【考察】主体的に動こうというお話

6月からある会社のインターンシップに参加している。
仕事内容は、DNA抽出実験やPCRなどを行う科学教室やサイエンスカフェを主催し、小学生〜高校生に科学の楽しさを伝える、というものだ。これらのプロジェクトを大学院生が中心となって企画していく。機材準備、講義内容から経費計算、事後報告書作成まで全てである。
PL(project leader)ともなると、科学教室を行う学校との交渉、発表スライドの推敲、配布資料の作成などの仕事を各TA(teaching assistant)に割り振り、その仕事の進捗状況を的確に把握する必要があり、マネージメント能力が試される。
また、実際生徒の前で講義を行うTM(teaching manager)となると、最先端の科学を小学生でも分かるようにおもしろおかしく伝えるプレゼンテーション能力が必要となる。
これらの能力は、いざ社会に出たときにもっとも必要とされる能力である。大学生のうちに実地研修を行うことは自分にとって非常に大きな糧となる。もちろんインターンシップなので、ほぼ無給である。これはid:fromdusktildawn さんのいう賃金ダンピングと同じ構図である。今は短期的な視点で、わずかなお金を稼ぐためにバイトをするのではなく、長期投資をするべき時であると考えている。
しかしこれらの能力を身につけるためには「主体的にプロジェクトに参加する」ことが最大にして唯一の条件である。ただPLから振られた仕事を、最低限の合格ラインを満たすqualityでこなしているだけでは何も進歩しない。自ら積極的にプロジェクトに参画し、どうすればこのプロジェクトがもっとよくなるか、どこかにみんなが見落としている穴はないか、と常日頃から思考していないと人は成長しないのである。
どうしても人は楽なほうへ楽なほうへと逃げてしまう。その習性に抗えないのであれば、意識的に「○○の仕事は引き受けた」と豪語することで自ら逃げ道を塞ぎ、自分を追い込むしか道はない。口に出すことで自分を縛る。強制的に自分を仕事に駆り立てる。怠け者の自分を意識改革していく。道のりは険しいが、一歩一歩踏みしめて前進していこうと思う。