20代の名人ふたり、アルファ碁


7月21日付朝日朝刊で
将棋の佐藤天彦名人と囲碁井山裕太名人が初対談している。
佐藤が28歳、井山が27歳。
20代が将棋、囲碁の世界で頂点に立っている。
井山は囲碁界史上初の7冠王である
(名人、棋聖本因坊、王座、天元碁聖、十段)。
佐藤は羽生を4勝1敗で破り初の名人位についた。



今年、人工知能「アルファ碁」が
韓国のイセドル九段を4勝1敗で破ったことに触れ、
井山名人は衝撃だったと認めながらもこう発言している。


   アルファ碁が打った布石を、
   世界のトップ棋士たちが実戦で試している。
   新たな可能性というか、前向きに捉えています。



"Alpha Go(アルファ碁)"は
英国のGoogle Deepmindの仕事である。
6月開催のカンヌライオンズ・フェスティバル・オブ・クリエティビティで
イノベーション部門グランプリを受賞している。
世界的ニュースとなり、実績としては圧倒的だった。



チームの二人がプレゼンテーションを終え、
審査員との質疑応答で印象に残ったことがあった。
イノベーション部門は唯一公開審査なので面白い)


  審査員「ところで、Alpha Goは自分がやっているゲームが
      碁であることは認識しているの?」


  Google Deepmind「(一瞬沈黙の後)たぶん認識していない」


  審査員「碁をやっていると認識していないAI(人工知能)が
      碁のトッププレイヤーのひとりを負かしたのか……」


(文中一部敬称略)