アメーバピグが15歳以下を実質利用禁止:「子どものみなさんを守るため」は本当か?

アメーバピグの公式ブログより。
http://ameblo.jp/pigg-staff/entry2-11190753093.html

[重要なお知らせ]15才以下の方による、アメーバピグ・ピグライフのご利用に関して
いつもアメーバピグをご利用いただき、ありがとうございます。
本日は、ご利用のみなさまに重要なお知らせがございます。


青少年のみなさまが安心安全にアメーバピグをお楽しみいただけるよう、
2012年4月24日以降、15才以下の方を対象として、
ピグの一部機能に利用制限を設けることになりました

今まで、サービスをお楽しみいただいていた15歳以下の方をはじめ、
多くのみなさまにご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳ございませんが、
青少年のみなさまを守るために必要な対策となりますので、
ご理解とご協力をお願いいたします。


なお、15才以下の方を対象として、
利用が制限される機能は下記の通りとなります。

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【利用制限される機能】

▼パソコン版アメーバピグ
・全エリア(つり、カジノ含む全てのエリア)へのおでかけ
・ピグともおよび、他のピグのお部屋への入室
・自分のお部屋へのピグとも、他のピグの入室
・同じ場所に行く機能 (ピグともなど、他のピグと同じ場所に移動する機能)
・ピグとも申請
・ピグとも検索
・ギフトの送信、受信
・コミュニティ
・お友達招待
・お部屋のきたよ機能
・グッピグ
[・・・]

cnetの記事も。

アメーバピグが15歳以下のコミュニケーションを禁止へ--事件多発で
http://japan.cnet.com/news/service/35015100/


アメーバ(コメントによると「ダメーバ」)が15歳以下のピグ上での行動を制限するという発表をしました。これに15歳以下の子どもたちが怒りのコメントをつけて(2万以上!)ブログが炎上状態になっています。そりゃ課金してたりした人が怒るのは当然でしょうね。このアメーバのやり方は問題があるかもしれません。

なんで、何もしてなくてただアメーバを楽しんでる人たちまで、厳しくされなきゃいけないんですか?

気持ちは分かります。
アメーバが厳しくする理由として「青少年のみなさまを守るため」と言っていますが、これは本当でしょうか?全部ウソとは言えず、少しは本当というところでしょう。なぜかというと

子どもは法律で行動を制限されることで守られている

からです。これは子どもだけでなくボケたお年寄りや知的障害者なども同じです。つまりアメーバは子どもを守る法律のせいで今回の制限をした方がトクだと考えたのでしょう。アメーバだってこんな制限したらユーザが減るってのは当然分かってますよ。ユーザが減ったとしてもトクだと考えたはずです。


トクかどうかは後で考えるとして、まず、なぜ行動を制限すると守ることになるのでしょうか。例えば、次のような例を考えてみましょう。
半分くらいボケたおばあちゃんが一人暮らししていたとします。そこにツボを売りつける業者とかリフォーム詐欺(必要のない家の改造をやっておカネをだまし取ること)する業者とかが来て、おばあちゃんがダマされてツボを買っちゃったりリフォームする契約をしちゃったとします。このとき「おばあちゃんはボケちゃってるんだから、そこにつけこんでカネを取ろうなんてヒドい!」と考えて、業者からカネを取り戻してあげる法律を作るとします。これはおばあちゃんを守ることになります。でも同時におばあちゃんが本当に必要な物を買おうとしても、業者は売ってくれなくなるかもしれません。なぜでしょう。業者は「これをおばあちゃんに売っても後で家族に文句つけられて、カネ返せって言われたら返さないといけないんだよな。だったら売るのは止めよう」と考えるためです。これはおばあちゃんにとっては行動が制限されることです。欲しい物が買えないのだから。
同じことは知的障害者についてもあてはまります。


日本の法律は例外はあるけど基本的に業者からカネを取り戻してあげる法律になっています。よってボケたおばあちゃんの行動は制限されることになります。子どもも同じようになっています。なので行動が制限されるのがイヤなら法律をなくせばいいですが、するとダマされても文句は言えないということになります。どっちがいいかを大人が考えて「守る方がいいだろう」と法律を決めたということです。


次にコメント欄の意見を見てみましょう。

責任は自分達(ピグをやってる15歳以下)で責任取らせばいいじゃん。ナノになんで私達をこんな思いしなきゃいけないんですか?

犯罪にまきこまれるとか自己責任やし。
まきこまれた人も悪い。

というコメントがありますが、それじゃダメなのは法律が「子どもに責任をとらせない」と決めているからです。イヤなら法律を変えないといけないということです。

特定の年齢層だけを制限するのは「差別的な扱いとして憲法14条違反」

というコメントもありますが、差別ではなく守るために区別しているので憲法違反なわけないです。憲法違反だなんていったら裁判官に笑われるでしょう。

何が青少年保護だ。意味分かんないし。なにが安心安全なの〜?悪いのは全部15未満なのかよ。なに善人ぶってんのww悪人やんwww( ´艸`)ブッフw考えた人はちゃんとうちらの気持ちも考えてるんですか〜?

残念ながら「気持ちを考える」とかそういうのは関係ないんですね。こういうコメントするような子どもは「行動を制限するしかないな」ってことになるわけです。


さて、アメーバはこのような法律になっているので後々面倒になるのがイヤで今回の制限をしたのではないかと分かりました。これに対し次のような意見があります。

サブピグが作れるから意味ないしwwwww
馬鹿じゃねぇのwwwwww

もし15歳以下を制限しているのにユーザがウソをついて15歳以上でピグを作って遊んで誰かにダマされたとしても、アメーバは「いや、ウソをついていたその子が悪いんです」と言えるわけです。だからアメーバは15歳以下の制限をトクと考えたのでしょう。次の大人と思われるコメントが正しいでしょう。

そこで事件がおきても、サイバーエージェントは「登録時に16歳以上としていた。それを判定する機能は現在、ネット上にはないのでわが社には責任がない。」と社会に言い訳ができるんだよ。


このアメーバの考え方を見ても分かるように、子どもの行動を制限するルールは何でも子どもを守ることになるとはかぎりません。なので子どもたちは自分で「このルールはほんとうに子どものためになるか」を自分の頭で考えるといいと思います。答えが「ならない」なら「このルールをなくしても大丈夫か」「代わりにどんなルールにすればいいか」を自分の頭で考えるといいと思います。大人を説得できればルールを変えられるかもしれませんし、自分たちが大人になったときにはルールを作れる立場(法律を作るための選挙ができるし、ピグの運営もルールを作っています)になれるのですから。逆にこういう問題を自分の頭で考えず「死ね!ダメーバ!」と文句を言うだけではいつまでたってもルールを変えることはできないでしょう。実際に今の日本の大人の多くはいつまでたってもルールを変えることができなかったダメな人たちなわけです。そうならないようにしてほしいです。


参考までに上に言っている法律ってどれなのか示しておきます。民法という法律です。

(未成年者の法律行為)
第五条  未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2  前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
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