川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』(2001/2004新潮文庫)


川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』を読む。
この人の言葉のリズムが心地よい。
エッセイ集だからとりたてて事件が起こる訳ではないけれど、
日々を暮らす気持ちがゆらり揺れているのを見届ける。


ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)


    今まで言ったさよならの中で
    いちばんしみじみしたさよならは
    どのさよならだったかを決める
   (決まったら心の中でゆっくりさよならをとなえる)。


                     (p.218より引用)



はて、僕の場合、それはどのさよならだっただろう。
しばし物思いにふける。



(文中敬称略)