ex.17 「君よ憤怒の河を渉れ」突っ込みどころ満載のトンデモ映画!

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この作品の評価ほど難しいものもないだろう。

高倉健主演、佐藤純彌監督「君よ憤怒の河を渉れ」

共演に、中野良子、原田芳雄、倍賞美津子、池部良、田中邦衛、大滝秀治などなど。
原作は1974年発行の西村寿行の小説「君よ憤怒の河を渉れ(きみよふんぬのかわをわたれ)」
映画のタイトルの読みは「きみよふんどのかわをわたれ」と読むので、微妙に違う。

原作はサスペンスアクションらしいが、実際は突っ込みどころ満載のトンデモ映画。
ネタバレはありです。

映画「君よ憤怒の河を渉れ」

検事の杜丘冬人は新宿の雑踏で見知らぬ女から「金品を盗まれ強姦された」と告発され緊急逮捕されてしまう。
他の男も「カメラを盗まれた」と供述、逮捕に必要な証拠も揃っていた。

自分にかけられた罠を取り除くため、現場検証の場から逃走を図る冬人。
女の正体をつかみ彼女の郷里へ向かうが、すでに女は殺されており、冬人は殺人犯として追われることに。
日高山中に逃げ延びた冬人は、自分をはめた真犯人が政界の黒幕である長岡了介ではないかと思い始めるが…

(あらすじ by allcinema)

それにしてもこのB級テイストには恐れ入る。
物語はご都合主義極まっているし、他方でもけちょんけちょんに言われている音楽も確かにヘンだ。
シリアスな場面でいきなりハワイアン音楽が流れてくる。

なによりキャラクターの行動原理が分け分からん。
タイトルからしたらかなりシリアスなサスペンスと思いきや全然違う。
どちらかというと、突っ込みどころ満載のアクションコメディといったところだ。

物語は高倉健演じる検事が道ばたを歩いている最中、強盗&強姦魔に仕立て上げられるところから始まる。
かなりいい加減な捜査によって犯罪者扱いされた健さんは、自身の無罪を証明するために警察の包囲網から逃れ証拠探しの旅に出る。
…なんだけど、道中起きる事件がひどい。

不意打ちしてもいっこうに健さんを捕まえられないダメ警官たち。
どんなに至近距離から狙っても都合良く当たらない鉄砲。
着ぐるみバレバレの熊ちゃん。

本当に当時の日本人はこれで楽しめたのか腑に落ちないことこの上ない。
ちなみに本作、文化大革命後の中国で上映された初めての映画だそうで、中国全土で大ヒット。
高倉健も中野良子も中国で大人気となったらしい。

さらには、新宿の人ごみの中で警官隊が銃を乱射。
健さんは新宿東口に現れた何十頭もの馬に飛び乗って脱出。
最後は犯人の代議士を銃で撃ち殺す。

とはいえ、この何でもアリ感は最近見かけなくなった日本人のパワーを思い起こさせてくれる。
もうひとつのトンデモ映画の名作「太陽を盗んだ男」ともかぶるデタラメさ。
まあ、ここまで徹底できればありなのかも、という気持ちにはさせてくれる。

70年代の快作「君よ憤怒の河を渉れ」
お試しにどうぞ。
でも、後悔しても知りませんよ。


映画「君よ憤怒の河を渉れ」

君よ憤怒の河を渉れ [DVD]
KADOKAWA / 角川書店 (2014-09-26)
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