない話だったと思いますが

*6:見返してみると,その前にIwasaki et al. 2011の個体群モデルの論文の別刷くださいメールがChapmanから来ていた

*7:でそのEditがまたイケている

*8:Joeはlightning-fast responses to e-mailsと表現していた

October 19(Thu), 2017

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M Kattwinkel, P Reichert, J Rüegg, M Liess and N Schuwirth (2016) Modeling macroinvertebrate community dynamics in stream mesocosms contaminated with a pesticide. Environ Sci Technol:3165-3173. doi: 10.1021/acs.est.5b04068

Streambugsというモデルをベースに群集応答をモデリングしているんだけど*1,なんというかベイズ推定したパラメータの事後分布が,事前分布と全然違ってたり,LC50の事後分布が多項分布になってたりと,正直「ちょっとこれでES&Tはきちくないですか?」という印象を受けるんだけど,Liessさんあたりの著者のお力が大きいのか。努力賞なんだろうか。詳細は理解したいけど,なんとなく萎えてしまった。

*1:詳細はよくわかってない

October 16(Mon), 2017

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Karr, J.R., 1993. Defining and assessing ecological integrity: Beyond water quality. Environmental Toxicology and Chemistry 12, 1521-1531.

Suter, G.W., 1993. A critique of ecosystem health concepts and indexes. Environmental Toxicology and Chemistry 12, 1533-1539.

Suterの論説は読んだことがあったけど,IBIのKarrさんがET&Cにこういう話を書いているとは意外だった*1。Kurt Fauschさんも魚を使ったIBIの研究をやっていたりしたのですね。IBI自体は,ボクは好きじゃないのですが,基本的なモチベは同じな気がする。Field data... were too variable to be usefulとか文言があって,感慨深い。各調査や毒性試験の単価が比較されていたりするのもおもしろい*2。Beyond Water Qualityなんてほんとすごく昔から主張されていることなのですよね。

*1:んで,KarrさんがSuterの意見にコメントを寄せていたりする

*2:生物調査はper sampleあたりで安いですよというお話

October 13(Fri), 2017

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Serveiss, V.B., Bowen, J.l., Dow, D., Valiela, I., 2004. Using ecological risk assessment to identify the major anthropogenic stressor in the Waquoit Bay watershed, Cape Cod, Massachusetts. Environmental Management 33, 730-740.

実際の湾(Waquoit Bay)で,主要な影響を及ぼす要因を特定したという過程の紹介論文*1。やり方としては参考になるかも。めぼしい要因のパスを描いて,主要な要因を複数の専門家の判断で得点化して,絞り込むという地味な戦略。各論はEcological Applicationsとかに載っているので,学術論文としておもしろいのだと思う。「This fuzzy set decision-making procedure」と表現されている。ちなみに,アマモのカバー率やホタテ貝の収穫量に大事だったのは,窒素の負荷,という結論の模様。地味な論文(というかプロセス)なんだけど,こういうのが実際であり,きちんと論文にまとめられているのがよいと思う。EPAの報告書に詳しいことが書いてあるみたい。

*1:これたぶん,レビューとかじゃなくて普通の論文扱いになっているのだけど,ちょっと不思議な感じ