Hatena::ブログ(Diary)

夢見屋本舗

2014-03-02

先攻ドローの廃止による先攻後攻プレイヤーの優位性の転移

| 23:35

■ はじめに
2014年3月21日から、遊戯王のルールが大きく変更された「マスタールール3」が実施されます。
新たな召喚方法「ペンデュラム召喚」が目を見張りますが、今回はそちらではなく「先攻プレイヤーは1ターン目にドローできない」という新ルールについて考えていきます
これによって、先攻プレイヤーと後攻プレイヤーの優位性の違いが変わってくると考えられるからです。
この点に関しては、いろいろなところで議論されており、それらを踏まえつつ、つい最近までベガルタで相手の伏せが割れると勘違いしていた僕なりに考えをまとめてみました。



■ 先攻プレイヤーの優位性
まず、これまでの先攻プレイヤーの優位性を考えます。

先攻プレイヤーは、相手よりも先にゲームを展開することができます。

モンスターの展開で考えると、毎度、相手にターンが渡るまでの間、先攻プレイヤーは通常召喚権を相手よりも1体分だけ多く得ることができています。
遊戯王はビートダウンデッキが主流であり、単純な殴り合いで考えて、この数的有利は大きなプラスです。
相手が罠カードを伏せる前に動くことができるため、《エフェクト・ヴェーラー》等の手札誘発モンスターからでしか展開を阻害されず、《ヴェルズ・オピオン》等のコントロール性能の高いモンスターによる一方的な試合展開を狙うこともできます。

さらに、先攻プレイヤーは、相手よりも先に罠カードを伏せることができます。
相手のモンスター展開を阻害する手段を多く構えることができるため、相手モンスターを除去したり、先に展開した自分のモンスターを維持したりすることが容易です。
その他にも、墓地を肥やしたり、デッキを圧縮したりするのも、先に動ける先攻プレイヤーが有利です。

このように、先攻プレイヤーには「ゲーム展開の優位性」があります

そして、先攻プレイヤーは、相手よりも先にカードをドローすることができます。
つまり、毎度、後攻プレイヤーにターンが渡るまでの間、先攻プレイヤーは+1のカードアドバンテージを得ていることになります。

このように、先攻プレイヤーには「ドローによるカードアドバンテージ」があります

さらに、この先攻ドローによるカードアドバンテージの獲得により、ゲーム展開の面において、コンボのパーツとなるカードやシナジーのあるカードを早く揃えることができ、先攻プレイヤーの「ドローによるカードアドバンテージ」は「ゲームの優位性」を強化しています



■ 後攻プレイヤーの優位性
次に、これまでの後攻プレイヤーの優位性を考えます。

後攻プレイヤーは、相手よりも先に攻撃することができます。
戦闘等によって相手モンスターを一方的に破壊することができれば、相手の戦力及びカードアドバンテージを1つ削ることができ、先攻プレイヤーの「ゲーム展開の優位性」及び「ドローによるカードアドバンテージ」をひっくり返すことができます。
このように、後攻プレイヤーには「攻撃の優位性」があります

しかし、先に罠カードを仕掛けたり、コントロール性能の高いモンスターを立てたりすることができる先攻プレイヤーには防御面のゲーム展開の優位性があるため、そう簡単に戦闘破壊を成功させることはできないでしょう。

そのため、後攻プレイヤーが先攻プレイヤーを捲るには、相手の罠カードを《サイクロン》や《禁じられた聖槍》によって1:1交換をしながら相手の「ゲーム展開の優位性」をかいくぐりつつ、相手モンスターを破壊して「カードアドバンテージ」を獲得する必要が出てきます。
この後攻の捲りにおける神様として《大嵐》が存在します。
先攻プレイヤーの2伏せに対して《大嵐》を打つと、その時点で「ドローによるカードアドバンテージ」をひっくり返すことができます。
そこからモンスターを一方的に破壊して「ゲーム展開の優位性」ごともぎ取ることも十分に可能で、後攻プレイヤーの捲りの手段として一番手軽であり、ほとんどビートダウンデッキで《大嵐》が絶対に外せない理由がここにあります。

しかしながら、《大嵐》は制限カードであり、毎回都合良く手元にあるものではありません。
先攻プレイヤーの「ゲーム展開の優位性」が順当に機能すれば、後攻プレイヤーは先攻プレイヤーの有利性を捲ることができず、試合のテンポをつかむことができないまま後攻プレイヤーは敗北してしまうでしょう

以上のように、これまでの遊戯王には先攻プレイヤーに圧倒的な優位性がありました
多くのプレイヤーに恨まれている先攻《ヴェルズ・オピオン》や先攻《神竜騎士フェルグラント》の強さは、この先攻プレイヤーの優位性も相まってのものだと考えられます。



■ これからの先攻後攻プレイヤーの優位性
それでは、先攻ドローが廃止される、これからの遊戯王を考えてみます。

これからの先攻プレイヤーは、相手よりも先にカードをドローすることができません。
つまり、毎度、後攻プレイヤーにターンが渡れば、先攻プレイヤーには−1のカードアドバンテージの損失が発生することになります。
さらに、その「ドローによるカードアドバンテージ」を受けられないことにより、コンボのパーツとなるカードやシナジーのあるカードが揃いづらくなり、構えられる防御手段が薄くなるため、先攻プレイヤーの「ゲーム展開の優位性」が弱まりました

一方で、後攻プレイヤーは、相手よりも先にカードをドローすることができます。
つまり、毎度、先攻プレイヤーにターンが返るまでの間は、後攻プレイヤーは+1のカードアドバンテージを得ていることになり、「ドローによるカードアドバンテージ」が先攻プレイヤーから後攻プレイヤーに転移していることになります。

よって、これまでの神的な捲り手段であった「先攻プレイヤーの2伏せに対しての《大嵐》」による形勢逆転が、カードアドバンテージの優位性は既に獲得しているので、「先攻プレイヤーの1伏せに対して《サイクロン》」を放つだけで実現させることができるようになったのです。
その上、先攻プレイヤーの防御面のゲーム展開の優位性は薄くなっているため、「ゲーム展開の優位性」を捲ることはかなり容易になると考えられます。
そして、後攻プレイヤーに捲られた後に、先攻プレイヤーが少ないリソースで捲り返すことは、よほど底力のあるデッキでないと難しいのではないでしょうか。
このように、先攻ドロー廃止によって「ドローによるカードアドバンテージ」を後攻プレイヤーが受けることによって、後攻プレイヤーの「攻撃の優位性」が強化されることになりました



■ まとめ
ここまでの話をまとめてみます。

先攻ドローができていた「これまでの遊戯王」

  • 先攻プレイヤーの優位性
    • 「ゲーム展開の優位性」(+「ドローによるカードアドバンテージ」により強化される)
    • 「ドローによるカードアドバンテージ」
  • 後攻プレイヤーの優位性
    • 「攻撃の優位性」(−先攻プレイヤーの「ゲーム展開の優位性」により生かしづらい)

先攻ドローが廃止される「これからの遊戯王」

  • 先攻プレイヤーの優位性
    • 「ゲーム展開の優位性」(−「ドローによるカードアドバンテージ」の消失により弱まる)
  • 後攻プレイヤーの優位性
    • 「攻撃の優位性」(+「ドローによるカードアドバンテージ」の獲得に加えて、先攻プレイヤーの「ゲーム展開の優位性」の弱体化により捲りやすい)
    • 「ドローによるカードアドバンテージ」

端くれプレイヤーの見解として、以上のことから「一般的に、先攻ドローが廃止された遊戯王は後攻プレイヤーが有利になる」という仮説を立てます。
コストやマナの概念がない遊戯王では、カード単体、もしくはコンボ・シナジーによって生み出されたカードパワーが物を言うシステムであるため、他の一般的なカードゲームと比べて、1枚のカードアドバンテージの重みが大きいように思います。
最近は理解できないレベルでアドバンテージ荒稼ぎする下品なカードがちょこちょこ刷られるのでカードアドバンテージの概念が麻痺しがちですが、序盤で試合のテンポを取れるかどうかは、現環境でも試合結果を左右する要素であり、先攻ドローの廃止によって、そのリズムががらりと変わることは間違いないでしょう。


これからの遊戯王では、「ドローによるカードアドバンテージ」の転移を踏まえ、

先攻プレイヤーの観点として、
「ゲーム展開の優位性」は弱まったものの、それを生かして、いかにして相手に捲らせないか」、
また、「捲られてしまった場合に捲り返すことができる要素を構築にどう組み込むか」を、

後攻プレイヤーの観点として、
いかにして確実に先攻プレイヤーから「ゲーム展開の優位性」を捲るか
また、「もぎ取った「ゲーム展開の優位性」をいかに維持するか」を考えていく必要が出てくるのではないかと思いました。