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跡地

2010-04-03

[] 黒澤明監督『白痴』4時間25分完全版の行方を探して


白痴 [DVD]大系 黒澤明 第1巻

  • 黒澤明監督が、松竹でドストエフスキー原作の『白痴』映画化に取り組んだのは1950年の事である。前後編の二部作として製作が進められたが、10月に松竹副社長に復職した城戸四郎は、1本に短縮するように指示を出し、黒澤自身の手で3時間2分の作品として完成した。このヴァージョンは、1951年5月に、東京と札幌の計三ヶ所で先行上映されたという記録がある。そして、6月からの一般公開では、さらに松竹の関係者によって2時間46分に短縮されたヴァージョンがかけられ、これが今も観ることのできる唯一の『白痴』である。
  • 爆弾が投下されたのは1998年「キネマ旬報10月下旬号」の「黒澤明追悼特集」だった。熊井啓監督が、追悼文の中で『白痴』完全版の所有者と接触し、フィルムの現存を確認したと明かしたのである。その後、熊井監督は2007年にこの世を去り、フィルムの行方もわからないままである。以下は、この伝説の作品の「噂」をめぐって映画狂たちの交わした深夜の「つぶやき」であります……。

kidssinjireturn 黒澤明「白痴」完全版はどこにある?を書いた。http://bit.ly/br5pLf link
daraten @kidssinjireturn 黒澤明『白痴』について。今日たまたま通勤時間に読んでいたKAWADE夢ムック『黒澤明』の「黒澤明 フィルモグラフィ&全作品解題」(鶴田浩司さんという方が書いています)によると、東劇(他、北海道の劇場)で上映されたのは「3時間版」とのことでした。 link
daraten @kidssinjireturn (この本が正しいのかどうか分かりませんけど)前・後編の構成で全四時間二十五分の「予定であった」と書かれていまして、製作元の松竹がそれに難色を示して、一部構成にまとめることを養成し、三時間版として「完成した」となっています。 link
t_hotta じつは4年ほど前に仕事で黒澤プロに行くことがあり、黒澤久雄にも会ったので、この一件について訊きたかったがタイミングを逸してしまったのだった。 link
t_hotta @kidssinjireturn 黒澤の『白痴』、助監督の中平康が「2度試写をするだけで一日が潰れた」と書いていますが、4時間26分版でダビングまですませたところで、松竹が長さを問題にしたと推測するのですが……。この作品には野上照代女史がついていないのが痛いですね。 link
kidssinjireturn twetterで色んなご助言をいただき、推理部分も付け加えて書き直しました。黒澤明「白痴」完全版はどこにある?http://bit.ly/br5pLf link
katsudobenshi 黒澤プロに問い合わせた方というのは私の知人でありまして、岡田時彦のSP盤録音を岡田茉莉子さんに渡したり、地味に良いことしてます RT @kidssinjireturn twetterで色んなご助言をいただき、推理部分も付け加えて書き直しました。黒澤明「白痴」完全版はどこにある? link
kmrtwit ブログ( http://bit.ly/didzcX )拝見。「3時間2分版で封切った」ということは基本的に量産したのはその版と考えるのが通常ですが、松竹は公開後にさらに切るという異例の判断をし、その後の2時間46分版をスタンダードとしたんですね。 @kidssinjireturn link
kmrtwit 黒澤『白痴』 http://bit.ly/bl14kH は5月23日に東劇で先行公開、一般封切6月1日ということは当初から1週間の先行を決めていたわけですね。間に合わないから数本だけ3時間2分版プリントを焼き、その作業に平行して短縮編集をした。 link
kmrtwit というわけで一般封切のために短縮した2時間46分版をスタンダードとして量産したのでしょう。ではなぜ「4時間26分版」が存在するとされるのか。わたしは経緯を知りませんが、スタンダード版以外のオミットした部分はフィルム屑として廃棄されるのが通常です。 link
kmrtwit 考えられるのは「4時間26分版」の時点で黒澤的には決定版であるとして、松竹サイドとは無関係に原版を作成してしまったということしか考えられない。この行為を行なわないかぎり、「4時間26分版」は存在しないはずです。実は可能性はあと1つある。 link
kmrtwit 切ったフィルム屑を廃棄せずに持ち出し、2時間46分版も持ち出し、のちに再構成したということです。この可能性は少ないと思います。 link
kmrtwit 「4時間26分版」は存在するのでしょう。しかしその存在には不法性が原点にあることを承知の上なので、黒澤プロサイドは存在することは知っていても口をつぐむわけです。松竹からフィルムを持ち出したのは黒澤明本人だからでしょう。 link
kmrtwit @kidssinjireturn というわけで、あるんじゃないでしょうか「4時間26分版」は。問題はどうやって日の目を見させるのかです。スピルバーグとスコセッシが松竹と黒澤プロの仲をとりもち、映画史的に重要であると経緯もすべて明るみに出せば、と思いますが、現時点では無理でしょう。 link
kidssinjireturn この人が黒澤の意を受けて・・ということでしょうかRT @katsudobenshi: @kmrtwit @kidssinjireturn 噂では『白痴』を持ち出した人物はラボ関係者で零号プリントだとも言われています。 link
kidssinjireturn @t_hotta ああ〜野上照代さんがいたなら、すべての事情が明らかになっていたでしょうね。 link
t_hotta 黒澤自身は「ソ連にあるのではないか」と考えていたと熊井啓が触れています。 RT @kidssinjireturn @katsudobenshi: @kmrtwit @kidssinjireturn 噂では『白痴』を持ち出した人物はラボ関係者で零号プリントだとも言われています。 link
katsudobenshi ただ、黒澤プロが接触した時に『白痴』引き渡し条件として数千万単位の金額を提示されたらしいです。あくまで伝聞ですが。 link
kmrtwit 「4時間26分版」の零号プリントを松竹が焼いたということでしょうか、それとも現像場が勝手に焼いたのでしょうか。 RT @katsudobenshi: @kmrtwit @kidssinjireturn 噂では『白痴』を持ち出した人物はラボ関係者で零号プリントだとも言われています。 link
kmrtwit というのも公開を前提としていないヴァージョンのプリントを焼くはずがないんです。通常であれば暫定「3時間2分版」、量産「2時間46分版」の零号初号しかない。 link
kmrtwit @kidssinjireturn ああなるほど、大船の記録は助監督ですもんね。しかしこれだけもめると野上さんが水面下で協力している可能性はありますね。しかもPが本木荘二郎じゃないですか。「4時間26分版」を存在させようとする動きに関与している可能性はある。 link
t_hotta .@kmrtwit 『羅生門』で記録についた野上女史が大映を辞めて上京、東宝に入るのは1952年です。『白痴』は1951年。熊井監督の文章では、4時間26分版の初号プリントは焼かれており、彼が確認したフィルムもポジだったそうです。 link
kmrtwit 「4時間26分版」が現存するかどうかは別として、実在する、ということを前提に推論しているわけですが、だれかがプリントを焼かないとプリントは存在し得ない。松竹が焼けと言うはずがないなかで、でも実在するなら、誤りか故意で焼いたかどちらかですね。フライングで焼いたか、ということ。 link
sakaPI @kidssinjireturn いやいやいや、「ラボ関係者」で「数千万を要求」はちょっとアレだと思います。東洋現像所か、東京現像所のどちらかしか、当時ラボはありません。両方とも今だ存続してる会社です東洋現像所は現IMAGICAです。横からスイマセン。 link
sakaPI 『白痴』のエンドタイトルには、現像所(ラボ)名もクレジットされてるでしょうし、ブログ読者の方がラボを特定しようとしたら出来てしまいます。しかし、まあ@kidssinjireturnさんの判断にまかせますが。 link
t_hotta 松竹大船撮影所は所内に現像所がありましたよ。RT @kidssinjireturnだそうですが、数千万要求したのは?RT @sakaPI いやいやいや、「ラボ関係者」で「数千万を要求」はちょっとアレだと思います。東洋現像所か、東京現像所のどちらかしか、当時ラボはありません。 link
katsudobenshi 『白痴』4時間26分版において一番の悲劇は、現在の所有者がフカシこいていて、熊井監督含め、みんなが希望的観測の上に発言しているという事態ではあります。 link
t_hotta .@kidssinjireturn @sakaPI ただし、松竹大船撮影所内の現像所は1960年に閉鎖されています。カラー作品が増加したため。 link
katsudobenshi 勿論、常識的に考えればそうなんですよね。 RT @@sakaPI いやいやいや、「ラボ関係者」で「数千万を要求」はちょっとアレだと思います。東洋現像所か、東京現像所のどちらかしか、当時ラボはありません。両方とも今だ存続してる会社です東洋現像所は現IMAGICAです。 link
katsudobenshi 『白痴』が飛び交ってる…。これはオモシロイ。誰がいつ焼いたかの問題は「ダマで持ち出した」という犯罪行為故に闇の向こうですね。 link
kmrtwit 黒澤はすっとぼけている可能性はありますねw 実際ソ連にある可能性があるとしたら、どの時点で誰が持ち出したんでしょうね。 RT @t_hotta: 黒澤自身は「ソ連にあるのではないか」と考えていたと熊井啓が触れています。 link
kmrtwit 昔はすべての撮影所には現像場がありました。撮影技師は撮影・編集・現像までひとりでやっていた時代がありました。RT @t_hotta: .@kidssinjireturn @sakaPI ただし、松竹大船撮影所内の現像所は1960年に閉鎖されています。カラー作品が増加したため。 link
kmrtwit 現像は松竹の技師神田亀太郎、焼付は桜井輝代とありますが、これは謎の人物。 link
t_hotta 助監督の一人・中平康が通しの試写を観た、と書いているので短縮の判断はいったん完成した後に下されたのではないかと推測します。RT @kmrtwit (中略)もしかすると一度は松竹が「4時間26分版」のプリントを焼けと判断したのかもしれませんね。 link
kmrtwit 通しの試写というのは音付オールラッシュのことじゃないでしょうか。それが「4時間26分版」でも5時間でもありえますね。 link
kidssinjireturn 推理をまとめると、カットしろとの要求に憤った黒澤がフィルムをラボの人に持ち出すことを頼む。その人は義憤に駆られてのことだったが亡くなってしまったことにより、フィルムは極悪非道の悪人の元へ渡り、黒澤プロに数千万を要求してくる。こんなものか。 link
t_hotta .@kidssinjireturn 当時、黒澤明と本木荘二郎は東宝を離れ、映画芸術協会の所属でした。完成した『白痴』の尺を巡るやりとりもこの組織の中で行なわれたと思います。「盗難」があったとすればこのあたりも事情にからんでいるのかもしれません。 link
t_hotta 確かにその可能性はあります。しかしラッシュ時は6時間近かったという説もあり、4時間26分版が完成した後に、短縮の要請が出たらしいことは、堀川弘道『評伝黒澤明』などにも書かれています。RT @kmrtwit >通しの試写というのは音付オールラッシュのことじゃないでしょうか。 link
katsudobenshi 現存プリントがそれだと、それはそれで監督の意図とは違う『白痴』ですね。 RT @kmrtwit 棒焼きのラッシュみたらそりゃ6時間でも7時間でもかかりそうですな。 link
kmrtwit #Hakuchi4h26 @t_hotta さんによれば堀川弘道『評伝黒澤明』には「4時間26分版が完成した後に、短縮の要請」とある。つまりこれは一旦完成したんですね。ということは初号を焼いて量産しようという「直前」まで来たと考えていいのではないかと思うのです。 link
kmrtwit みなさんがどう考えているのかはわからないんですが、わたしの最初の疑問は、なんで4時間26分版が実在するんだろう、ということで、なんの資料も読んでいないので、そういう疑問から始まったわけです。 link
kmrtwit ここもポイントですねー。大船の機材人材を使用してよし、という形で映画芸術協会が請け負ったのでしょう。衣笠映画聯盟のように。RT @t_hotta: .@kidssinjireturn 当時、黒澤明と本木荘二郎は東宝を離れ、映画芸術協会の所属でした。 link
kmrtwit 戦前、衣笠貞之助の衣笠映画聯盟は松竹下加茂の機材人材を使用して、数本の上映用プリントまでを含めた納品条件で松竹から請負製作しました。映画芸術協会が似たような納品条件で松竹から請け負ったと考えると氷解します。 link

katsudobenshi 事の端緒は熊井監督の発言ですね。そして現在、4h26m版の所有者と言われる人物を黒澤プロは特定している。これは黒澤プロの田畑氏の発言です。逆に言えば「ある」という論拠はこれだけとも言えます。 link
t_hotta @kidssinjireturn @kmrtwit 熊井監督は「それが完全版ポジであることを確認した」としか書いてないんです。だから私は3時間2分版のことかとずっと思っていた。 link
t_hotta あと、どうでもいいけど「そんなに切りたければフィルムを縦に切ればいい」って有名なセリフは、師匠の山本嘉次郎に送った手紙に愚痴ったもので、別に松竹に向かって吐いたわけじゃないんですよね…… link
kmrtwit 本木・黒澤ら映画芸術協会は初号プリントまで、ないしは数本の上映用プリントまでを納品条件として松竹から請け負い、4時間26分版を零号か初号まで焼いた。松竹サイドはそのどちらかの時点の試写を観て、短縮要請をした。3時間2分版が生まれます。これを納品したと。 link
kidssinjireturn その田畑稔氏は例の黒澤財団問題で解任されています。 link
kmrtwit 縦に切れ、と黒澤がブチ切れた後に生まれた2時間46分版は、黒澤が切ったのかどうなのかわたしは知りませんが、これが量産プリントの原版となった。で4時間26分版の零号だけか、初号と両方が残る。これは納品していないんです。なるほどです。 link
katsudobenshi いささかポエティクな物言いになりますが、4時26分で公開寸前までいったものを切られたからこその「縦に切れ」発言かもしれませんね。それより早い段階での短縮要請であればもっと冷静な反応であったかも。 link
kmrtwit でそういうことならこの納品していない零号等は、黒澤邸だとか映画芸術協会事務所とか大船の片隅かどっかにあってもおかしくない。で次に現存する、ということについては、四国で所有者に会って熊井氏が確認したと。なんで四国なのかは知りませんけどね。 link
katsudobenshi ますます闇の中でしょうか?ただ問い合わせのやりとりは一年以上前にしてますから、今回の影響は受けてないと思われます。 RT @kidssinjireturnその田畑稔氏は例の黒澤財団問題で解任されています。 link
kmrtwit @katsudobenshi 脚本段階で言えつう話だと思いますな。あの脚本にゴー出して切れとはなんだよ、つうことなのかもしれませんね。いやどんな脚本かは知りませんが。 link
t_hotta 野村芳太郎の証言によると、完成後長さを問題にした松竹は短縮を命令、高村撮影所長がこっそりカットしようとするのを、あわてて監督に報告、黒澤・久板・野村で3時間版が作られたそうです。2時間46分版もその時作られたのか後でさらに短縮したのかは不明です。 link
kmrtwit 高村潔か。こっそりカットはすげえなぁw link
katsudobenshi そりゃ監督協会で著作権を求めますよね。『飢餓海峡』も内田吐夢不在でカットされてますもんね。 link
kidssinjireturn フィルム缶に4時間版とでも書いてあったんでしょうかね、もしくは零号とか。もう寝ます。 link
kmrtwit その通りス。フィルム缶にご対面していたらわかりますね。 RT @in0shikacho: 巻数でわかるんじゃないでショか link
katsudobenshi 缶だけなら見せるとか、リストだけなら見せるとかいうコレクター多いんですよ…。『白痴』云々じゃなくて。 link
kmrtwit そのコレクター心理もわかりますわ。熊井氏はどこまで確認したんだろうなあ。 link

(一部、重複した部分をカットし、議論の流れに合わせて順序を入れ替えています)