「なぜデパ地下には人が集まるのか」(はてな年間100冊読書クラブ 71/100)

なぜデパ地下には人が集まるのか (PHP新書)

なぜデパ地下には人が集まるのか (PHP新書)

  • プロのマーケッターと顧客、両側の視点から

プロのマーケッターである著者が、
常に人で賑わう「デパートの食品売り場」
=「デパ地下」の魅力に迫った本ですね。
売り場の構成や、包装紙などの分析は
本職であるプロの視線が入っていますが、
一方で「自分も、デパ地下を愛する一顧客」として、
消費者側の視点からの解説もありますね。
プロ側の視点だけで綴られていると、
一般人的には面白くない内容になりそうですが、
顧客の視点が入っていることによって、
本書の内容に共感を覚えたりすることも、
多くなるのではないかと思います。
その内容は、例えば、デパ地下に行って
「新しいものを発見してワクワクするところ」とか、
誰しも、思いあたるところは、あるのではないでしょうか。
ギフトやスイーツ、パンに惣菜など、
実際の「デパ地下」の売り場を解説・分析した
内容もあります。しかし惜しむらくは
その事例が、東京の百貨店ばかりなのですよね‥
まぁ仕方無い面もありますけど、
私のような地方の読者にとっては、
なかなかイメージが湧きづらかったですな‥

  • 昔は、デパート全体が「ワクワクさせるフロア」だったかな、と

百貨店業界は、売上は長期低迷の状態にありますけど、
絶えずリニューアルされ、トレンドを発信し続ける
「デパ地下」は、活気のあるイメージがありますね。
そういえば私が子供の頃、デパ地下は勿論
大食堂やおもちゃ売り場があるデパートは、
「訪れた人をワクワクさせるお店」でしたね。
その名残が、今でも残っているところが
「デパ地下」という感じでしょうか。
デパ地下以外のフロアでも、デパ地下のように
「トレンドを発信し」、「訪れた人をワクワクさせる」
ようなことが昔のように出来れば、
「百貨店業界も復活するのではないかな」
と、本書を読みながら思ったりもしました。