IPv6アドレスの:で区切られた部分を何て呼べばいいの?

IPv6アドレスにおいて:(コロン)で区切られる2バイトの部分を何て呼べばいいのだろうか?IPv4アドレスではオクテット(octet)と呼ばれていて、会話の中で「第4オクテットが〜」みたいな使い方をするのだけど、IPv6アドレスで「第3***が〜」みたいな表現をしたい時に何て呼べばいいのだろうか?調べてみた。

紹介するインターネットドラフトではhextetという単語が提案されていて、NANOGでの一定の支持もあり、個人的にも良さげだったのでこれからはhextetって呼んでいこうと思う。

draft-denog-v6ops-addresspartnaming-04

draft-denog-v6ops-addresspartnaming-04で提案されている呼び方は2種類ある。ただしこのドラフトは2011年にExpireしており、RFCにもなっていない。NANOGのML投票なども行われて、このドラフトで最終的に候補に上がったのは以下の2つ。

hextet

IPv4のoctetは8-bitの意味なので、それをを真似して、16-bitということでhexadectet。でも発音が難しいのでhextet。読み方は多分「ヘクステット」か「へクテット」。hextetはすべての技術仕様文書で使う必要がある用語(MUST)とされている。

quibble

4-bitを表すnibbleの4倍だからquad nibbleでquibble。読み方は多分「クイブル」。quibbleは意思疎通のための補助的な用語(MAY)とされている。

RFC4291

IPv6アドレスの構造を規定しているRFC4291では、特に呼び名を設けていないが、テキスト表現を規定する文章中では一部 field という単語が使われている。

      Note that it is not necessary to write the leading zeros in an
      individual field, but there must be at least one numeral in every
      field (except for the case described in 2.).

"one or more groups of 16 bits of zeros"というような表現も見られる通り、fieldと呼んでいるものに対して特別に意味を持たせてはおらず、アドレス構造のRFCなのであくまでbit単位で語る文章が多い。

RFC5952

RFC4291のSection2.2のIPv6アドレスのテキスト表現について、推奨表現の更新を行なっているRFC5952では、こちらも特に呼び名を設けていないが、文章中では field (16-bit field) という単語が使われている。

draft-denog-v6ops-addresspartnaming-02

冒頭で紹介したドラフトの初期バージョンで提案されている呼び方を紹介しておこう。

  1. Chazwazza
  1. Chunk
  2. Column
  3. Colonade, Colonnade
    • コロンで区切られた、的な意味
  4. Doctet
    • double octetの略語
  5. Field
  6. Hexadectet
  7. Hit
    • hex-bitの略語
  8. Orone
  9. Part
  10. Provider number, customer number, network number
  11. Quad nibble, qibble, quibble
  12. Segment
  13. Tuple
  14. Word
    • コンピュータでは16-bitの単位をwordと呼ぶので