「日本の「水」がなくなる日 誰も知らなかった水利権の謎」(はてな年間100冊読書クラブ 81/100)

  • 本の森や山林は荒れ果て、水の供給も脅かされ‥

林業行政の失政によって
本の森や山林が荒れ果てていること、
また、外資によって、森(とそれに付随する水資源)が
買収され、日本の安くて安全な水の供給が
脅かされる様子が、描かれていますね。
安全な水を供給するのは、もちろん各地の水道局の
働きもありますけど、山奥の水源と
それを支えている森については、忘れがちですよね‥(^^;)
本書はそういった、現代の森を取り巻く問題について
取り上げていますね。

  • 林業林業行政の実態は、酷いものですね‥

個人的には、「水資源争奪戦」の内容が
メインに据えられているのかと思いましたけど、
林業行政の失政に関する内容も、多かったですね。
個人的には、もう少し「水資源」について
詳しく知りたかったところです。
しかし本書は新書ということもあり、
紙幅の面からも、やむを得ないところでしょうか‥
農政は結構話題になりますけど、林業には、
なかなかスポットが当たることは無いですね。
私も詳しくは知らなかったのですが、
外国産の木材に押されて、
日本の林業が壊滅状態になってからの
林業の失政は酷いものがあるなと、
改めて実感してしまいました。
失政を認めつつも、それを改めようとしない
行政の姿勢が、特に腹立たしかったですね。
失敗は素直に認めて改め、
改善していく必要があると思いますけど‥

  • スギやヒノキによって、森が水を育まなくなってしまい‥

換金し易いということで、
スギやヒノキの植林が奨励されましたけど、
上記の通り外国産の木材に押されて
森や山林は、放置状態になってしまいました。
その結果、間伐されない針葉樹林は、
地上に日が当たらず森の活力を奪い、
水資源にも影響しているようですね。
森や山林は、維持するだけでも
固定資産税が掛かるので、地主は売却したがっています。
そういった森や山林が、水資源を狙う
外国人に渡ってしまっているようですね‥
スギは、花粉の面でも多くの国民に
ダメージを与えていますし‥

  • もはや、水はタダで手に入るものでは無くなる‥?

また、水資源が脅かされている点については、
外国人の土地取得に制限が無いなど、法律整備の面からも
水資源について、関心が払われてこなかったことが
うかがえますよね。まぁ、
「日本人は水はタダで手に入ると思っている」とは、
昔からよく言われてきましたけど‥
森林と水の保全は、自然保護主義者だけの問題ではなく、
我々一般市民にとっても、大きな課題ですね。