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跡地

2010-08-25

[][] 訃報・今 敏さん

  • 映画監督、アニメーション演出家の今 敏さんが亡くなったという知らせに接したのは未明のツイッター。とうてい信じることなど出来るはずもなく、朝になって大勢のアニメ関係者の twitter、mixi、blogに触れても、まだ誤報という可能性に一縷の望みをつなぎ、ろくに裏も取らずに記事を創るWEB媒体に苛立たせられながらも、続報を待ちわびていたのだが、ついに決定的な情報が届いた。それも今さんご本人のブログから。遺言を用意されていたのだ。

忘れもしない今年の5月18日。

武蔵野赤十字病院、循環器科の医師から次のような宣告を受けた。

「膵臓ガン末期、骨の随所に転移あり。余命長くて半年」

妻と二人で聞いた。二人の腕だけでは受け止められないほど、唐突で理不尽な運命だった。

普段から心底思ってはいた。

「いつ死んでも仕方ない」

とはいえあまりに突然だった。

http://konstone.s-kon.net/modules/notebook/archives/565

  • 自分は今 敏のファンだ。作品はもちろん、ご本人の出演されるイヴェントにもよく足を運んでいる。『PERFECT BLUE』の冒頭シーンのアイドルオタクのガヤに参加したりなんかもしている。トークショーでの今さんは、いつでも悪戯っぽい笑みを浮かべ、毒舌で軽妙だ。辛辣なコメントは、クールな知性と映画・アニメへの情熱に裏打ちされたものだ。同席している関係者たちから慕われ尊敬されている事が手に取るようにわかる。つまりは格好良い人なんだよ。

一番の心残りは映画「夢みる機械」のことだ。

映画そのものも勿論、参加してくれているスタッフのことも気がかりで仕方ない。だって、下手をすればこれまでに血道をあげて描いて来たカットたちが誰の目にも触れない可能性が十分以上にあるのだ。

何せ今 敏が原作、脚本、キャラクターと世界観設定、絵コンテ、音楽イメージ…ありとあらゆるイメージソースを抱え込んでいるのだ。

もちろん、作画監督、美術監督はじめ、多くのスタッフと共有していることもたくさんあるが、基本的には今 敏でなければ分からない、作れないことばかりの内容だ。そう仕向けたのは私の責任と言われればそれまでだが、私の方から世界観を共有するために少なからぬ努力はして来たつもりだ。だが、こうとなっては不徳のいたすところだけが骨に響いて軋んだ痛みを上げる。

スタッフのみんなにはまことに申し訳ないと思う。

けれど少しは理解もしてやって欲しい。

だって、今 敏って「そういうやつ」で、だからこそ多少なりとも他とはちょっと違うヘンナモノを凝縮したアニメを作り得てきたとも言えるんだから。

かなり傲慢な物言いかもしれないが、ガンに免じて許してやってくれ。

http://konstone.s-kon.net/modules/notebook/archives/565

  • 「PERFECT BLUE」「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」「妄想代理人」「パプリカ」と作品を発表するごとに驚かされた。企画は常に挑発的で、それまでのイメージを裏切り、それでいて、こうして作品名を並べてみれば、そこには確かに一貫した作家としてのスタンスが感じられる。「夢みる機械」もまた、新たな魅力にあふれた作品になっていることだろう。そうでないといけない。

おくやみ 今敏氏=アニメーション映画監督 24日死去。46歳。告別式は近親者で行う。

 漫画家としてデビュー後、アニメ業界に転身。細密でリアルな描写が持ち味で、1998年公開の初監督作「パーフェクトブルー」で注目を集めた。大女優の半生を描いた「千年女優」や、3人のホームレスがクリスマスに赤ん坊を拾う「東京ゴッドファーザーズ」を監督し、筒井康隆氏のSF小説が原作の「パプリカ」がベネチア国際映画祭に出品されるなど、海外からも高い評価を得た。新作「夢みる機械」を制作中だった。

(2010年8月25日14時48分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20100825-OYT1T00767.htm

8月24日午前6時20分、今 敏は膵臓癌(膵癌)により永眠いたしました。享年46歳。故人の意向により葬儀は親族のみで行います。ここに生前のご厚誼を深謝し、謹んでお知らせ申し上げます。株式会社KON'STONE 代表取締役 今 京子

http://twitter.com/kons_tone

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