映画「フューリー」

やや良。すごくよく出来た戦争映画。本物の戦車をわざわざ使って撮影しただけの迫力は感じられた。

舞台はD-Day後のヨーロッパ戦線。戦略的には圧倒的優勢に立ちながらもドイツ軍の局所的な猛反撃により劣勢に陥ったアメリカ陸軍部隊の戦車小隊の1車両であるFURYにのる乗員たちが主役。

全体を通して感じられたのは、戦車の歩兵に対する圧倒的優位さとドイツ軍戦車への恐怖感。戦争がきれい事ではなく、兵士全員が明日をも知れぬ身であることが何度となく見せつけられます。

死亡した戦車兵の代わりに補充された新兵の成長とともに観客もある程度状況を理解していけるような作りになっていたと思います。2時間14分となかなかの長さですが、最後まで飽きることなく緊張感を持ってみられました。

白燐弾を対歩兵の焼夷弾として使うというのは知らなかった。なかなかの非人道兵器。

ただ、最後の対歩兵戦だけはさすがにちょっと・・・。戦車1台乗員5人対100人以上の対戦車装備も持っているドイツ兵で、不意を突いたとはいえドイツ側に壊滅的打撃を与えるというのはなぁ。実際にあった出来事を参考にしているとかなのかもしれませんが、さすがにご都合主義すぎるように感じました。あとギリースーツ着たスナイパーが接近しての射撃で何度も外すのは、匍匐状態からの上方射撃とはいえこれも・・・。

字幕について。延期信管という単語に違和感を持ちました。瞬発と短延期、遅延信管ならわかるんですがその辺ちょっとだけもやもやっと。自分が無知なだけかもしれませんが。あと気になったのは下の記事にもありますが「0.8度下げ」。説明なく専門用語連発だとたしかに訳がわからなくなるだろうから意訳の範囲内かなと思うんですが、やはり違和感はありました。

http://movie.maeda-y.com/movie/01932.htm 超映画批評 85点
http://eiga.com/news/20141125/17/ 手に汗握る緊迫感!「ティーガー戦車VSフューリー号」一騎討ち映像が公開!
www.combat.ch/news/8280.html リアリティを徹底追求した『フューリー』、"字幕"をめぐるもうひとつの"バトル"とは!