ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』(2007)


同志社講座・佐藤優講師
ナショナリズムと国家』(全5回)の課題図書である。
ベネディクト・アンダーソン
『定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行―』
白石隆・白石さや訳)を読む。


定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)

定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)


佐藤講師は「読みやすいです」と言っていたけど
僕にはそうでもなかったな。
出版資本主義に焦点を絞り、
ナショナリズムの起源を解き明かすのが本書の特徴だ。
確かにスルスルと読める一面がある。
でも「ホントかな?」といったん立ち止まると
論点の根拠がさほど盤石とも思えない。



けれどこうした理論がアカデミアで生まれ、
一般人にも議論を呼ぶ欧米の知のぶ厚さにはいつも感心する。
読書は知のゴールでなくスタートである。
そこから著者と対話し、
ときに著者を挑発する場面がないと僕は面白くないな。
本書の内容は7月の佐藤講座で取り上げる予定だ。


(文中一部敬称略)