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スローライフ旅日記

2011-04-20

インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実

08:46

 第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門受賞『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』の試写案内がきたので観にでかけた。最近もっとも気になった作品である。

 リーマンショックの金融関係者、政治家にインタビューをしたドキュメンタリー。5月公開予定。

http://www.tsp21.com/movie/insidejob.html

 ソニー・ピクチャーズの配給で緊急公開となったもので、アカデミー賞を受賞したことで、急遽公開となった模様。

 リーマンショックの要因となったサブライムローンを含むアメリカの金融構造を描いたもの。当時の政治家、金融関係者など多岐にわたるインタビューで構成されている。

 いかにリーマンショックが生み出されたかという話である。その結果、アメリカの生活者になにが生まれたのか。

 映画を観たら堤 未果 さんの『ルポ 貧困大国アメリカ 』(岩波新書)がより具体的に理解することができる。

 こういう映画を観ていると、とても刺激を受ける。社会構造のひずみを自分でもドキュメントしたいという意欲をわかせてくれるのである。

 映画を観ていたら、今回の東電の原発の対応や誘致の強引さも、いくつかのドキュメントで知ったことが重なった。まったく同じ構造なのだ。

 政治家と町村長が結託して、東電からの助成金で、原発を導入してしまう。反対の農村が、お金のばらまきで切り崩されていく。

 原発の現場監督していた平井憲夫さん(故人)の『原発震災を防ごう!原発がどんなものか知って欲しい』(インターネットで転送されてきたもの)、鎌田慧さんの『日本の原発危険地帯』(青志社)、それに発売されたばかりの『週刊東洋経済』4月23日号「特集 東京電力の正体」で、よく理解でき、それが映画と重なったのだ。

 リーマンショックのあと、その理由をきちんと説明して代替案を作り上げねばならない。そのときにたんに告発ではなく、その仕組みの構造にどこが問題なのかをあきらかにしなければならない。提案が必要だ。

 その意味で、今回のドキュメントは非常にわかりやすい。

 これによると1933年から55年のアメリカ大恐慌の反省を踏まえて、金融業界は、共同での監視体制が敷かれて、普通預金の投機は禁止されていて、情報公開も明確にされていたという。それがその後の不況を招かなかったことだという。

 ところが、1980年代になり、レーガン政権になって金融やローンの緩和が行われる。そしてクリントンブッシュ政権で、これに弾みがつく。そもそも価値のないものを売り買いして、それを証券化して売買する。格付け会社も価値のないものを価値のあるようにしてしまう。そして一部の有力者だけが、高額の報酬を得るという仕組みである。その詐欺に日本の投資会社も金融もまんまとひっかかったということとになる。

 これはほんとうに詐欺である。一部の金融資本家がよってたかって、利益を吸い上げる構造をねつ造する。

 この結果、世界規模での不況が起こった。これを観ると小泉内閣の自由化というものが、いかにいいかげんだったかということなのだろう。

 映画のなかで、造船をする技術者や労働者が賃金が安くて、金融を動かすものが、法外なお金を得るというのはおかしくないか、という話が出てくるが、まさにそうだと思う。濡れ手に粟の構造に歯止めが必要だ。同時に、地道でも地域経済を創る仕組みや智恵や知識や技術の集積が必要だろう。

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