地味シャク色々更新(1)。Entephria属・Epilobophora属・Epirrhoe属・Epirrita属。

 書きためていた分を放出してHP更新。
 

  • Entephria属
    • 北海道にはシロテンサザナミナミシャクが分布するが,高山蛾なので全然知らない。種小名の通り,交尾器で区別するらしい。説明は,『標準図鑑 1: 264』の方が詳しい。

♂交尾器(Fig. Nsha4-2):前種[=サザナミナミシャク]コスタは細く骨化するが,本種では幅広く骨化する。

いずれにせよ,1955年記載では画像は手に入りっこない。

  • Epilobophora属
    • いわゆる「複合学名」で,元ネタに気づけば簡単。元ネタ学名に深みではまらないつもりなら,流してしまうことができる。
    • 画像は,Lobophora属の原記載文,Curtis, 1825 . British entomology 6 : 81

 (拡大

  • Epirrhoe属
    • 画像は,Butler, 1879, Ill. typical Spec. Lep. Het. Colln. Br. Mus. 3, pl. 54, fig. 11 (Melanippe)。私の写真よりも,こちらの方が上質である。


エルンストの『百頭女』もそうだけれども,だいたいがわたしは石版の線が好きなのかもしれない。

百頭女 (1974年)

百頭女 (1974年)

  • Epirrita属
    • 命名者のヤコブ=ヒュブナーについては,いつかどこかで,きちんと紹介しておく必要のある昆虫学者だと思う。
    • たかがWikipediaではあるが,日本語での彼の項目がないのは日本の昆虫学が歴史の厚みを欠いていることの証左である。(ちなみにWikiでは11か国語あるようだ。分量は色々。さすがに生国である独語版がもっとも詳しい。わたしの独語はかなり悲惨なのでgoogle翻訳を使って英語で読んでいる。「独→英」は結構読める)。

 
 長くなって,図版やリンクが多くなって疲れてきた。出勤拒否病(いちおう風邪)の病み上がりであって気力や体力がない。期末考査や生徒に買わせる副教材のリスト作りが心にのしかかっている。
 続きは次回に。