池澤夏樹『知の仕事術』(2017)


以前は読まず嫌いだったけれど、
昨年からすっかり贔屓になってしまった。
池澤夏樹『知の仕事術』を読む。



自分の身辺のことは書かないと決めていた池澤が
70代に入り少し心境が変わって手の内を公開してくれた。
その動機は「反知性の時代の知性」である。
知識や教養を軽んじあざ笑うかの如き世相に棹さし、
自分の頭で考え行動する少数派を増やし支援するために
具体的な知の技術を共有してくれている。


「新聞の活用」「本の探しかた」「書店の使いかた」「本の手放しかた」
「時間管理法」「取材の現場で」「語学習得法」など全12章。
きょうからでも実践できる知恵と工夫が詰まった一冊だ。
池上彰佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方』との連読がおすすめ。


(文中敬称略)