東京医科大学、入試で逆アファーマティブアクションを採用していた。

読売新聞の報道。現時点では他に後追い報道は出ていないようだ。
女子の離職率が高いため、大学傘下の病院で医師を確保するためには男子優遇が必要という論理だとのこと。この方針は非公表だった。

東京医大、女子受験生を一律減点…合格者数抑制 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 東京医科大(東京)が今年2月に行った医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが関係者の話でわかった。女子だけに不利な操作は、受験者側に一切の説明がないまま2011年頃から続いていた。大学の一般入試で性別を対象とした恣意しい的な操作が明らかになるのは極めて異例で、議論を呼びそうだ。

 東京地検特捜部も、文部科学省の私大支援事業を巡る汚職事件の捜査の過程で、同大によるこうした操作を把握しており、同大は現在、内部調査で事実関係の確認を進めている。

 同大医学科の今年の一般入試は、数学・理科・英語のマークシート方式(数学の一部を除く)で1次試験(計400点満点)を実施。2次に進んだ受験者が小論文(100点満点)と面接を受け、1次の得点と合算して合否が決まった。

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2018年08月02日 06時00分

図:東京医科大医学科一般入試の男女別合格率
2009年から18年までの男女別合格率の推移の折れ線グラフ。男女とも合格率は低下傾向。2010年のみ女子の合格率が高いが、あとは全て男子が高い。2014年、2018年は男子合格率が上がり除し合格率が下がっている。2013年以降は男女の増減変化が逆になっており、男女比を数年間で意図的に調整しているように見える。

離職の恐れで女性医師敬遠、関係者「必要悪だ」 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 東京医科大(東京)医学部医学科の一般入試で、同大が女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが明らかになった。同大出身の女性医師が結婚や出産で離職すれば、系列病院の医師が不足する恐れがあることが背景にあったとされる。水面下で女子だけが不利に扱われていたことに対し、女性医師や女子受験生からは「時代遅れだ」との声が上がる。

 「いわば必要悪。暗黙の了解だった」。同大関係者は、女子の合格者数を意図的に減らしていたことについてそう語る。

 この関係者によると、同大による女子合格者の抑制は2011年頃に始まった。10年の医学科の一般入試で女子の合格者数が69人と全体(181人)の38%に達したためだ。医師の国家試験に合格した同大出身者の大半は、系列の病院で働くことになる。緊急の手術が多く勤務体系が不規則な外科では、女性医師は敬遠されがちで、「女3人で男1人分」との言葉もささやかれているという。

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2018年08月02日 07時05分

図:今年の東京医科大医学科の一般入試、合格までの流れ
男子:受験者1596人→一次試験―303人が通過(合格率18.9%)→2次試験→合格者141人(同8.8%)
女子:受験者1018人→[点数を操作 一次試験―148人が通過(合格率14.5%)→2次試験]→合格者30人(同2.9%)

医学部女子の割合低迷「時代遅れ」、関係者憤り : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 「『女性だから』という理由で不利になるのは、不公平であまりにも時代遅れだ」。東京医科大の得点操作について、女性医師らが働きやすい環境作りを支援する「日本女性医療者連合」(東京)の種部たねべ恭子理事はそう憤る。

 内閣府男女共同参画局のまとめでは、2016年時点で女性薬剤師の割合は65・9%と高い水準にあるが、女性医師は21・1%にとどまる。産婦人科医でもある種部理事は「女性が多ければ女性向けの環境整備は進むが、女子の合格者を減らせば女性医師の働き方改革は遅れてしまう」と話す。

 文部科学省の学校基本調査によると、全国の医学部の入学志願者に対する入学者の割合は17年、男子6・6%、女子5・9%だった。一方、理学部では入学志願者に占める入学者の割合は男女とも11・6%で差がなく、工学部は男子12・0%、女子12・2%と女子が上回っていた。種部理事は「理系の学部のうち、医学部で女子の割合が顕著に低いのはおかしい」と指摘する。

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2018年08月02日 07時20分