UNIXの規格について

いままで漠然と、「UNIXの規格について調べるときにはSUSv3を見る」ことにしていましたが、それでOKなのかちょっと調べてみました。

結論としては、ここ

今や

  • ISO/IEC 9945:2002
  • IEEE Std 1003.1-2001 (POSIX)
  • Single UNIX Specification Version 3 (SUSv3)

の3つは,全く同じものですから、SUSだけ見れば十分だと思います。

の記述通りのようですね。

以下は、The Single UNIX Specification Version 3 - Overviewに書いてあることの要約です。

自分なりのまとめ


昔、似たような標準を作っている団体として、OpenGroup, ISO/IEC, IEEE があった。で、

  • ISO/IEC 9945-1(POSIX.1), ISO/IEC 9945-2(POSIX.2)
  • IEEE Std 1003.1(POSIX.1), IEEE Std 1003.2(POSIX.2)
  • Base Specifications of The Open Group Single UNIX Specification

をまとめるために、3つの団体が共同で"Austin Group"っていうのを設立、統一&アップデートした標準を出した。それが

  • IEEE Std 1003.1-2001 (POSIX)
  • ISO/IEC 9945:2002 (parts 1 to 4)
  • The Open Group Base Specifications, Issue 6

であり、これらは同じものである。内容としては次

  • Base Definitions, Issue 6 (XBD)
  • Shell and Utilities, Issue 6 (XCU)
  • System Interfaces, Issue 6 (XSH)
  • Rationale (XRAT) - Informative

を含む。なお、ISO/IEC 9945 と IEEE 1003 は、もはや1と2に分割されていないことに注意。1,2両方、つまりPOSIX.1とPOSIX.2の内容が統合、更新されてIEEE 1003.1-2001 と ISO/IEC 9945:2002 に含まれた。

統合されたIEEE,ISO/IEC,OpenGroupの規格をまとめて、The Single UNIX Specification volume 3 (SUSv3) と呼ぶが、SUSv3は追加で

  • X/Open CURSES Issue 4 Version 2(XCURSES)

も含むことに注意。

同じSUSv3でも規格は微妙に修正されていて(Technical Corrigendum, TC, 追補, 正誤表 によって)、現在の最新版は IEEE Std 1003.1, 2004 および ISO/IEC 9945-2003 らしい。後者は "It is technically identical to The Open Group, Base Specifications, Issue 6 and IEEE Std 1003.1, 2003 edition" って書いてあるから IEEE のほうがちょっと新しい。