「武士の家計簿」

森田芳光監督、磯田道史原作「武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新」、柏田道夫脚本。江戸時代の終りの加賀藩、御算用者として藩に仕えてきた猪山家。信之(中村雅俊)の息子・直之(堺雅人)はひたすらに算盤をはじき真面目に数字の帳尻を合わせる、そろばんバカと呼ばれるほどだった。やがて直之に、町同心・西永与三八(西村雅彦)の娘・お駒(仲間由紀恵)との縁談がもちこまれる…。算盤で家族を守るソロバン侍という全体のテーマが新鮮。笑い所を巧みに入れながら、幕末等時代を背景にした家族の物語として感動的にまとめていく森田芳光の手堅い演出も冴えている。多分、世間的には地味という感想が多いと思うけど、個人的には結構好き。「塵劫記」を愛読するおばばさま(草笛光子)がいい味を出していたんだけど活躍どころが少なくて残念。
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