大澤真幸『<問い>の読書術』をシェルパとし、
廣松渉『今こそマルクスを読み返す』を読む。
- 作者: 廣松渉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/06/12
- メディア: 新書
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大澤の道案内はこんな風だ。
廣松渉の著作は難解だとよく言われる
(ほんとうはそんなことはなく、
難しい漢字で表記された概念は
明晰に定義されているので、
慣れてしまえば、廣松の本はとりわけ明快なのだが、
とにかくしばしばそのように言われてきた)。
しかし、本書だけは非常にわかりやすい。
今風に言えば、いわゆる「超入門」のようなものである。
(p.61)
- 作者: 大澤真幸
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/09/12
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確かに廣松の使う言葉遣いは独特で
慣れない間は実にゴツゴツして読みづらい。
けれども味読していくと、
わざと読みづらく書いているのではなく、
言わんとすることをより精確に書くため
言葉を選んでいることが分かるようになる。
今日の観点から見て、最も読む意義が大きいのは
「『資本論』で言いたかったこと」という第2章であろう。
世界最高のマルクス読みが、『資本論』(第1巻)の肝はここだ、
と教えてくれているのだ。
マルクスを読んだことがない人にとっては、
これほど勉強になる章はない。
(p.62)
確かにそうだった。
しかし、本書が大澤の言うように廣松の「超入門」なら
他の著作は結構苦労するだろうと思った。
だって、本当に取っつきの悪い言葉使いなのだから。
(神保町で全5巻3,240円で手に入れた高畠訳『資本論』第1巻)
大澤の本をシェルパにして廣松を読み、
廣松の本をシェルパにして高畠素之訳『資本論』に取り組む。
(高畠訳は思ったより読みやすい)
目下、マルクス山脈登攀に挑戦中である。
(遭難しないといいんだけどね)
wikipedia:廣松渉
wikipedia:高畠素之
wikipedia:大澤真幸
(文中敬称略)