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2007-12-25 究極のフランケンシュタイン。哀愁の兄弟対決とは このエントリーを含むブックマーク

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ [DVD]

というわけでクリスマスイブに東宝映画フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』1966を観たユニオシであります。通算4回目だと思う。で今回気づいたことを書きます。


子供の頃の怪獣映画というと「怪獣!」といえばゴジラみたいな爬虫類風のものが普通だったので、これに出てくる人間のような姿の怪物というのが凄く恐かった覚えがある。ガイラは人を喰うし(当時の怪獣で人を喰うというのも無かったような気がする)。だから秋田のナマハゲ並みに恐かった。この当時の僕らにとってはフランケンといえば、博士ではなく、怪物の方を指していたが、前の年の『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』の方がより人間らしく、オリジナルの外人風?に額が出っ張っていた。怪物は怪物なのだが、人間の心を持っていて研究所の女性(水野久美)に親切にされたということもあって、悪い地底怪獣と戦ってくれた。

フランケンシュタイン 対 地底怪獣 [DVD]


『サンダ対ガイラ』はこの続編という設定になっている。前作で最後は山に逃げて死んだはずだったフランケンが再び正義の怪物として登場する。しかし、姿は全く変わっていて何故か毛むくじゃらです。大人になったのかな。彼が最初は悪い弟?分をかばい、怪我を気遣ったりしているが、人を喰い続けるガイラを戒め、最後は死闘することになる。


メアリー・シェリーが生きていたらこれ観てぶっ飛んだに違いない。

http://d.hatena.ne.jp/yunioshi/20071224


まあ、珍品といえば珍品だが、よく考えた話ではある。

今でこそ遺伝子研究が進み「クローン」という概念はあるが、当時はそこまで一般に知識がなかったのだろうが、、「ガイラはサンダの細胞が分裂してできた"分身"である」という説明があり、攻撃して肉片が飛べばまたそれが新たなフランケンを誕生させるという設定。これは抜群じゃないですか!(ヒトデじゃあるまいしそんなわけないが。肉片の細胞が海でプランクトンを食べて成長したという説明はある。笑ってはいけない。)それで自衛隊は砲弾による攻撃を躊躇したりする。


それにしても。

この時代の自衛隊ってとても頼もしく見えましたね。ヘリとか戦車が出てくるシーンであの伊福部昭の曲が流れると胸が高まってしまうのは僕だけじゃないはずだ!

伊福部昭特撮映画マーチ集


最近何だか石破防衛大臣ゴジラが出たら災害派遣?」とか笑いながら言ってたが、実際に同じような状況になったらどんな活動をしてくれるんでしょうね?

さんざん人を襲ったガイラが山に逃げ込み行方がわからなくなるのだが、その山に男女の若者がハイキングにやって来て楽しそうに「ウサギ追いし〜♪」を歌ってたりする。博士と研究員(水野)も調査に来ていて「あの人たち怪物が恐くないのかしら?」とか言ってるが、皆のんきだ。

自衛隊、山を封鎖しろよ。危機管理できてないぞ。


それにしても特撮は良くできている。ガイラが上京?して車を踏み潰すシーンがあるが、車の潰れ加減は実にちょうど良くて感心した。割れるんじゃなくてペッチャンコになるのはアルミとかで作られているのだろうね。


東京での死闘は、サンダが最後までガイラに向かって「ダメダメ」していて、本気でガイラに立ち向かわない。苦悩しているのがわかる。この辺は演出がきちんとされていてさすが本多監督だ。「哀愁漂う兄弟対決」というのはこの映画から約30年後の若貴兄弟優勝決定戦まで日本には無かったのではないだろうか。ただ、残念なことにラストだが、実にタイミングよく海底火山が爆発して二匹とも行方がわからなくなってしまうのだ。何だかスッキリしない。たぶん続編を作るつもりだったのだと思う。


ああ、誰か続編作って欲しい。

特撮ファンの間でもこの映画の評価は高いと思うのだが、何故か続編の話は出ないですね。

僕の自論として怪物が出る映画は「哀愁無ければいけない」というのがある。

フランケンシュタインドラキュラミイラ男もゾンビも、昔の傑作ホラーには皆「怪物として存在する哀しみ」があった。

この『サンダ対ガイラ』もそこはうまく表現している。だからファンの強い支持があるのだろう。


因みにクエンティン・タランティーノはこの映画の大ファンで、『キル・ビル Vol.2』を作った時に、ユマ・サーマンダリル・ハンナの対決シーンを自ら「金髪ガルガンチュアの戦い」と呼んだ(『サンダ対ガイラ』の英題は『The War of Gargantuas』)』)。さすがだ。

タランティーノ、ハリウッドでやらないかなあ。

http://www.yunioshi.com/killbill.html



というわけで何が悲しゅうて僕はこの映画をクリスマスに選んだのか?

苦悩する兄フランケンシュタイン・サンダ

サンダ、苦悩す

サンタクロース

今回は不調…。

A-chanA-chan 2010/11/05 00:30 初めまして。
私も「サンダ対ガイラ」は東宝特撮の中で気に入っている1つです。攻撃されるガイラを助けるサンダを見て分る通り、彼らは最初から敵対していた訳では無く、人間に対する価値の違いで争う事になります。

ガイラを手厚く介護するサンダの様子に、彼の「弟」に対する愛情を感じ、温かい気持ちにさせられるだけに後に来る悲劇が際立って感じます。独りぼっちで生きてきた彼らにとって「兄弟」というか「同種族」との出会いは、驚きと同時に喜びでもあったと思いますから。
サンダにしてみれば、人間を襲うのをやめない「弟」の所業に嘆き、ガイラにしてみれば、どうして「兄」は例の2本足の生き物の事になるとムキになるのか分らない。彼らは争いながらも、お互い苦しんでいたに違いありません。そう思うと、この悲しい「兄弟」を作り出した人間の罪深さを痛感してしまいます。

この物語を見て思った事は、人間にとって不死身の肉体なんかより兄弟・同族が仲良く生きていける幸せの方が一番大切なのだという事です。私達もコミュニケーションの輪を広げる為に、色々な人達と仲良くしていきたいですね。