yyzz2;虫撮記【虫画像・他】

昨年までは虫撮りの記録および虫の話題です。

苫小牧から転勤して,現在は遠軽町で活動……していません。

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現在,心ならずも完全不定期に陥っています。

18-04-01(日)

[]トプセル(1)。エドワード・トプセル(Topsell),年譜。 トプセル(1)。エドワード・トプセル(Topsell),年譜。を含むブックマーク トプセル(1)。エドワード・トプセル(Topsell),年譜。のブックマークコメント

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 トプセルと言っても,科学史業界か怪物絵マニアにしかなじみがなさそうだ。

 イギリス17世紀初頭の牧師。スイスの博物学者ゲスナーなど他の学者のほぼパクリではあるが(当時は,真理は純粋に普遍的なものである),目を奪う挿画を多く載せた*1動物図鑑本『四足獣誌と蛇誌』で知られている。ちなみに「蛇」といっても爬虫類全般からドラゴン,虫まで扱っている。要するに「地を這うもの」一般の感じらしい。

 なかなかに好評で,影響力もあったらしい。彼やモフェットが,イギリスルネサンスの博物学の最後を飾ることになる。

 四足獣,爬虫類ときて*2,次の需要は虫ということなのだろう。彼の死後のそれには,編者ローランドによるモフェット『昆虫の劇場』英訳(!)まで付加されることになった。

 

 ラテン本である『昆虫の劇場』を読むに当たって,当然英訳は参照したい。また,トプセルの原著中にも昆虫の記述が存在していて,モフェットからの盗用そのもの*3を含んでいたりしている。ここは外堀埋めが必要か。トプセルについて調べておく。また横道。

 

 トプセルについては『四足獣誌』の怪物以外,ネットにはほとんど紹介されていない。日本語版ウィキにも上がっていないし,トプセルの営為全般の紹介は当ブログが本邦初になるかもしれない。ムーアもそうだったように,需要のないスキマ産業。生来,関心が次々と傍系に向かう。メジャーどころで闘う力がないともいえる。

 

 まず年譜から。

 参考:Raven, English Naturalists from Neckan to Ray, 1947。University of Cambridge, A Cambridge Alumni Database, Topsell, Edward (TPSL587E)。Wikipedia, Edward Topsell, 英版および仏版。オクスフォードのbiographyに入れないのは痛い。

 

 ※情報を比べると,明らかな誤記を含めてしばしば年代にズレがある。残念ながらわたしには確定できない。Topsellについての本格的な知識が必要な人は調べ直してください。

 ※当時の英国国教会牧師職については,あれこれ調べたが正しさに自信がない。不十分な要素についてはご指摘いただけると幸いです。こちらの方が年代よりも気になるもので。

 ※誤りが明らかになれば記事を逐次修正していく予定。

 

  • 1572 ケント州セヴノークス(Sevenoaks)に生まれる。
  • 1587 ケンブリッジ大学クライスツ・カレッジの給費生となる。
  • 1591 Bachelor of Arts取得。(その後,Masterを取得しているが年代不明)
  • 1596 イースト・ホースリー(East Hoasthy)教区牧師(=rector*4)となる。『宗教の報い,ルツ書に関する様々な読解から引き出される。そこにおいて,信心深い者は日々外から来る彼らの苦難を,彼らを助ける神の現前と共に理解する。 (The Reward of Religion Delivered in Sundrie Lectures Upon the Booke of Ruth, Wherein the Godly May See Their Daily and Outwarde Tryals, with the Presence of God to Assist Them)』出版。
  • 1598 ダチュワース(Datchworth)へ移る(~1601)。
  • 1599 『宗教の報い』増補。『エレミアの哀歌に関する注釈 (A Commentary Upon the Lamentations of Jeremy)』・『嘆きの時,あるいは様々な説教と省察の中の預言者ヨエルに関する解説 (Times Lamentation. or an Exposition on the Prophet Joel in Sundrie Sermons or Meditations)』の2編を付す。
  • 1602 シレシャム(Syresham)副牧師(=vicar*5)を勤める(~1608)。
  • 1604 アルダースゲイト(Aldersgate)聖ボトルフ教会(Saint Botolph)教区牧師代理(perpetual curate*6)を勤める(~1638)。
  • 1605 メイフィールド(Mayfield)副牧師(~1608)。
  • 1607 『四足獣誌 (The Historie of Foure-footed Beaste)』
  • 1608 『蛇誌 (The Historie of Serpents』
  • 1610 『主人,あるいは完全な人間。3つの説教の中で説かれる。 (The Householder, or Perfect Man. Preached in three sermons)』。
  • 1610 ハートフィールド(Hartfield)礼拝堂付き牧師(chaplain)。イースト・グリンステッド(East Grinstead)副牧師(~1616)。
  • 1612 Mary Seatonと再婚(初婚については不明)。
  • 1618 リトル・バイサム(Little Bytham)教区牧師(~1621)。
  • 1638 没。

 

1658 John Rowlandによる増補合本『「四足獣誌」と「蛇誌」。それに加えて,「昆虫の劇場あるいは微少な生物」 (The History of Four-footed Beasts and Serpents (…). Whereunto is now added, The Theater of Insects; or, Lesser living Creatures)』

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https://biodiversitylibrary.org/page/44211980

 

 次はRavenの著作をもとに,ルネサンスの博物学の一例としてトプセルを見ていきたい。でも,あまり細かいことは分からない。わたしの調査力に限界がある。

 

 >トプセル(2)。『四足獣誌』のねらい。

  

*1:例えば,サイト“University of Houston Digital Library:Topsell's The History of Four-footed Beasts and Serpents Woodcuts”参照。日本語のサイトも結構あるのでそういうのが好きな向きは検索されたい。

*2:ちなみに鳥の著作は未完に終わっているらしい。

*3:モフェットの体験談をトプセル自身のことして書いている。さすがにやり過ぎであろう。

*4:主に教会税を給料とした聖職者。

*5:教会税のごく一部と寄付とから給料を得る聖職者。給与コストの軽減のために掛け持ちが広く行われた。派遣社員や講師を用いるようなものか。

*6:イギリス宗教改革で払い下げられた教会・修道院のオーナーに雇われた聖職者。オーナーから給料をもらう。