結城浩『数学ガール』(ISBN:4797341378)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

プログラマの数学』の結城浩が贈る、魅惑の数学物語。美少女ミルカさん、元気少女テトラちゃん、それに僕。三人の高校生が数学にチャレンジ。数学を楽しみ、学ぶことについて考え、異性へほのかな思いに心を動かす……。オイラー生誕300年記念出版。

「そうじゃなくって、0!って怒鳴ると1になっちゃうからね」は名言だと思う。
小説の形を取った数学に関する雑学本……とでも言ったらいいのかな、この本はどんな本か、しっくりと来る表現が出てこない。文中には数式やグラフが大量に出てくるのだが、ただの解説本ではなく、それが小説と組み合わさっているのがいいところ。小説のほうは「僕」と、「ミルカさん」と「テトラちゃん」の二人の「数学ガール」の、ほのかなラブコメ。そして数学についてどうこうというところについては、全部がわかったとはとても言えない。最後のほうなんて数式の字面を追っていただけのようなものだったし。それでも数学の奥深さについては、何となくだけれども十分に感じることができた。