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スローライフ旅日記

2012-09-19

イタリアのアグリツーリズム

10:09

「なぜイタリアの村は美しく元気なのか: 市民のスロー志向に応えた農村の選択」 宗田 好史 著(学芸出版)は、最近読んだなかで秀逸な一冊。

イタリアのアグリツーリズモ(=グリーンツーリズム)での、農村での宿泊施設は1万9700軒。宿泊は1千235万泊。平均4・5泊。外国人客は26%。

 イタリアに何度か行ったときによく利用したのが、農家を改装して宿泊ができるアグリツーリズム。これがレベルが高い。ベットルーム、シャワー付き、個室タイプ。周辺は景観条例が徹底していて、雰囲気や色調が景色にあっている。

 ちなみにドイツフランスは2万軒。イギリスは1万9000軒ある。

 共通しているのは、景観条例と環境の優先が実施されて、日本のように、チェーン店の看板、自動販売機などが、一斉ないこと。町の個性が際立ち、それぞれの土地の風景と町づくりが一体化していることだろう。

 農家を改装したレストランも食事のレベルがきわめて高い。地域のワイン、サラミ、チーズ、手料理など、豊かで満足度が高い。

 これらの背景にはEUの統合と環境問題などから、環境支払いや、景観に配慮した町づくりの支援を行い、地方の豊かさを都市の人の余暇と観光に連携させたしくみつくりがある。さらに有機農業の推進や、地域の質の高いワインを始めとする食の品質の向上など、食のクオリティを高めることで輸出にもつながる。環境、景観、食の質、快適な宿泊と、トータルな政策があってのグリーンツーリズムだというのがわかる。 

 これらを具体的に解き明かし、グリーンツーリズムがヨーロッパで発展をしたのは、地域の豊かさの優先を、景観、環境、食のブランド化、それらを支援をする町づくりのコンセプトの明確さから生まれていることがわかる。そしてスローフード運動も、景観・環境・地域の経済の仕組みづくりをメインとした農業政策と歩みを一緒にしている。

 これだけ具体的にグリーンツーリズムの背景と実際、それにスローフードの背景を明確にした書籍は初めて。ぜひ読んでもらいたい一冊。

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