空中キャンプ

2007-05-19

[]「リーピング」を見たゼ!

歌舞伎町にて。初日。いわく言いがたい、独特のあやしげな雰囲気があってよかった。こういうストーリーってなんか引き込まれるんだよな。物語の設定だけではなくて、美術もよかったです。アメリカのとある田舎町で、川の色が赤に変色するという現象が起こる。調査にやってきた科学者たちは、その町で、聖書に書かれた十の災いが再現されていくようすを見ることになる。

たとえば「キリスト教」とひとくちにいっても、世界中すべての国や地域で、フランチャイズ的に同じ信仰が共有されているわけではない。というのは、これはどんな宗教もそうだとおもうんですけど、その地方特有の風土や因習、言い伝えなどと渾然となり、土着化した信仰へと変わっていくためだ。信仰の土着化は、いかにも密教的になっていくというか、触れてはならない秘密、封印された信仰というまがまがしさを帯びて、ファナティックであり、なんだかとてもこわい。この映画は、そうした信仰の土着化がテーマになっている。舞台となるのは、携帯の電波さえ届かないような田舎町で、もちろん住民はすべて敬けんなクリスチャンであり、きわめて保守的である。このマイナスの足し算、つまり、「土着化した信仰+田舎町の保守性」により、劇中には、なんだか窒息しそうな別空間ができあがっていた。

田舎の保守というのは、あまりにも保守的でありすぎるがゆえに、むしろどんどん過激になっていくという、よくわからない反転がある。1mmでもはみだしたやつは容赦しない、見つけしだい排除するぞ、という、エクストリームな保守性。これは映画のモチーフとして多用されているとおもうのですが、やはりアメリカには、田舎の保守性にたいする恐怖が厳然としてあるのだなあとつくづくおもう。田舎の保守ってこわいよな。日本も、似たようなものかも知れませんが。

また、聖書の災いがひとつずつ再現されるというのも、こわくていい。特にイナゴの大群! 気持ちわるすぎ! ちいさい頃、図鑑かなにかで、「イナゴの大群がやってきて、土地をめちゃくちゃに荒らして去っていく」という話を読み、子ども心に、そのおそろしい光景を想像して「こわいなあ、イナゴの大群だけはいやだよ」と感じたことをおもいだした。あれ、すごかったな。作品ぜんたいを通して、緊張感が持続していたのもよかったです。

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