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跡地

2009-07-27

[]ジョン・ラセター×宮崎駿インタビュー

  • ごくごく適当に。

――どうして宮崎作品は、アメリカでヒットしていないと思いますか? おそらく、アメリカのファンは、宮崎の描くヒーローよりは、自分の欠陥に直面しているヒーローたちを再構築することに興味があるのではないでしょうか。

ラセター: なるほどね。 面白い見方だけど、それまでそんな風に考えたことはなかったな。 簡単に言うと、興行収入に見合った劇場の数が用意されるということだね。つまり、「千と千尋の神隠し」のときは、全米100館で公開された。そして今度は800館だ。ちょうど良いくらいの規模になるので、 僕らはとてもドキドキしているよ。

 僕には5人の息子がいるんだけど、1987年に、日本のレーザーディスクを持ち帰って、皆で座って「トトロ」なんかを日本語版で観たんだよ。彼らはちゃんと理解していたよ。信じられないかもしれないけどね。

 チャック・ジョーンズはいつも言っていたよ、優れたアニメーションは音を消しても、何が起きているのか理解できるって。彼のアニメは観るだけで全てのことが理解できる。うん、言葉というのはとても深いものだよ、でも、彼のメッセージはすべてフィルムの中に入っている。宮崎は深く考察している、成長について、環境について。彼はとても素晴らしく扱っている。全てを理解できないかもしれないけれど、何かしらは伝わるはずだ。

 息子たちが大好きなんだ。いつもDVDを持って友達の家に遊びに行くんだよ。「もののけ姫」「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」それに「ハウルの動く城」どれも素晴らしいよ。それらのフィルムから、僕はフィルムメイカーとしてとても影響を受けているんだ。 彼からもらった勇気のひとつは、今のハリウッド映画とは逆方向を向くということだ。 彼のフィルムでは、静寂を大切にしている。アクションの前には、かならず小休止があるんだよ。「カールじいさんの空飛ぶ家」を観れば、どれだけ影響を及ぼしているかわかるだろうね。僕は、本当にすごいと思っているんだよ。

――芸術としてのアニメについて話してくれるかな?

ラセター: 私たちはより健全になっていると思う。これまでで最も優れた状況にある。今ある、アニメを作っているスタジオを見てごらん。たくさんのスタジオに、本当に質の高いフィルムメイカーがいるんだ。ブルースカイのクリス・ウェッジとスタッフたちとかね。ドリームワークスも同じように、どんどん良くなっているね。 フォックスやソニーも素晴らしい映画を作っているよ。 知っているように日本では宮崎さんがね。

死に体の産業で唯一のプレイヤーでいるよりも健全な産業の一翼を担っているほうがいいね。 たくさんのアーティストがいるんだよ。 そして、目標は、すばらしい映画を作ることなんだ。僕はいつも言っているんだけど、品質こそが最も優れたビジネスプランなんだよ。


――映画を作るときは、社会的なメッセージを念頭においているんですか? それとも純粋に物語が浮かぶんですか?

宮崎: フィルムの中には、さまざまな要素があるけれど、僕はメッセージフィルムを作ろうとはしていません。

――着想をどこから得ているんですか?

宮崎: 日々の生活からですね。

ラセター:ジブリのそばに小学校がありますが、 そこからインスパイアされたんですか?

宮崎: 生活から着想を得るというのは、だいたい半径300メートルくらいなんですよ。 その中で見るもの全てから刺激を受けています。「ポニョ」で言うと ジブリで働いている連中の子供たちのために作った保育園があります。開園したばかりなので、次に作る映画に影響を与えるかもしれませんね。事務所の横の保育園の子供たちを眺めているんです。

ラセター:あの保育園はとてもキュートだね。 彼に見学させてもらったんだけど、そこの子供たちは信じられないほどキュートだよ。 私たちの見ている前で、小さな女の子が、片足立ちでステップを踏んでいたんだ。びしょぬれになった靴をどうするかでね。これまで見た中でいちばん可笑しな光景だったね。