この人の書く青春小説なら、
きっとただ甘いだけのものではないだろう、と信頼していた。
読む進むうち、何度も「いい小説だ」と心が動かされた。
宮下奈都『よろこびの歌』(実業之日本社、2009)を読む。
- 作者: 宮下奈都
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2009/10/17
- メディア: 単行本
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やっぱり見くびっていた。
そうとは気づかずにいろんなものを見くびっていたのだ。
こんな高校に行ったって意味がないと思っていた。
ひとりひとりの顔なんか見ていなかった。
ただ自分の志望校ではなかったというだけで、
高校を否定し、自分のいる現在を否定し、
そうして未来も否定していたのだと思う。
クラスメイトたちがどんな思いでこの高校を選んだのか
考えることもなかった。
(p.190)
本編が終わると、著者の謝辞が載っている。
ザ・ハイロウズに愛を込めて、
素晴らしい七つの歌のタイトルをお借りしました。
(著者)
七つのタイトルは
七音音階に合わせて以下の通りだ。
do よろこびの歌
re カレーうどん
mi No.1
fa サンダーロード
sol バームクーヘン
la 夏なんだな
si 千年メダル
- 作者: 宮下奈都
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2012/10/05
- メディア: 文庫
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この作品を読み終えて、
ザ・ハイロウズの歌が聴きたくなってしまった。
YouTubeで探してみようかな。
(初出:「月刊ジェイ・ノベル」2007-09
単行本化に際し、加筆・修正を行った)
- アーティスト: THE HIGH-LOWS,甲本ヒロト,真島昌利
- 出版社/メーカー: キティ
- 発売日: 1999/06/09
- メディア: CD
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