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ループ&ループ second edition このページをアンテナに追加

2016-02-20

[][]1998年の宇多田ヒカル

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)

1998年の宇多田ヒカル (新潮新書)

読んでいると色々と語りたくなる一冊。アラフォーロキノン厨にはたまらない内容でした。4人の女性歌手の話を通して90年代後半から現在までの音楽業界の変遷をまとめたカルチャー本でもあります。この本を読んでいると、改めてCDの時代は終わったことを痛感させられます。自分が音楽から距離を置いていた間の変化、ここ最近音楽を熱心に聞きだしてからの違和感の謎が解けた気がしました。CDが売れない、音楽の聴き方が変わったというのは何となくわかるけれど、やっぱり自分にとってCDを買うという行為は特別なものなので、どことなく寂しい気がします。復活していこうウルフルズがシングルを切らない(itunes配信のみ)理由もわかった。シングル出しても売れないんだよね。シングル(CD)が売れることがヒットのしるしではないのがとても不思議なんだよなあ。自分がはやりの曲がわからない理由も、このあたりにあるのだろう。だったらいい音楽の指標って一体何だろうと言うことが益々混沌としてくるなぁと思ったり…。

1998年頃って、遅ればせながらイエモンにはまってバカみたいにそればっかり聞いて、ロキノンをむさぼり読んで、その辺りから色んな音楽を聴くようになった時期だった。そんな中、椎名林檎嬢や宇多田ヒカルちゃんが出てきた時の衝撃たるや…。うちらの年代で林檎ちゃんの無罪モラトリアムとヒカルちゃんのFirst loveが嫌いな人なんていなかったようなものだ。aikoをちゃんと聞いたのはもう少し後のことだっけ。今でもこの3人のCDは私の棚にある。92年あたりにデビューしたバンド(ミスチル、イエモン、スピッツ、ウルフルズ)が世の中を席巻した一方で、この本に取り上げられている女性歌手が出てきて、ブランキーがいてミッシェルがいて、トライセラ、バイン、ドラゴンアッシュが97年あありから出てきたりして、ほかにももちろん色んな人がいて、自分も若かったし、楽しい時期だったなーと思わず振り返ってしまいました。

彼女たちが幸福だったのは、CDが最も売れた1998年にデビューしたことと、同期に恵まれたことっていうのがとても印象的だった。今、1966年生まれの方々が仲がいいのも同期や同級生のくくりってどこか特別なものがあるからかなかと思ったり。自分も同期ってどこか特別な存在なので、すごくよくわかる感覚なのだ。

ネットの時代になって、ロキノンみたいな雑誌媒体も減ってきているけれど、個人的にはまとまったテキストが大好きだから、このような本はとても興味深く読めた。アーティストが自分で色々と情報を発信するのもいいけれど、インタビュアーとのバトルのようなやりとりもまた違う一面が見れるからずっとやってほしいものです。