yukihiko yoshida’s dance writing:tokyo dance diary

2008-04-27 エリアナ・パヴロバ、DanceSanga

 エリアナ・パヴロバの命日(5月2日)が近いことから横浜の外人墓地に立ち寄り墓参する。ある知人が毎年墓参をしていることから気になっていたが初めて行くことができた。

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Photo:Yukihiko YOSHIDA

 日本にバレエをもたらしたこのバレリーナの墓所は小高い岡の日当たりの良い斜面にある。頻繁に訪れる人たちがいるのかきれいな花束が寄せられていた。この外人墓地には日本近代に大きく貢献した外国人たちも多く眠っている。バレエファンは故人を偲んで一度は足を運んでみると良いだろう。

関連Webpage http://www.yfgc-japan.com/message.html



 エリアナ・パヴロバは一般的には七里ヶ浜にあった記念館の跡地にある記念碑の跡地が有名だ。

http://www.ballet.gr.jp/asano/jaballet.html

海岸沿いにある名レストラン珊瑚礁の隣にあるのでわかりやすい。珊瑚礁は2Fに江ノ島を遠望できるバーカウンターがあり夜景が美しいことでも知られている超有名デートスポットだ。私もこの店の名物カレーは十代の終わりからファンである。(http://ameblo.jp/karin0321/entry-10065491083.html)こちらは湘南散歩がてら足を運んでみるのも良い。



その後、中村恩恵のDance Sanga Studio Showing Vol.2に参加する。

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Photo:Yukihiko YOSHIDA、Dance Sangaの会場前

Dance Sanga Studio Showing Vol.2

 中村恩恵のDance SangaはStudio Showingを行った。今回は中村自身のみならず、スタジオでWSを受講してきた若手作家たちがその作品を発表した。

 冒頭、中村が現れると水の印象を描いた"a Dance"がはじまる。日常世界では素朴な印象を感じさせるこのアーティストは手を宙に走らせるとごく自然にバレリーナへとトランスフォームし、森羅万象を叙情的に、時に抽象的に踊っていく。大気の感触を大切にしたピュアなダンスだ。続くワークショップ生や子どもたちの作品でも純粋に踊る喜びを大切にしていることや身体に対して明確なConceptionを持つことを重んじている作家の姿勢を感じ取ることができた。現代のダンスシーンで若手作家として活動をしている面々も少なくなくないのだが彼らの思考を重んじながら肉体を通じて考えることを伝えているような印象も受けた。

 続いてWS受講生たちの作品やJiri Kylianの作品の1シーン(”Whereabout unknown”より抜粋)が上演された。若者たちのWS作品はそれぞれの素材を活かした完成度の高い作風が興味深い。

 そして廣田あつ子による「ひかりの素足」が上演された。中村と廣田が小さな台にのってパフォーマンスのようにゆっくりとポーズをとっていく。台の上で立っているだけだったり、腕をゆっくりと動かすだけとごくシンプルなのだが踊り手の肉体が作りだす表情は実に丁寧だ。その場を流れる空気とそれぞれの皮膚から発せられる感情がゆっくりとこだましあう。廣田のなめらなか肢体が発する表情が見事だ。中村も内に秘めた精神世界をゆっくりと外界へと放射しだす。やがて二人が踊りはじめると踊り手がシンプルな動きで形作ってきた存在感が踊りへと拡張され、ムーブメントとなって展開していく。豊かな感性を感じさせる作品である。作家はシャープにこの感受性の鋭さを磨いていくことが重要である。

 中村の試みはバレエのみならずモダンコンテンポラリーダンスに対しても意義深いものといえ、この試みのこれからが楽しみだ。

(Dance Sanga in Honmoku YOKOHAMA

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