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yuri_donovicの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2018-03-08

下町ボブスレー:日本の都市型産業集積の特徴を象徴するような話

| 12:19 | 下町ボブスレー:日本の都市型産業集積の特徴を象徴するような話を含むブックマーク 下町ボブスレー:日本の都市型産業集積の特徴を象徴するような話のブックマークコメント

クラフトマンシップは素晴らしい」

下町の皆さんは技術に自信がある分、使う側の意見を積極的に聞こうという姿勢がなかった」

下町側は反論する。設計はジャマイカ側の希望でチームの技術指導者が手がけた。より小型のソリを目指したため、ボディーの幅などが規則ギリギリの設計だった。契約では、ソリを引き渡した後の責任はジャマイカ側が取ることになっていた、と。

 だが、場合によっては規則違反を指摘される恐れがあると分かっていたとも言う。」

職人気質、あるいは狭い分野の経験から培った知見と世界観への自信と頑固さ。そして製造の範囲を超えたことは注文主の責任だからあずかり知らないという割り切り。良くも悪くも下請企業のマインドがにじんだ話になっている。

そもそも下町プロジェクトは「大田区ものづくり技術を五輪でアピールし、世界から仕事を獲得する」狙いで始まった。一方、選手にとって重要なのは、言うまでもなく大会で結果を出すことだ。」

このズレが重要だったという指摘は他のところでもしばしば目にした。これもある意味では下請・受託加工中心の産業集積政策の欠点を象徴するような話で、ニーズとウォンツの取り違え、穴とドリルのたとえ話みたいな誤解の上に「地域アピール」という下心を乗せて失敗したという印象がある。

多分、目標の実現方法そのものから手探りするしかないタイプのプロジェクトでは、受託開発とは言っても発注元と受託側とのタスク分割や費用負担区分は曖昧にならざるを得ず、受託側も発注元と同じ夢を見て運命共同体を作るような運営をせざるを得ないんだろうなと思う。文字通りチーム型の組織やコミットメントの方が目標実現のパフォーマンスも良くなるのだろう。

地域振興機関の側からすれば、ボブスレーは地域アピールネタの一つに過ぎないから、そこにどの程度注力するかは損得勘定の問題に過ぎない。でもネタをやるときは全力で(つまり損得勘定を度外視して)やらないと成果は出ず、教訓も回収できない。だから地域アピールのネタに過ぎないという観点は遠くに置きながら現局面に集中するというバランス感覚が大切なのだが、これが狂うとただのアリバイ作りになって、プロジェクトに巻き込まれた人が誰も得しないという悲喜劇が起きる。こういう話がよくあるんだよなあ。何でそうなるのかと言えばそれはいろいろあるんだけど、それはまたそれで。

記者の目:「下町ボブスレー」五輪出場ならず 「共感力」高めて再挑戦を=大迫麻記子(東京社会部) - 毎日新聞

2018年3月8日 東京朝刊

 東京都大田区町工場経営者らが集まって五輪出場を目指す「下町ボブスレープロジェクト」。平昌冬季五輪で「下町ソリ」を使う契約を結んだジャマイカチームは、最終的にラトビアのBTC社製ソリを使った。

 なぜ下町ソリは採用されなかったのか。ジャマイカチームは走行テストでBTC社製より2秒遅かったことを理由の一つに挙げたが、2台の条件が違いすぎ、正確な比較だったとは思わない。だが、差はあった。取材で見えてきたのは、ソリを製作する力ではなく、ものづくり志向を超えた、乗り手への「共感力」の差だ。五輪を前に、100分の1秒を縮めようと戦う選手やコーチに信頼してもらえなかったことが、残念な結果を招いた要因ではないか。

「使う側の意見を聞こうとしない」

 「大田区の皆さんのクラフトマンシップ(職人技・魂)は素晴らしい」。昨年4月に来日したジャマイカチームのジャズミン・フェンレイタービクトリアン選手は、下町ソリの性能を評価した。12月に行われた、定評ある外国製ソリとの比較テストでも、タイムは互角だった。しかし不採用−−。これは2014年ソチ五輪の時と似たパターンだ。「共にソチを目指そう」と協定を結び、下町ソリを評価していた日本チームが五輪で乗ったのも、今回と同じBTC社製だった。

 こんなエピソードがある。ソチ五輪の3カ月前、下町ソリは日本チームから27項目もの改善要望を受けた。その一つに「フレーム(ハンドルなどが付く骨組み)の色を赤ではなく黒にしてほしい」というものがあった。下町の関係者は「赤は情熱を表現した色。色はソリの性能に関係ないので、変える必要はないと思った」と振り返る。

 だが、日本チームの関係者が明かす。「新しいソリができると、他のチームはボディーの中を横からのぞいて構造をチェックする。まねをされたくないので(フレームが)目立たないようにボディーと同じ黒にしてほしかった。何度か言ったが直してもらえなかった」。別の関係者の言葉は痛烈だ。「下町の皆さんは技術に自信がある分、使う側の意見を積極的に聞こうという姿勢がなかった」

目標に食い違い、話し合い足りず

 15年11月の例も示唆に富む。平昌を目指していた日本チームはドイツで比較テストをした。下町ソリとドイツのシンガー社製を滑走させ、1日目のタイムは同等。すると、社長とともに現地に来ていたシンガー社の技術者が自社のソリを分解し始め、重りを積むなどして組み直した。翌日のテストでシンガー社製は1秒も先行した。ソリはコースや選手の特性に合わせた調整で滑りが変わる。一から組み直せばなおさらだ。日本チームの関係者は「ソリをバラバラにして組み直した時、『そこまでするか』と驚いた」と話す。採用されたのはシンガー社製だった。

 そして、平昌五輪の4カ月前の17年10月。下町ジャマイカチームに引き渡したソリは、規則違反を指摘された。ソリには形状や重さなどの細かな国際規則があり、国際審判のチェックをクリアしなければ使えない。五輪出場のかかった試合を目前に控えていたジャマイカ側からは「このままでは五輪を棒に振る」と厳しい声が上がったという。

 下町側は反論する。設計はジャマイカ側の希望でチームの技術指導者が手がけた。より小型のソリを目指したため、ボディーの幅などが規則ギリギリの設計だった。契約では、ソリを引き渡した後の責任はジャマイカ側が取ることになっていた、と。

 だが、場合によっては規則違反を指摘される恐れがあると分かっていたとも言う。そうであれば「後で修正すればいい」という姿勢ではなく、リスクについてきちんと話し合い、対処法も詰めてからソリを引き渡すべきだった。この出来事がジャマイカチームを不安にさせ、ジャマイカは結局、BTC社製を選んだ。

 日本の元選手は「BTCのソリは氷にランナー(刃)が食い込む。安定感が抜群で、規則違反のリスクもない」と話し、下町ソリは「素材はいいし作りも丁寧。だが、氷の上でソリがズレる感じがあって操縦しにくい」と評した。BTCは小さな工房だがボブスレーの経験者が関わる。元選手は「操縦しやすいし、調整もしやすい。経験者が作っているので乗り手の気持ちが分かっている」と付け加えた。

 そもそも下町プロジェクトは「大田区ものづくり技術を五輪でアピールし、世界から仕事を獲得する」狙いで始まった。一方、選手にとって重要なのは、言うまでもなく大会で結果を出すことだ。

 意見が食い違う時は徹底的に話し合う。比較テストなど重要な局面では、ベストな状態で走れるようにソリを調整する。規則違反のリスクがあるなら、付きっきりで修正できる体制を組んで安心させる。こうした点で、下町は選手の気持ちにどこまで寄り添えていたのか。ライバルに後れを取ってはいなかったか。

 下町プロジェクトの今後は未定という。だが、ソリの性能が劣っていたわけでは決してない。挑戦を通して課題が見えてきたからこそ、22年北京五輪のコースを滑走する下町ソリを見たい。

2018-03-02

大学教員も解雇規制などを理解しておくべき時代。

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経営陣の横暴から身を守るというだけでなく、同僚の暴走を食い止めたり自身が加害者にならないようにするためにも。

大学VS教授 解雇巡る法廷バトル次々 学長権限強まり:朝日新聞デジタル

2018年3月2日07時44分

 私立大学の教授らが解雇を巡り、大学側と訴訟などで対立するケースが相次いでいる。教職員組合によると、2014年に学長権限を強めた改正学校教育法が成立した後に目立つようになったという。

 名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)を懲戒解雇された元教授2人は17年12月、解雇無効などを求めて提訴した。元教授は大学を運営する学校法人名古屋自由学院教職員組合の正副委員長だ。

 訴状によると、元教授は17年10月、教職員用メールボックスに組合ニュースを投函(とうかん)したところ、就業時間内に組合活動をしたなどとして処分されたと主張している。元教授は「組合活動などを理由に解雇されたのは不当。大学内での自由言論、表現活動、妥当な協議が非常に困難になっていることの象徴だ」と訴える。2月19日に第1回口頭弁論があり、学院側は請求棄却を求めた。取材に対しては、「訴訟継続中のためコメントできない」と文書で回答した。

 全国162の私立大の教職員組合が加盟する日本私立大学教職員組合連合によると、17年は少なくとも北海道千葉県など計15大学で教職員の解雇をめぐる訴訟や不当労働行為の救済申し立てなどがあった。私大教連の担当者は「改正学校教育法が成立してから増えた」と話す。

 法改正は、グローバル競争力の強化など大学改革を進めやすくすることを目的に学長の権限を強めるのが狙い。14年8月には、文部科学省が「学長のリーダーシップの下で、戦略的に大学を運営できるガバナンス体制を構築することが重要」と全国の大学に通知した。

 私立大では、私立学校法で最終的な意思決定機関とされる理事会の権限が強まった。学長選の廃止や、教授会の審議なしでカリキュラム学部を再編する動きが広がっている。

 こうした中、運営をめぐって、大学側と教員側の対立が目立つようになった。

 追手門学院大(大阪府茨木市)は、改正学校教育法の成立前から改革を進めてきた。13年に教授会規程を改定し、審議事項から教員人事や重要事項を除外。学長は理事会選任とし、教職員による投票を廃止した。

 こうした動きに対し、「大学の民主的な運営を阻害する」と、教授会などで批判してきた元教授2人が、15年10月に懲戒解雇された。卒業生が在学中に所属した部の顧問からセクハラを受けたとして11年に起こした訴訟を、元教授が企てたというのが処分理由だという。懲戒処分説明書には「学院を被告とする訴訟の提起を教唆し、あえて記者会見を画策し、学院の名誉及び信用を毀損(きそん)した」と記されている。

 元教授は追手門学院大を運営する学校法人に、解雇無効などを求めて係争中だ。元教授は「解雇の真の理由は、大学の自主性、自立性を守り、大学の民主的運営に力を尽くそうとする原告らが目障りで排除しようとした」と主張する。

 大学側は取材に対し、「ガバナンス改革の目的は教育力の向上にある。すべては学生のため」と反論。処分については、「係争中の案件で主張は裁判で明らかにしていく」とした。

 中京大名古屋市)を解雇された元教授も解雇無効などを求めて16年12月に提訴した。訴状によると、元教授は15年ごろ、理事会から内密に学部改組への協力と学部長辞退を求められたという。「拒否したら過失をさかのぼって処分された」と主張。15年に学生の個人情報が入った私物のパソコンを紛失したことなどをとがめられたとした。

 取材に対し、中京大広報部は「係争中なので回答を控えさせていただきたい」とコメントした。(小若理恵)

     ◇

 姉崎洋一・北海道大名誉教授(教育法・高等継続教育論)の話 こうした問題は、国の大学改革と連動した新しい事態といえる。国立大は学長、私立大は学校法人の理事会の権限がそれぞれ強まった。コーポレートガバナンス企業統治)の考え方が持ち込まれ、教授会の権限を縮小し、トップの判断を最優先する法改正の弊害が直接的に表れた事例だ。企業と同じ経営手法適用には無理があり、学問の自由を保障された大学が死んでしまう。労働組合の活動を制限し、組合ニュースのポスティングなど微々たることで懲戒解雇するのは、不当労働行為に当たる。

2018-02-21

ロボットに服を着せることが増えているというNHKの記事

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「裸」だったロボット 服を着せたなら…|NHK NEWS WEB

2018年2月20日 19時10分(WEB特集)

いい記事。レポートの一つの形として。

服を着たロボットが増えているという意外性があり興味を引く素材に気づいたところがまず良い。素材が良いこと。

次に、印象的で、ポイントを突いた言葉をインタビューで取ってきている。その人の言葉として語れているところも良い。「なぜ」に答える、なるほどと思える「気づき」ポイントをいくつも作れている。

三つ目に、視点が複数あり、多角的なレポートになっている。一つは、ロボットが服を着ることの効用、意味についてであり、もう一つはロボットに服を着せることの難しさであり、そして最後にはロボットが服を着る未来のイメージについて。三つ目はそれほど重要ではないが、記事をまとめる締めくくりとしての意味を持たせている。

*******

印象的な言葉を抜粋。身体性や表象、記号と、機能や役割との関係のあたりを中心に。技術と社会、人間との界面の話としても。

  • 服はロボットと人間がともに暮らしていくために重要な役割を果たす
  • 「服を着せることで、とても愛着が生まれます。服を着ていると、うちの「ロボホン」が特別な存在に思える、個性が出てくるんです」
  • 服を着たロボットは、“裸”のロボットに比べて「より活躍する」というデータも。
  • 「服を着せるだけで多くのお客様に触れてもらえるようになりました。また、行員も「ペッパー」を同僚のように見なして接するようになりました。服によって、新しい一体感が生まれたんだと思います」
  • 製品化された量産型ロボットに見た目の違いはありませんが、服を着ることで、ロボットがただの鉄の塊ではなく、役割を持った“キャラクター”になり、ぐっと身近な存在になる
  • 「ユニフォームはほかのものと区別する視覚的な記号として機能します。警察の制服を着ているから警察官だとわかるし、白衣を着ているから医者とわかる。ロボットがユニフォームを着ると、特徴がはっきりして、人間は愛着を持ちやすくなる」
  • ロボットが“着やすい”服を作るのには高度な技術が必要……熱、巻き込み。
  • マネキンや人形の服とは大違いで、熱や動きなどの厳しい条件をクリアーするためには優れた縫製技術が必要です。手のひらにのるような小さな物から、人の背丈ほどある物まで、1点1点オーダーメイドで作るので、コストもそれなりにかかります」
  • 今後、(AIが)社会に参加して、総合的なことができるようになるには、ロボットのように身体が必要

2018-02-20

北陸先端科学技術大学院大学では2017年10月から入構45分前から全面禁煙。

| 11:36 | 北陸先端科学技術大学院大学では2017年10月から入構45分前から全面禁煙。を含むブックマーク 北陸先端科学技術大学院大学では2017年10月から入構45分前から全面禁煙。のブックマークコメント

全面的な流れになってほしい。断固支持。しかし推進派はよく頑張った。組織内で禁煙を進めるのはものすごく大変なので、関係者の地道な努力が長年続けられたのではないかと推察する次第。喫煙者喫煙者に同情的な人たちの納得を取り付けるのがものすごくしんどいんだよね……。嫌煙家ですら、人脈やコネで構内喫煙を擁護したりするしね……。

もちろん45分という数字を監視することはできないし、実質的な懲罰は困難だろうけど、この種の取り組みとして理念法を掲げるのは大事なことだし妥当なことでもある。

「喫煙後45分間」も大学構内に立入禁止 北陸先端大が全面禁煙に踏み切った理由 - エキサイトニュース2017年11月2日 12時20分)

北陸先端科学技術大学院大学JAIST)が、10月1日より構内全面禁煙を実施した。全面禁煙に踏み切ったことに加えて「喫煙後45分間」の構内立ち入りも禁止。先進的な受動喫煙防止の取り組みにネットでは驚きの声が上がっている。どのような経緯があったのか、JAISTに話を聞いた。

話し合いを重ね、“構内全面禁煙”へ

JAISTの担当者によると、「これまで何度か大学のなかで受動喫煙防止の取り組みを考える話し合いがあった。従来の健康増進法受動喫煙防止の規定はあったが、さらに2015年6月に改正された労働安全衛生法でも、職場の受動喫煙防止が努力義務として加わったことで、本格的に取り組むことになった」とのこと。また、東京オリンピックに向けた受動喫煙防止の動きもあり、改めて大学内で話し合いが行われ、全面禁煙に至ったという。

喫煙後45分間は立ち入り禁止

今回の全面禁煙により、構内に10数ヵ所あった喫煙所はすべて閉鎖。さらに構外で喫煙した場合でも45分間は立ち入りを禁止している。

「今年の3月に専門家を呼んで講演会をした際に、『喫煙後、45分間は肺から有害物質を吐出している』との説明があった。そのため、受動喫煙防止措置として、喫煙後45分間は本学の敷地内及びJAIST Shuttle(シャトルバス)車内への立ち入りを禁止している」と担当者。実際に、IQOS(アイコス)などの有害性物質が減っているとされる加熱式たばこも規制の対象としている。

JAISTだけでなく、東京オリンピックに向けて喫煙に対する規制が強化される流れは今後ますます大きくなりそうだ。

(日野綾)

これは本当に仕方ないと思うんだけど、喫煙者って、煙草の臭いや煙には鈍感だし抵抗がないから、自分が「臭っている」ことや、部屋がたばこ臭いことに気づかなかったり違和感がなかったりする。だから、周囲の人がニコニコしながら黙って我慢していることにも気づかない。ご本人は、真面目に気を遣って、外で吸ってくるわけなんだけど、業務の合間に急いで吸って、急いで戻ってきたその足で打ち合わせに入ってこられたりすると、煙と悪臭がものすごいんだよね。特に、その人がしゃべったりすると、ゴジラ放射能を吐いているシーンを思い出すぐらい。だから、喫煙後45分間は入構禁止という規制が求められるのは、本当にしみじみとよく分かる。どう考えても受動喫煙しているからなあ。

**********

喫煙者排除に潜む日本の病巣 https://anond.hatelabo.jp/20180219232323

という投稿と一連の反応を見て。

主張は禁煙反対派の既存のもの。喫煙者の権利を侵害しているという話など。

で、今は当然のことと受け入れられているが、昔はそうではなかった事例を探そうと思って、立ち小便を思いついた。立ち小便を禁止されるときにも、立ち小便をする権利を侵害しているという類いの反応があったのではないだろうか。子どもの頃、立ち小便は男の勲章だみたいな文化?があったと記憶している。

それで朝日新聞を検索してみたら、意外にそういう記事は出てこない。

立ち小便擁護派の主張は見当たらず、立ち小便は良くないにも関わらずいっこうに減らないという記事ばかりで、公徳心の欠如を嘆く記事、警察に取りしまられた記事、取り締まりに反抗して捕らえられた人の記事、立ち小便を注意されて逆上した人の記事ばかりである。

立ち小便の原因として、尿意を我慢できない男性の忍耐力のなさや公衆便所の少なさに言及されることはあるが、だから立ち小便をするのもやむを得ないという論調は出てこない。立ち小便をする権利という概念がどうもなさそうなのだ。

ただし、これは朝日新聞という公器に現れている論調だけなので、紙面に出てこない部分でどんな話があったかは分からない。なんで立ち小便の取り締まりは不当だ、人間には立ち小便をする権利があるという議論はたぶんどこかであっただろうという気がする。居酒屋談義などではいかにもありそうだ。

そういう記事を探している最中に、昔の人はマナーが悪かったんだなあという記事を見つけたので紹介する。煙草が苦手な人を煙草ガスに被曝させることを擁護する人々でも、以下のような行為を全て擁護する人はあまりいないのではないだろうか。

東京朝日新聞1936年昭和11年)10月15日付夕刊3ページ(東京

市民の栓

やめたい例

◇公徳心の欠除については、街頭到るところにその例を見せつけられていやになる。やめたい多くの例……

(一)街頭に紙屑を棄てることはやめたい、紙屑入れもあるではないか。

(二)街頭に唾を吐くことはやめたい、殊に電車やバスの中に唾を吐くことだけは是非やめたい。人が吐いてゐるのを見ていゝ気持ちかと訊きたい。

(三)道の真ン中へ鼠の死骸を放り出すのは是非やめたい。車に轢れ人にふまれて見ても胸がむかつく。こんなことをする者は厳罰に処する方法はないものか。

(四)野球場で尻に敷いた新聞紙をそのまゝ放っておくのはやめたい。貴方の庭に新聞の破れたのを放っておきますか?

(五)紅葉した山の木を折ることはやめたい。あれは一本々々に折っては風情も何もない。遠くから眺めていゝものなのである。

(六)煙草の吸殻を道路やプラットホームに火のついたまゝ捨てるのはやめたい。風があると危険です。

(七)下水の水を道路に撒くのはやめたい。これからは西や北の風がひどくなると、不潔物が舞ひ上がってお互に困ります。殊に夏時はあの異臭のある水を撒かれては堪りません。

(八)立小便はやめたい。小路といふ小路を見れば便意を催す男を私は軽蔑する。少しは良心と羞恥心を持って貰ひたい。

長州生)

ところで、過去の新聞の論調では、立ち小便防止には刑罰を加えることと同時に公衆便所の充実が上げられている。この伝で行けば、公共の場所での喫煙を防止するには、刑罰と同時に喫煙所の充実が有効だという類推が成り立つ。小便が生理現象で我慢が難しいものであるのと同様、喫煙もニコチン中毒による生理的欲求が動機の一つだから、我慢できない人が駆け込める密閉空間がたくさんあればいいわけである。そう考えると、喫煙所を減らす現在の風潮はむしろ問題を大きくしているのだと言えないこともない。

ただし、第一の問題は、煙草の汚染大気を完全遮断できる喫煙所を作るのはほぼ不可能であること、喫煙が終わった人を完全浄化してから解放しなければいけないことという、汚染隔離の現実的な困難さである。

そして次の問題は、こうした喫煙所充実のための費用を誰が負担すべきかという問題である。小便は全ての市民にとって生理現象なので、公衆便所の必要性については共感を得やすい。しかし喫煙所はそうではない。利用者負担原則からすれば喫煙者が負担すべきだが、喫煙者に不便を強いる補償として、あるいは煙草の害から身を守るための対策費として、非喫煙者が負担するべきだという考え方も成り立つ。

さらに第三の問題としては、喫煙所充実は喫煙行為自体を減らすべきだという点に対する逆行になるということである。

こうした事情を考えてみると、どうやら公衆便所のように喫煙所を増やそうという意見が共感を得るのは簡単ではなさそうだ。

煙草を憎悪する私からすれば、麻薬に立ち向かうドゥテルテ並の勢いで煙草を取り締まりたい気持ちもあるのだが、せめて煙草による汚染の広さとしつこさについては喫煙者にももっと分かって貰いたいとしみじみと思う。

そう言えば、昔は痰壺というものがあって、さすがに道ばたにはなかったが、建物の中には所々に置いてあった。子供心に便利なものだなあと思った記憶がある。これのお陰で皆が安心して痰を吐けると思ったのだ。ところで、そうした痰壺の存在が道ばたで痰を吐く行為を抑止したかどうかは定かではない。辻々に痰壺があれば良かったのだろうか。もちろん多少は効果があっただろう。でも今ではコンビニ前に吸い殻を捨てるゴミ箱があるが、そのコンビニから数十メートル離れるともう吸い殻が落ちていたりするから、そうとも言えないのじゃなかろうか。その後、痰壺は消えていったが、それが痰を吐く行為を減らしたのだろうか。おそらくそうではなくて、道ばたで痰を吐くのは良くないという意識が広まってそうした行為が減り、必要性が減って痰壺も減ったのではないだろうか。もっとも、痰壺は単なるゴミ箱ではなくて結核予防などの衛生器具だったので、その感染リスクが減るにつれて撤去されていったという側面もあるのだけれど。そう考えると、煙草の場合も結局は人々の意識の変化が一番重要なのかもしれないなあ。

2018-02-18

OneNote PCで作ったノートをスマートフォンで開く

| 19:44 | OneNote PCで作ったノートをスマートフォンで開くを含むブックマーク OneNote PCで作ったノートをスマートフォンで開くのブックマークコメント

ファイルの共有を行うと読めるようになるみたい。

ノートは、OneDriveかSharePointの上に作成しなければならないみたい。

OneNoteのバージョンは2013。

PCのOneDriveにノートのファイルを保存する→ネット上のOneDriveに自動保存される。

ネット上のOneDriveにあるファイルをスマートフォンから参照して開こうとする→「このセクションを開けませんでした」というメッセージが出る。

困った……。

とりあえず有効だった方法→「OneNote Mobile for Android でディフォルト以外のノートブックと同期できない - マイクロソフト コミュニティ

手順

PCのOneNoteで、

1.「ファイル」(→「情報」→「Webまたはネットワーク上で共有」)→「共有」→OneDrive上で、適当な名前を付ける→「ノートブックの移動」をクリック

2.「移動」が成功すると、「ノートブックは新しい場所と同期されるようになりました。」というダイアログが出る。OKすると、「ユーザーを招待」という画面になる。

3.「共有相手」に自分が出ていたら、たぶん、同期できる。

たぶん、基本的に、ノートブックをOneDrive上に作るのがいいんだろうと思います。OneDriveのフォルダにOneNote専用のフォルダを作って、そこに保存するようにした方が分かりやすいかな。