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本を読む女のメモランダム

2008-03-13

「アフターダーク」村上春樹

アフターダーク

アフターダーク

「人にはそれぞれの戦場があるんだ」

14/100

2008-03-09

「青空の卵」坂木司

青空の卵 (創元推理文庫)

青空の卵 (創元推理文庫)

13/100

2008-03-08

「弱法師」中山可穂

弱法師(よろぼし) (文春文庫)

弱法師(よろぼし) (文春文庫)

12/100

2008-03-07

「津軽」太宰治

津軽 (新潮文庫)

津軽 (新潮文庫)

11/100

2008-03-06

「乳と卵」川上未映子

乳と卵

乳と卵


それから自分の背丈を越えた柱のような巨大な赤鉛筆を抱えて、さらに巨大な紙に、大きなしるしをつけてゆかなければならないというような心象がたちこめて、重さだるさに意識がねっとりと沈んでゆくなか、生きていく更新が音もなく繰り返される。

緑子、ほんまのことって、ほんまのことってね、みんなほんまのことってあると思うでしょ、絶対にものごとには、ほんまのことがあるのやって、みんなそう思うでしょ、でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。


10/100

2008-03-03

「犯人に告ぐ」雫井脩介

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

「あなたは刑事の血を知らない。思い上がりではなく、正直に言ってるだけです。これは紛れもなく私の捜査です」

正義は必ずお前をねじ伏せる。いつかは分からない。おそらく正義は突然、お前の目の前に現れるだろう。首を洗ってそのときを待っていろ。以上だ」

私の感想

9/100

2008-03-01

「奇術師」クリストファー・プリースト

 チンの有名な金魚鉢は、突然の謎めいた出現にそなえ、手品実演中、ずっとチンとともにあったのだ。その存在は、観客から巧みに隠されていた。チンは身に着けているゆるやかな中国服の下に金魚鉢を隠し、両膝ではさみ、ショーの最後にみごとな、一見したところ奇跡としか思えない取りだし芸をおこなう用意をしていたのだ。観客のだれも、そんなふうにその手品が演じられていたとは想像だにできぬだろう。すこしでも論理的に考えれば、謎は解けたはずなのだが。

 しかし、論理不思議にも論理自体と衝突したのである!重たい金魚鉢を隠すことができる唯一の場所は、中国服の下なのだが、それでもそれは論理的に不可能だった。チン・リンフーがきゃしゃな体をしているのはだれの目にも明らかで、実演中ずっと足を痛そうにひきずっていた。ショーの最後に頭を下げると、アシスタントにもたれかかり、ひきずられるように舞台から下がっていくのがつねだった。

 現実はまったくことなっていた。チンは非常に体力のある健康な男であり、余裕綽々で金魚鉢を膝ではさんでいたのだ。そうだとしても、金魚鉢の大きさと形のせいで、歩く際に纏足された中国人のようによちよち歩きをせざるをえなかった。その歩き方は手品のタネを明かしてしまう危険性があった。移動する際に関心を集めてしまうからだ。秘密を守るため、チンは生涯足をひきずって歩いた。いかなるときも、自宅や往来でも、昼も夜も、秘密がばれないように普通の足取りで歩くことはけっしてなかった。

 これこそ、魔法使いの役を演じる人間の性質というものである。

私の感想

8/100

2008-02-29

はじめてみました

本を読んで印象に残ったシーンを書きとめていく「この一文」、遡って1月からスタートしました。続けばいいけれど。

2008-02-26

「中原の虹」浅田次郎

中原の虹(全4巻セット)

中原の虹(全4巻セット)

正義理屈はない。勝敗も利害もない。おのれを生み育んだ風や大地を愛し、常にともにあること、それが正義だ。

7/100

2008-02-19

「カラスのジョンソン」明川哲也

カラスのジョンソン

カラスのジョンソン

「消滅」

不安定の根源にあるものをジョンソンは訴える。

すると緑光はいっそう強い瞳の光を放つ。

「誕生」

翼が重なるのはそれからだった。


ナクナ。

ナクナ、ナクナ、ナクナ。

マモッテヤルカラ。

2008-02-17

「鯨の王」藤崎慎吾

鯨の王

鯨の王

「ああ、どうなんだろうな。しかし、やってくれれば俺としてはありがたい。ぜひやるべきだ。何百メートルの深海にまで、人間がうろちょろする必要はないよ。こんなに暗くて寒くて息苦しい場所くらいは、せめて他の生き物たちだけのために残しておいてもらいたいもんだ」

「そう言う私たちも、こうしてうろちょろしてますけど」

「確かに」須藤は苦笑した。「じゃあ早いところクジラと仲直りして、海上へ戻ろう」

ホノカはうなずいた。

「そうですね」

「……初めて意見が合ったな」

2008-02-16

「悶絶スパイラル」三浦しをん

悶絶スパイラル

悶絶スパイラル

うーん、すごい。Uさんの長大にして細部まで異様にフォーカスされた脳内映像を聞くにつけ、楽しい気持ちになってくるのだった。いついかなるときも、前向きに発揮される想像力。たった三分を、明るく彩られた至上の三時間に変換する才能。すばらしい。

「これこそが、なんてことない日常を豊かにする秘訣かもしれませんね」

と私は言った。

「そうですよ!」

とUさんは言った。「ていうか、そうでも思ってないと、私たちは想像力の無駄弾を撃ちまくってるだけ、ってことになっちゃいますからね。(略)」

私の感想

2008-02-15

「サクリファイス」近藤史恵

サクリファイス

サクリファイス

ぼくの勝利は、ぼくだけのものではない。

2008-02-13

「ぽろぽろドール」豊島ミホ

ぽろぽろドール

ぽろぽろドール

わたしはまだほんの十五で、これから先、たのしいことなんていくらでも待っているんだと思う。けれど考えてしまうのだ、この世の何が、秘密人形に勝るだろうと。

いじましい瞳から滑り落ちるなまあたたかい雫、わたしのための、惜しみない涙。

わたしは今日も、帰ったら真っ先にあの人形をぶって泣かす。それが何より気持ちのいい遊びなのだ。

坪内君のミカは、処分されてしまっただろう。わたしももう、二度と彼に会わない。彼は永遠にミカをうしない、わたしに触れなかったことを後悔するのだ。

「私、運命が欲しい」

―巻き込まれたい。前も後ろもわからないくらいに。

私の感想

2008-02-12

「私の男」桜庭一樹

私の男

私の男

わたしを知るのは、おとうさんだけ。わたしを、汚した、父親だけ。

「もともと、俺のものなんだ。あれは、全部。どこもかしこも俺のもんだ」

私の感想

2008-02-11

「猫鳴り」沼田まほかる

猫鳴り

猫鳴り

「悲しいのは、これは、しかたのないことだと思います。ですが、不安を抱いたり恐れたりすることはないんですよ。だって、今起こりつつあるのは、とっても自然なことなんですから。そうでしょう?」

若い声で言われた〈自然〉という言葉は、何かまっさらな感じだった。

私の感想

2008-02-05

2008-02-02

2008-01-31

「エスケイプ/アブセント」絲山秋子

エスケイプ/アブセント

エスケイプ/アブセント


「おれさあ、ここで悔い改めちゃったりすると人生ゼロになっちゃうみたいで、それはちょっと都合が悪いんだよな」

2008-01-30

「犬身」松浦理英子

犬身

犬身

「それはわたしではなくてあなたの役割でしょう。可愛い犬にしかできないことを徹底的に実践してください」

恋愛感情だか何だかわかりません。言えるのは、わたしにとって八束は異性同性を問わず、これまでの生涯で最も心を許し親密になれた人間だったということです。(略)これが男同士だったら、あるいは女同士だったら、いつかそれぞれ異性と結婚して自分の家族をいちばんたいせつにするようになるんでしょうけど、わたしと八束は幸いにも男と女なので、恋愛感情を抱き合っていようがいまいが、結婚してずっと一緒にいることができる。だからわたしは、われわれが男と女の組み合わせであったことを僥倖と思ってたんです。ところが、八束の方はわたしと結婚する気は全くなかったんですね。あいつは人間よりも犬に興味があったから」

「心配するな。ある種の肉と同じで、よく叩いた魂はうまいんだ」

私の感想

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